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原発施設の多重性、多様性、独立性を蔑ろにする電力会社ら発言㈦ [防災‐指針・審議会]

2018年11月27日に第2回の規制庁と原子力・核発電事業者との公開の面談が行われている。 https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/other_meetings/120000008.html
その内容を議事録や会議映像(YouTube)でチェックしてみて、原発施設の多重性、多様性、独立性を蔑ろにする発言があった。議事録22頁にある森本氏の発言である。
○大嶋室長 火災対策室の大嶋です。
今のに関連しまして、工事のやり方なんですけども、4定検たたないと対策がとられないというところだと思うんですけど、工事の仕方によっては、例えばA系だけを先に前半で工事してしまって、まずはA系だけはちゃんとしようと。B系は後半でやろうという考え方もあると思うんですけど、その辺の工夫というのはできないんでしょうか。
○森本グループマネジャー(関西電力) 関西電力の森本でございます。
感知器は、そういうふうに部屋ごとに分かれていますが、火災受信機盤のほうは1面でございますので、それを先に設置して、少しずつエンドース入れてオーケーにしていくという考え方もありますけれども、それは感知器一個一個で見ると、そういうこともできますけれども、中央制御室までの伝送路が必要でございます。電路につきましては、AもBも共用して電路を振ったり、トレン分離はしていませんので、一つの電路で共通して送る場合もございますので、ちょっと、よく設計してみないと、何ともここでは回答は難しいんですけれども、もしかすると電路の共有で、電路の配置なんかを考えますと、ぴたっと、この定検で何個何個というふうにお約束しながらできるというのは、なかなか難しいところもあるかもしれません。議事録22

これでは共有・共通の電路が障害されれば、A系とB系が共に信号が送れなくなってしまう。
核発電・原子力発電所の安全を確保するための機器、設備には、「多重性」、「独立性」、「多様性」によりその信頼性を確保することが重要と原子力委員会は説いている。
参照http://www.aec.go.jp/jicst/NC/sonota/study/aecall/index.htmlの第6章 原子力発電の安全を確保する(担当:早田)
安全上の重要度が高い設備(安全系)は、複数設置(多重性)して1系統の故障でその安全機能が喪失・全滅しないようにしたり、できるだけ異なる方式の設備を用意する(多様性)。今回の火災検知系で、設置されている煙感知器に加え熱感知器や炎感知器などを新たに設置するのは、多様性確保・拡充だし、A系とB系の2つあるのは多重性だ。
 多重に設けた設備が一つの原因で同時に機能喪失しないように複数系統に独立させておく事が独立性だが、中央制御室までの伝送路の「電路につきましては、AもBも共用して電路を振ったり、トレン分離はしていませんので、一つの電路で共通して送る場合もございます」では独立性はない。共有・共通の電路が障害されれば、A系とB系が共に火災を感知した信号が中央制御室に送れなくなってしまう。
 だから、先ずA系とB系の信号伝送路の電路を分離して、独立性を確立する。その電路分離作業には、現に稼働している原発を停止してまでの緊急性はないが、期間を延長しても一定検で終わらせる必要性がある。その分離作業は熱感知器などの追加設置作業と同時並行できる。先ずA系に取り掛かって、電路分離作業期間中に終えれるかも知れない。だから、火災検知システムの更新・追設に必要な工事期間は不明だ。
 さて、規制委と規制庁はこうした核発電・原子力事業者から事情・意見聴取をおえて、どのような結論になったろうか。
2018年12月12日の平成30年度第47回の規制委会合を検討してみる。

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電力会社らに「それはさすがにないんじゃないんですか、ちょっと違和感があるというのが我々の今持っている感じ」とな㈥ [防災‐指針・審議会]

2018年11月27日に第2回の規制庁と原子力・核発電事業者との公開の面談が行われている。 https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/other_meetings/120000008.html
その内容を議事録や会議映像(YouTube)でチェックしてみる。


ず、核発電事業者の資料の2頁では、先回の会議で原子力規制委員会( Nuclear Regulation Authority、略称: NRA)は「設計方針については、現行基準に適合しており、安全上の問題はない」「安全性向上のためのベター論で基準変更する」との見解を示したと書いているが、「現行の基準には適合しているけども、(要求水準を引き上げる)変更後の基準には適合しなくなりますので改善をしてくださいというのが正確な、我々NRCAが言ったこと(山田原子力規制部長)」とクギが刺されている。


それではバックフィットの期間を事業者は【この基準の引き上げ変更は「安全上緊急の問題ではない」と認識】は誤り・誤認識だし、【今回の新たな要求は安全性生向上を目的としたものであり、現在工事中や許認可審査中のプラントの再稼動や特重施設の供用開始までにハックフィツトヘの適合が求められるものではない。】と云うのも誤解に基づき適正な考えではない。誤っている。


