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SPPEDI覚書;201910の参 [AM-放射能拡散予測・SPEEDI]

 PBS(プラント事故挙動データシステム:.. Plant Behavior Data System)

 

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SPPEDI覚書;201910の弐 [AM-放射能拡散予測・SPEEDI]

2007平成19年7月16日10時13分に発生した新潟県中越沖地震

中越沖地震時に作動しないERSS

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SPPEDI覚書;201910の壱 [AM-放射能拡散予測・SPEEDI]

国際原子力機関(IAEA:International Atomic Energy Agency)の安全要件、GS-R-2への対応

ERSS(緊急時対策支援システム)とSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)

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DIANA(東電版SPEEDI)は避難に役立つのか [AM-放射能拡散予測・SPEEDI]

DIAINA (Dose Information Analysis for Nuclear Accident)
 
過酷事故シビアアクシデントに備えて事故炉の放射能放出率を算出するシステムを東電は持っている。名前はDIANA 原子力発電所周辺線量予想評価システム(Dose Information Analysis for Nuclear Accident)。これはIAEAの安全基準安全要件(GS-R-2)「原子力又は放射線の緊急事態に対する準備と対応」の4.24の要件に対応したものと言える。
4.24抜粋「事業者は、以下に関する十分な情報を迅速に作成し・・
(a) 放射性物質の環境への[計画外の]排出[又は被ばく]の範囲と程度の早期予測又は評価。
(b) [原子力又は放射線の緊急事態]の進展に伴う迅速かつ継続的評価。」抜粋終了。

 日本政府・規制当局はIAEAの安全基準安全要件(GS-R-2)は、5.18、5.21、5.22での要件に対応してSPEEDI緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム( System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information)を持っている。
5.18抜粋「5.18. 「緊急時計画には、適宜、以下が含まれなければならない。
(e) [原子力又は放射線の緊急事態]及びその敷地内外への影響を評価する方法と機材の説明。」抜粋終了。

日本国政府・規制当局はSPEEDIをもち、東京電力はDIANAをもっている。

原子力規制委員会はSPEEDIをお払い箱にした。ところが、東京電力はDIANAを使い続けるとしている。どうしてそんな事が出来るのだろう。
(柏崎刈羽原子力発電所6号及び7号炉 監視測定設備について【PDF:1MB】
http://www.nsr.go.jp/data/000102549.pdf

DIANAの仕組み 
「柏崎刈羽原子力発電所6号及び7号炉 監視測定設備について」と「福島第一原子力発電所事故における放射性物質の大気中への放出量の推定について 平成24年5月 東京電力株式会社」をもとにDIANAの性能を見てみる。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120524j0105.pdf

DIANAは、放射性希ガス・よう素および粒子状物質が大気中に放出された場合を想定して、地形形状を考慮し、放射能放出率と気象条件より0.5MeV 換算の仮想粒子の大気拡散評価が可能であり、発電所周辺の任意の地点の放射線量率の計算を行うことができる。10分間は一定の放出率を仮定しているので、10分毎に原子力発電所周辺の3次元移流拡散現象を模擬し、任意の地点における空間線量率を評価することが可能なシステムである。

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 このシステムを利用し、単位放出率あたりのモニタリング・ポスト等の位置での放射線量率を求め、実測された放射線量率との比例計算により、実際の放射能放出率を算出することができる。

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発電所を含む、東西 50km×南北 50km×高さ 2kmの評価領域内の風場を、発電所内で測定された実測の風向、風速の気象データを元に地形の影響(風向変動)を考慮し1km×1km×100mの計算メッシュで模擬・デジタル化し、50×50×20の3次元のデジタル風場を作成し、0.5MeV 換算の粒子による移流拡散を計算する。事故炉に内蔵されている放射能量(インベントリ)は、原子核の特性(核分裂断面積,核分裂収率,崩壊定数など)を用いて、原子炉内の核分裂生成物の生成および壊変による放射能量を求めるORIGENコードを用いて算出する。その単位放出率あたり放出量によるモニタリング・ポストなど観測地点の位置で拡散量が得られる。その量での放射線量率を求め実測された放射線量率との比例計算により、実際の放射能放出率を算出することができる。

