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文芸春秋9月号の木村俊雄氏論文について=⑮漏れ口の総口面積は [東電核災害の検証]

新潟県の技術委員会で木村氏の主張が取り上げらた。新潟県の技術委員会では、福島事故検証課題別ディスカッションの【地震動による重要機器の影響】で、1号機非常用復水器(IC)の小破口LOCAの可能性を論じている。田中三彦委員から問題提起された。

⑮漏れ口の総口面積は

1号機では、SRV主蒸気逃がし安全弁が動作した記録がないし、作動音を聞いたという証言もない。
2号機、3号機では、動作した記録がある。水蒸気が轟音を立てて排気管を通り圧力抑制室内に噴き出る音が聞かれていない。「2号機では運転員が地鳴りのような作動音を聞いている。3号機でも作動音が確認されて」いる。(中間まとめ)
 1号機は原子炉炉圧6Mpaで時刻34分に上昇開始し始めたから、約11分28秒後には7.64Mpaに、SRVの低作動圧に達する。時刻は15時45分30秒。しかし作動音せず。次の作動圧は7.71Mpaで20秒後の15時46分に、8.51Mpaで5分36秒後の52分頃に、8.62Mpに46秒後の15時53分達する見込まれるが、いずれも作動音を聞いたという証言はない。
東電が云うようにように《原子炉圧力容器の圧力がSRVのバネ設定を超えると自動で弁が開く単純な構造(安全弁機能)であり,全てが不動作になることは考えがたい》から、何処かに、炉蒸気の漏れ口が新たに出来た、これまでにあったIC蒸気ベントライの割れ目の他に出来たのだろう。それで漏れ量の総量が増え、SRV作動の炉圧まで上がらなかった、達しなかったのだろう。


どれ位の大きさで、どのあたりにできたのだろうか。

《1号機において小規模漏えいの発生により逃し安全弁が不作動となった可能性》を、原子力規制委員会は、2013平成25年11月の〔東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会〕で検討している。その結果は、2014平成26年10月8日付けの「東京電力福島第一原子力発電所事故の分析中間報告書 NREP-0001」に出ている。57頁以降から抜き出す。   http://www.nsr.go.jp/data/000069286.pdf

津波到達後の小規模漏えい・気体ガスの漏えい面積 ㎟
700㎟ SRV弁の安全弁の作動圧、7.64Mpaより、原子炉圧力が大きくなる
800㎟ SRV弁の安全弁の作動圧、7.64Mpaと、原子炉圧力が同程度になる
900㎟ SRV弁の安全弁の作動圧、7.64Mpaよりも、原子炉圧力が小さくなる

だからICベントラインの漏えい面積と合わせて、800㎟になるなら、7.64Mpa以上に炉圧は上がらないだろう。

000069286 (事故の分析中間報告書)64下図3.jpg
中間報告書の62頁の図4.3に加筆・編集
続く


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