核発電事業者は必要な対策期間を「バックフィット対応に必要な期間が最長と考えられるプラントを対象として算定」している。選ばれたのは、関西電力の高浜3号機。感知器の追加設置数は概略約1200個、A系統で約600個とB系統で約600個で合わせて約1200個と見積もられている。これまでの工事実績では約300個の感知器設置に30日、感知器から中央制御室の火災受信器盤までの電路(ケーブルトレイなど)の敷設20日で合わせて50日要している。だから、1系統には100日、両系統で200日の工事期間が見積もられる。感知器設置には、原子炉補機冷却系統等の安全停止に必要な機器の近傍、上部に設置したりする。足場を組んだりもするから、プラント停止中であること。、作業労働者の被ばく管理・低減の観点から、原子炉内の使用済み核燃料を交換で1部分を取出してから新燃料装荷までの定期検査中の期間・約50日に設置工事を実施したい。だから、4定期点検期間が、追設工事には必要。13ヵ月の運転期間と定期点検期間2.5ヶ月で設定すると核発電事業者は追設工事の工事認可を得てから「5年以降の施設定期検査終了まで」が最低限の必要期間とした


規制庁は「少し長いんじゃないかという感触は持っているんです」「工認認可後というような書き方の猶予期間にすると、工事計画認可申請しなかったらいつまでも期限来ないじゃないのという話になるので、そういう定め方はできません(規制庁・山田原子力規制部長)」とまず手続き論から反対した。更に、「新規制基準に適合している柏崎とか、それから東海ですね、それらの(BWR)プラントについては、・・安全を考えるという意味では、もうできるものは先に進めていただいたほうがいい」「端的に言ってしまって、運転中の(PWR)プラントは5年後で、これから運転始めましょうという(BWR)プラントが、実は工事は2、3年でできますということになるとそもそも運転しているほうを早くやらなきゃいけないものなのに、運転していないやつのほうが先にできちゃいますとか、まだ運転を開始していない(BWR)プラントが同じように5年って、それはさすがにないんじゃないんですか、ちょっと違和感があるというのが我々の今持っている感じです。」

そして早くする方法を問い質しています。その中に気になる下りがありました。

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電力会社ら「現状設計でも技術基準は満しているため、バックフィットは安全上緊急の問題ではない」とな?㈤ [防災‐指針・審議会]

1月20日には午前1時間と午後2時間半の2回、規制庁と原子力・核発電事業者との非公開面談が行われている。午前は、事業者から《安全な長期運転に向けた今後の取組の方向性(案)(配布資料(1)》と《原子力発電所における火災感知器の設置に関する火災基準の明確化に対する基準適合の考え方とバックフィットに要する期間について(配布資料(2)》が提出され、規制庁は説明を受けている。
午後の長い面談では《・・基準適合の考え方とバックフィットに要する期間について(配布資料(2)》だけ用いて行われている。

そして、11月27日に第2回の公開の面談が行われた。その際にも、《・・基準適合の考え方とバックフィットに要する期間について》と同じ題名の資料を使っているが、中が変わっている。


 11/20資料には5頁に「大きな空間における火災区画の設定の考え方」があるが、11/27資料にはソックリ無くなっている。
 また11/20資料10頁「ケ-ス3:常駐要員による監視 常に人がいる区域・区画における人の監視による熱感知器の代替」もソックリ無くなっている。6頁「異なる種類の感知器と同等の機能を有すると評価できるケースについて」、4頁「火災感知器の追加設置(基準適合)の考え方」では【常駐要員による監視】が採り上げられているが、11/27資料からは削除されている。【中央制御室、出入り管理室の常駐要員】による監視が、原子炉付近で熱感知器や炎感知器と同等の機能があると核発電事業者は考えているらしい。それが認められたら、業務規程の中にその旨の一文を付け加えればOKであり、一番安上がりだ。実効性があるだろうか。
 重層防護の考えでは、そうした運用・ソフト面の強化・改善で「ハードの部分の感知器を免除するという考え方は採らない。」と10/30の第1回公開面談。その規制庁から出されたクレームは届いてなかった模様。それが11/27の公開面談時の資料で改められた。


 逆に11/27資料では「バックフィツトに必要な対策期間(1/3)」9頁で「【基本的な考え】○今回の新たなバックフィットは、信頼性を向上させることを目的としたものであり、現状設計でも技術基準は満足しているため安全上緊急の問題ではない」としている。それで「現在工事中や許認可審査中プラントは再稼動までに、特重施設※は供用開始までにバックフィットへの適合が求められるものではない。」としている。そして「再稼働プラントにおいては、バックフィットに必要な対策期間の火災発生防止をより確実なものとするため、自主的な活動として以下の可燃物管理を実施することとする。〈バックフィツト対策期間中の自主的活動(可燃物管理)12頁〉」と可燃物管理が加わっている。
 この可燃物管理の中味は「(1)持ち込み量が必要最小量となるよう計画する。」「(2)持ち込む可燃物は、可燃物の物性、数量、保管期間および保管先の状況などを確認し、適切に保管管理する。例:危険物は施錠できる金属製容器に保管)」「(3)不要となった持込可燃物は、速やかに持出す。」である。ことさら1頁を使い、特別に行うと、胸を張れる内容だろうか。
 こういった管理を事業者の望むバックフィツト対策期間、追加設置の工事「認可後、5年以降の施設定期検査の終了まで」しか、5年間以外は管理しないのだろうか。〔バックフィツトに必要な対策期間(3/3)11頁〕そして「工事中・審査中プラントは再稼動までに。特重施設※は供用開始までにバックフィットへの適合が求められるものではない。」を望んでいるからには、再稼働まで供用まで追加設置の工事は行わない、先の3項目の可燃物管理を行う必要もないというのだろうか。バックフィットの追設工事が終わり、無い期間は可燃物管理は不要というのだろうか。