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SPEEDIと比較すると
DIANAは、事業者の放射性物質の環境への排出又は被ばくの範囲と程度の早期予測又は評価のためのシステムであり、発電所敷地内に配置したモニタリング・ポストやモニタリング・カーの観測地点の拡散量や放射線量率の予測が求められる。発電所敷地内だから精々2㎞先である。風速1.5mの微風では22分の距離。秒速2mなら約16分。システムの仕様も10分毎に再計算・再出力するようになっている。

 SPEEDIは緊急時計画、原子力防災の避難や安定ヨウ素剤服用と言った防護手段を採るために必要な早期予測又は評価のためのシステムであり、住民の集落や団地等での予測値が求められる。DIANAは10数分後の予測が求められるが、原子力防災の道具のSPEEDIはEPZ・5km圏の圏境に到達する時間、UPZ・30km圏の境への到達時間を考慮すると数時間後の予測が求められる。
 DIANAは39km先の地点の放射線量率も算出・評価するが、秒速2mなら到達時間は325分・約5時間半、風速1.5mの微風では433分・約7時間後。DIANAは発電所内で測定された計算時刻の実測の風向、風速が変わらないと仮定したデジタル風場を作成し評価しているから、実際と大きく食い違う不確実性が大きい。防護手段を採るために必要な早期予測としては、粗すぎる。
 SPEEDIでは気象データの予測は、気象庁が1日4回出す数値予報GPVのGSM(日本域)を用いる。GSM(日本域)は日本のある北緯20度~50度、東経120度~150度を緯度0.2度×経度0.25度、151×121の約20km×約20kmの計算メッシュでデジタルな予想を1日4回出す。これを大本の気象データにしている。
 これは余りに大まかである。地形の影響(変動)も考慮する必要がある。それでGSM(日本域)を基に計算し直して、東西 100km×南北 100km×高さ4kmの範囲を2km幅高さ130mの50×50×30の2km幅高さ130mの計算メッシュで3次元のデジタル風場を作成して、線量率や甲状腺被ばく等価線量などは更に細分化し100×100×30の1km幅高さ130mの計算メッシュで予測する「広域」。

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 より狭い範囲、東西 25km×南北 25km×高さ2kmの範囲を100×100×20の250m幅高さ100mの計算メッシュで3次元のデジタル風場を作成して、線量率や甲状腺被ばく等価線量などを詳細に予測評価する「狭域」。

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「広域」と「狭域」の2種類のデータを防護手段を採るために必要な早期予測又は評価として提供する。、SPEEDI の線量率や甲状腺被ばく等価線量など予測精度は風場・風速場の予測精度に依存している。それは大本の気象データが気象庁の予報だから、下駄を投げるのとは違うが、予報は予測だから風雨が早まったり遅れたり、強かったり弱かったりする。それに由来する不確実性がある。それはアメダス(AMeDAS Automated Meteorological Data Acquisition System 地域気象観測システム)や原子炉施設周辺気象観測データなどの実測値で補正する仕組みがある。それでも不確実性は残る。

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 このようにDIANAとSPEEDIは、予測手法は基本的に同じだが、それが果たすべき役割、システムの重要目的が違うから仕様性能が異なる。東京電力の10分毎に再計算・再出力するDIANAの仕様は、緻密、時間的に細密な予測値を提供する。しかし、事故炉から5km圏のEPZ圏境に到達する時刻、UPZ・30km圏の境への到達時刻が大切な防護手段を採る判断の予測値としては不確実性が原理的に余りに大きい。SPEEDIは、気象庁の予報を用い、アメダス等の実測値で補正する仕組みを持っている。それでもある程度は不確実性は残る、それの予測精度の程度はどれ位か。

避難範囲や開始決定での実用性
 安定ヨウ素剤の投与の基準を小児甲状腺で50mSvとすると、予測で50だった地帯が実際は40でしたという精度なら、ヨウ素剤投与という防護措置を採るには十分ではないか。日本原子力研究所らは「観測データから計算した濃度や線量と予測値から計算したものはおおむね一致し、実用になるものと考えられる。」と2004年、3.11前は評価している。
SPEEDI の性能向上と試験運用 https://www.jstage.jst.go.jp/article/aesj/2004f/0/2004f_0_665/_pdf

