柏崎刈羽原子力発電所、東京電力の核物質防護、2022/04/27の規制委員会よりー大島堅一教授 [柏崎刈羽原発、施設設備]
柏崎刈羽原発にある使用済み核燃料、平成28年度現在 [柏崎刈羽原発、施設設備]
柏崎市の【1~7号機の燃料輸送・使用済燃料保管状況】のWebページ に依り作成
プラント | 貯蔵容量・体 | 炉心容量 | 管理容量・体 | 度末保管量 | 空きの容量・体 |
1号機 | 2,790 | 764 | 2,026 | 1,835・・90% | 191・・炉心の四分の一 |
2号機 | 3,239 | 764 | 2,475 | 1,759・・71% | 716・・炉心の93% |
3号機 | 3,212 | 764 | 2,448 | 1,695・・69% | 753・・炉心の1個分 |
4号機 | 3,209 | 764 | 2,445 | 1,660・・67% | 785・・炉心の3分の一 |
5号機 | 3,175 | 764 | 2,411 | 1,934・・80% | 474・・炉心の六割 |
6号機 | 3,410 | 872 | 2,538 | 2,362・・93% | 226・・炉心の四分の一 |
7号機 | 3,444 | 872 | 2,572 | 2,489・・97% | 83・・炉心の一割 |
合計 | 22,479 | 5564 | 16,915 | 13,734・・81% | 3181・・炉心の六割 |
(注意)
定期検査・燃料交換時には原子炉の炉心の核燃料を一時、使用済燃料保管プールに移動する。そして、核分裂量が多くなった燃料棒をプールに残し・除き未使用の新燃料を加えて、プールから再移動して新炉心を構成する。約三分の一から四分の一が残置・交換される。この炉心からの移動の必要があるから、1炉心分の空きスペースが必要。置ける、残置できる使用済み核燃料量を、管理容量と云う。貯蔵容量-炉心容量=管理容量。
考察
再稼働したら1年3か月後には、定期検査・燃料交換の時を迎える。その際に交換用の新燃料棒が、予め保管プールに入れてあれば作業はスムーズに進む。そうでなくとも作業時間をかければ良い。そういった意味ではどのプラント・号機も再稼働は可能。
ただし、その燃料交換後に管理容量がゼロ以下になれば、炉心の核燃料を使用済燃料保管プールに一時移動も出来なくなるから、燃料交換できず再々稼働は無理に無理になる。その視点からは、1号機、6号機、7号機は燃料交換の2度目、二回目はない。つまり再稼働しても、その号機プラントの運転期間は1年3ヶ月×1+1年3か月・炉心に入れっ放しにする最終運転分≒2年6か月ほど
1~7号機全体で検討すると、全炉心容量は5564体。全空き容量は、3181体・全炉心容量の57%。一回の定期検査・燃料交換で約三分の一から四分の一炉心が交換、残置される。1670から1390体の使用済み核燃料が出て、空きを埋める。2回の定期検査・燃料交換で管理容量がゼロ程度になる。だから、運転期間は1年3ヶ月×2+1年3か月・炉心から取り出さない最終分≒3年9か月ほど。
仮に、再稼働は6、7号機だけならば、全空き容量は3.6炉心分。2機でこれを埋め合うことになり、全部で11回の燃料交換で埋まることになる。管理容量がゼロ以下になる。6、7号機で合わせて11×1年3か月+1年3か月・6号機最終+1年3か月・7号機最終で延べ2機で11年39ヶ月≒14年3か月ほど見込まれる。
全空き容量は、1026体が一気に埋まる、塞がる可能性がある。柏崎市は【専用船で青森県六ヶ所村の日本原燃株式会社六ヶ所再処理工場へ2002平成14年から輸送。】と記載している。それは2012平成224年までに1026体。これが、帰ってくる可能性がある。
TIP配管、TIPボール弁は隔離弁になるのか [柏崎刈羽原発、施設設備]
中性子を数える
一定の断面積を一定の時間に通過する中性子の数で核分裂の様子を知ることができる。一定の断面積を、一定の時間に通過する中性子の数は、中性子の速度が一定ならば、その一定の時間の速度の長さで底面が1平方センチメートルの柱体の空間にある中性子の数である。一定の時間に流れゆく中性子流、中性子の束とイメージされる。それで中性子束(ちゅうせいしそく、Neutron flux)と名付け、定義は1平方センチメートル、1秒としている。単位は cm -2 ・sec -1。
原子炉停止状態から定格出力の125%までの原子炉出力を適切な中性子束検出装置によって測定する。
あらかじめ定めた出力以上では制御棒引抜監視装置により燃料の許容設計限界を超える前に制御棒の引き抜きを阻止する機能を持たされている。
平均出力領域モニタは、あらかじめグループ分けした局部出力領域モニタの、各増幅器からの出力信号を平均化する機器で構成
(c) 移動式炉心内計測装置(TIP)
測定値を正す(ゲイン校正)が必要になる。感度が既に分かっている測定器を原子炉外から原子炉内に送り込んで、局部出力領域モニタと同じ場所を同じ時刻に測って、両方の測定値を較べてみる。その装置が Traversing in-Core Probe 移動式炉心内計装装置、略してTIP。その計測器を炉心内の各位置に設置された校正用導管(案内管)までの移動を導く管を案内管という。導管は、炉心内からドライウェル内の校正用導管選択装置まで延びており、校正用導管を、3グループに分割し、グループごとに検出器駆動装置を設ける。
http://www.tepco.co.jp/kk-np/nuclear/pdf/16121701.pdf
10月20日17時頃に作業終了
TIP検出器を原子炉格納容器に出し入れする際に開閉するTIPボール弁の一つ、3弁のうちの一つが「閉」表示にならなかった。
TIP系に付属する、TIP検出器がボール弁より後方にある遮蔽容器内にある事を検知する近接スイッチが有るとする信号を送らないと動作不良では閉まらない。切り離したところ13時37分にボール弁を全閉できた。
校正作業中に起きたら
しかし、格納容器隔離弁が目的とする格納容器バイパスを防ぐという視点での評価がない。15~17時の間に校正作業中に格納容器隔離信号が発生した場合にボール弁が全閉して隔離できたかという評価がない。
らせん状巻線のついた信号同軸ケーブルがボール状の弁に挟まって、全閉はしないだろう。それともケーブルを切断できるのか?炉心溶融すれば原子炉内に漏洩口ができる。全閉してなければ、格納容器の外に漏出口があるのだから格納容器をバイパスして放射能が漏えいする。