 しかし、2011年の3.11ではSPEEDIは生かされず、ヨウ素剤投与という防護措置は行われなかった。そして後から原子力規制委員会は「SPEEDI による計算結果に基づいて防護措置の判断を行うことは被ばくのリスクを高めかねない」と評価している。暗黙の裡にヨウ素剤投与という防護措置を行わなかった責任をSPEEDIのせいにしている。
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の運用について https://www.nsr.go.jp/data/000027740.pdf

 規制委の評価が正しければ、被ばくのリスクを低くする防護措置は、原発が運転しないようにする事で「過酷事故のリスクをゼロ」ではないだろうか。運転を停止していても使用済み核燃料事故での被ばくのリスクは残るが、被ばくのリスクは低くなる。ところが、2015年の原子力防災指針(改定原案)では、原発事故時にモニタリング実測値で防護措置を採る、発動するとした。つまり避難するということは基準まで被ばくしてからで、そして被曝しながら行動を開始することを意味する。「被ばくのリスクを高めかねない」から放射能影響予測を使わないようにしていながら、基準まで被ばくするようにしている。これで防災なのだろうか。


タグ:SPEEDI

「SPEEDIは使い物にならない」なら、日本はIAEAの安全要件GS-R-2を満たしていないのだから、原発を運転する資格を失っている? [AM-放射能拡散予測・SPEEDI]

SPEEDIは(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)は、ERSS(緊急時対策援システム)から原発から放射性物質が出る予測時刻や予測放出の量の情報をもらい、出る予測時刻の風向きの気象予測データは気象庁のGPV(Grid Point Value, 格子点値)データから得て、放射能の影響を予測する。
 14日夜、柏崎刈羽の「透明性を確保する地域の会」で規制庁側は、模擬計算では計算上の放出時刻は3月15日午前6時となった結果を示し、「福島第一原発の教訓から、予測が上手くいかないとわかりました。」避難や退避の判断にSPEEDIは使えないと説明した。これは、また手の込んだ出鱈目を捏造したものである。
SPEEDI_規制庁「使えません」 柏崎で説明 住民から失望や疑問 /新潟- 毎日新聞.jpg
 以前、毎日新聞の斗ケ沢さんは、SPEEDIは風向きは予測できない旨の発言をした。SPEEDIは気象庁のGPVデータをつかう。気象庁のGPV(Grid Point Value, 格子点値)データは地図上に5kmまたは20kmメッシュの詳細な気象予報である。 5kmメッシュ詳細予報では1時間毎の予測を39時間先まで、20kmメッシュ広域予報では11日(264時間)先まで予測。予報の更新は、詳細(5Kmメッシュ)は1日8回(2:30,5:30,8:30,11:30,14:30,17:30,20:30,23:30) 広域(20kmメッシュ)予報は1日1回(5:40)である。SPEEDIは風向きは予測しない。やらない。それは気象庁にお任せである。毎日新聞の斗ケ沢さんは科学記者だそうだが、毎日新聞では事実を調べず、それに反しても科学記者を務められるらしい。
 原発から放射性物質が出る予測時刻や予測放出の量の情報は、ERSS(緊急時対策援システム)からSPEEDIはもらう。SPEEDIは放出の時刻や放出量は予測しない。やらない。それはERSSにお任せである。日本原子力開発機構の茅野正道氏は「放射性物質が周辺にどう広がるかを研究してきた。放出時刻や量の推定は別に研究で他から来るだろう、という受け身だった。」と言っている。元々、そういうシステムである。その他の研究を基にして、SPEEDIに放出時刻や量の推定を送るのはERSSである。
 ERSSは4つのサブシステムで構成される。オンラインで伝送されてくる原子炉や発電所近辺の放射線量などの情報を国の広域の防災ネットワークから一括して収集し表示する「プラント情報収集表示システム・ICS」。常時伝送されてる情報は、PWR(加圧型)で約70項目、BWR(沸騰水型)で約140項目。その情報を基に事故PK2012011902100109_size0.jpgの状態を正確に把握するために、事故時の事象進行に関する知識や安全機能等の状態を把握するために必要なパラメータおよびその判断基準値等を組み込んだ論理回路(判断ロジック)からなる「事故状態判断支援システム・DPS」。そして、ICSの情報を基にシビアアクシデントコード(MAAP)を使用し事故の進展、放射性物質が出る時刻や放出量を予測する「解析予測システム・APS」がある。1990年から開発されている。
 これらは、オンラインで伝送されてくる原子炉や発電所の情報が必要不可欠。ところが東京電力・福島第一原発では、地震直後に途絶えている。津波来襲前に途絶している。接続が大振動で断絶した。こうした事がなくても、PWRで約70項目、BWRで約140項目のパラメータを集約・管理しているコンピュータ、プロセス計算機の蓄電池電力が落とされ停止するために、ERSSに伝送されなくなる。設計では沸騰水型BWRで約1時間後、加圧型PWR約30分後にERSSに伝送されなくなる。

 ERSSには、このように原子炉や発電所の情報が伝達されない事態に備えたシステムがある。それは4番目の「プラント挙動データベースシステム・PBS」である。事故のパターンによってメルトダウンや放射能放出量の予測を済ませてデータベース化してある。例えば、SBO全交流電源喪失、緊急炉心冷却装置・非常用炉心冷却装置(ECCS)停止などの事故のパターンで各原発の事故経過を予め模擬計算してある。シビアアクシデントコード(MAAP)を使用し、実際に原子炉を暴走させる実験を米国の連邦政府の研究所「サンディア国立研究所」などで2回行って実験データで磨きをかけてある。それで各原発の事故経過を予め模擬計算してある。それをデータベース化してあって、事故条件 このプラント挙動データベースシステム・PBSでは、放出時刻、放出される放射能の核種種別に量の予測値も出す。そのデータをSPEEDIに渡し、放射能の影響を予測できる。

 使用する伝送パラメータが来ないので、電話、FAX 等によってパラメータの数値情報を得て、プラント事故挙動データシステム(PBS)を動かす。電話などで得たパラメータの数値情報から似かよった事故をデータベースから検索・表示することにより、おおよその事故進展を把握することがでる。計測できないプラントの状態(燃料破損、水素発生、燃料溶融等)や放射性物質の放出などを将来予測結果を短時間で出力する。パラメータの情報の入力作業を含めて、1 日・24時間の進展を 1 時間程度で計算で得られるそうである。得られた放射性物質の放出量をSPEEDI に受け渡し、放射能の流れ・拡散予想も出せる。

 3月11日午後10時44分、保安院はそれでの2号機の進展予測を官邸の危機管理センターに報告している。東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故進展解析結果について(解説)によれば、11日夜午後9時半頃に2号機のPBS結果がでる。12日未明午前2時ごろ1号機のPBS結果、13日午前6時半頃に3号機のPBS結果が出ている。
http://www.meti.go.jp/press/2011/09/20110902005/20110902005-6.pdf
 16時36分に1号機と2号機は非常用炉心冷却装置による「冷却装置注水不能」と判断され、東京電力は15条通報を国などに通報している。放射能が異常な水準で原発敷地外に放出される事態、周辺の住民が避難する事態にいたった場合には、原災法第15条では通報を電力会社に義務付けている。運転中に非常用炉心冷却装置の作動を必要とする原子炉冷却材の喪失が発生した場合で、かつ、すべての非常用炉心冷却装置の作動に失敗すること等がそれに当たる。

 その発災通報から、PBSを稼働させて約1時間後には、24時間分の事故経過予測が得られる。だから、3月11日の夕刻、19時頃には予想放出時刻、予想放出核種、予想放出量などをSPEEDIに渡せた。そして、SPEEDIは気象庁のGPVデータ、17時30分発表予報や20時30分発表予報を使い拡散予報をだせた。出さなかったのはSPEEDIシステムの機能的な問題ではない。SPEEDIを使う官僚側の問題である。
 東電核災害発災から約3か月後に行った模擬計算では計算上の放出時刻は3月15日午前6時となったというが、その模擬計算は、当時つかえた「プラント挙動データベースシステム・PBS」によるものか、使えなかった「解析予測システム・APS」によるものなのか、それとも3月15日午前6時になるように洗練・ブラッシュアップした計算ソフトによるものなのか。それに使われたプラント原子炉データは、3月11日から15日に入手できた情報なのか、後からの調査で入手したものなのかでずいぶん違う。後だしジャンケンでわざと負けるような手口である。
 
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 もっとも、ERSSの改良と実用化を担当し「原子力防災研修」の講師もつとめた方、原子力発電技術機構の元緊急時対策技術開発室長の松野元氏は、5秒でできたと言っている。たとえSPEEDIが作動していなくても、「事故の規模を5秒で予測して、避難の警告を出せると思います。『過酷事故』の定義には『全電源喪失事故』が含まれているのですから、プラントが停電になって情報が途絶する事態は当然想定されています。全交流電源を喪失したのですから、格納容器が壊れることを考えて、つまり放射性物質が外に漏れ出すことを考えなくてはいけない。台風や雪崩と違って、原子力災害は100倍くらい正確に予測通りに動くんです。」
「スリーマイル島事故では、5かける10の16乗ベクレルのオーダーでした。チェルノブイリ事故では5かける10の18乗のオーダーです。ということは、福島第⼀原発事故ではとりあえず10の17乗ベクレルの規模を想定すればいい。スリーマイル島事故では避難は10キロの範囲内でした。チェルノブイリでは30キロだった。ということは、福島第⼀原発事故ではその中間、22キロとか25キロ程度でしょう。とにかく逃がせばいいのです。」
 放射能の流れる方向など避難方向などを検討には、1ベクレルの規模でSPEEDIで予想で十分である。

 このように国民、周辺住民の生命の安全を確保することを第一義に優先して官僚らが働けば、避難や退避の判断には、SPEEDIは使えたし有用だった。国民の生命の安全を確保よりも大事なことが官僚らにはあったのだろう。それを覆い隠すのイチジクの葉が「福島第一原発の教訓から、予測が上手くいかないとわかりました。」。
 SPEEDIを使わなかったその結果、多数の人々が避けられるレベルを超えた被曝をしいられた。飯館村の人々などである。そうした人々からの責任追及が各地で起こっている。その追求に対して「福島第一原発の教訓から、予測が上手くいかないとわかりました。」という盾を用意したのである。
 さらに、官僚たちは新たな仕事を創造した。官僚たちは、SPEEDIは必要である。官僚が日本が原子力規制の拠所としているのは、国際原子力機関(International Atomic Energy Agency、略称:IAEA)。IAEAが2002年に定めている安全要件「GS-R-2 原子力又は放射線の緊急事態に対する準備と対応」で、環境に出る放射能の範囲と程度(量)を早期予測するシステムの整備を求めている。それに対応する日本版がERSS(Emergency Response Support System、緊急時対策支援システム)である。それで得られる環境に出る放射能の範囲と程度(量)の予測値を使い放射能影響を予測するシステムを開発しておくこと、それを「模擬した緊急時条件で試験を行い、使用前に妥当性を検証」しておくように求めており、これに応じた日本版予測システムがSPEEDIだ。 {GS-R-2の4.24、5.18、5.21、5.22の各項目参照}
http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/senmon/shidai/bousin/bousin2012_11/siryo4-1.pdf
 現在のSPEEDIやERSSが使い物にならないならば、IAEAの安全要件GS-R-2を満たすべく新SPEEDI、新ERSSを開発するお仕事が生まれる。官僚たちに利権が生まれる。とてもおいしい話である。ERSSに約155億円、SPEEDIは約125億円の税金を投じて1987年から開発、運用してきた。もう一度、同じことができるのである。
 規制庁監視情報課は「放出時刻などが分かれば、という仮定で開発されたSPEEDIが防災訓練などで使われ、そのうちに(実際にも)使えるとなったようだ。安全神話の一つかもしれない」と言っている。しかし、放出時刻や量が不明なまま予測できるのか。それは占いではないか。SPEEDIを「模擬した緊急時条件で試験を行い、使用前に妥当性を検証」していたことが「(実際にも)使えるとなったようだ」「安全神話の一つ」を産んだというのなら、新SPEEDIは妥当性を検証しなのか。官僚の皆さんは、検証方法の考案などいろいろお仕事が生まれる。
 それが出来ない間は、IAEAの安全要件GS-R-2を満たしていないのだから、日本は国際的に再稼働を原発を稼働させる資格がないのではないか。

 

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