※特重施設は、テロ攻撃を想定し、大規模な損壊で広範囲に設備が使えない事態でも原子炉などを冷却できるよう、可搬型設備のさらなるバックアップとして整備するもの。原子炉格納容器への注水機能や電源設備、通信連絡設備の他、これらの設備を制御する緊急時制御室を備え、既存の中央制御室を代替する。
特重施設の設置はプラント本体の工事計画認可から5年間の猶予期間が設定されいる。ており、するには正式な工事計画の認可を経て2020年3月までに整備を完了させる必要がある。
九州電力川内原子力発電所1号機は2015年3月18日がプラント本体の工事計画認可日で2020年3月までに整備完了が運転継続には必要。2018年5月7日に詳細設計に当たる工事計画の認可を得ている。この他は川内2号機、関西電力高浜1~4号機、四国電力伊方3号機で工事計画認可5月現在審査中。

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電力会社らの「感知器追設は不要」論に規制庁は深層防護で諭す㈣ [防災‐指針・審議会]

10月30日の「第1回原子力発電所における火災感知器の設置要件に係る会合」の公開会合で、原子力事業者・電気事業連合会ら=北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、日本原子力発電、電源開発、日本原燃=は、「可燃物管理を実施しており、従来より設置されている火災感知器に加えて、異なる種類の感知器のさらなる追設までは不要」論を主張した。前回の㈢

これに対し原子力規制庁は次のように反論、諭した。


その規制庁の意見は要約すると
 「火災防護基準ですね、新規制基準がつくられたときに、深層防護ということで、火災の発生防止、それと検知・消火、あと影響軽減ですね、その三つを独立して求めていくというのが基準の根底の考え方になっております。」
「新規制基準の考え方の中では、まずは(火災から守る)対象機器を明確にした上で、火災区域、区画というのも明確にしていきますと。それに対して対策は講じていきますと。要は、対象機器を明確にした上で、火災ハザードが存在するエリア、それが火災区域、区画だということなんですね。それに対してエリアとして対策を求めていく、火災の発生防止、それと検知・消火、あと影響軽減ですね、その三つを独立して求めていく基準基本的な考え方になっております。」
可燃物管理というのは、火災の発生源をなくしますということですので、これは発生防止対策なんですね。これは何度も基準の説明のときに申し上げているとおり、発生防止と感知、消火、それから影響軽減はそれぞれ独立です」
ソフト面の可燃物管理を行うからといって、感知器、ハードの部分の感知器を免除するという考え方は採らない。

この考えは「前段否定」というが、各レベルの十分な対策を前提にして、あえてその効果が十分でなかった場合に備えて安全対策を多層にする。

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煙の多く出る無炎火災と煙がほとんどでない有炎火災、二つありますが、それぞれを早期に検知できるようにする、火災を早期に発見する」
「煙感知器があるからその両方の火災が早期に検知できるということでなくて、やはり火災の状況によって、熱感知器が先に作動する場合、検知もあるだろうと。そういう意味では、異なる感知器、2種類の感知器とも消防法の規定に基づいて設置をして、区域に設置をしていくことが必要じゃないかというふうには思っている


火災防護基準には「異なる二つの感知器を早期の火災検知のために設けてくださいということが書かれている」「基準で二つの種類を要求をしているというのは、どちらでも早く検知できるものがあるのであれば、二つつけておいていただいて、なるべく早く感知しましょうということ」

「現行の基準については、ただ二つの感知器を設けてくださいとしか書いていなくて、ということは、煙感知器も、もう一つのほうの熱感知器についても、どういう設置の方法をしなさいというのが実は書いていないんですね。」
事業者は、「消防法令へ適合しなきゃいけないので、煙感知器については消防法令に沿って設置をされた上で」熱感知器や炎感知器(炎の赤外線や紫外線を捉える)など「プラスアルファについては、何も書いてないから、こういうやり方をして」いて火災防護基準に適合していると説明。
 規制委、規制庁は、プラスアルファの二つ目についても「消防法令の設置の方法に合わせてやる必要があるんじゃないかということで今回議論」している。「今回の整理としましては、今まで審査基準に明確でなかった(プラスアルファの二つ目の)設置基準を新たに要求事項として求めていくということです。新たに基準を追加し改定するので、バックフィットを今回行うというような考え」


バックフィットとは、法的規制を既に設置許可された原発に対して遡って・さかのぼって適用する法の遡及適用のこと。この運用は平成27年11月13 日原子力規制委員会決定の「新たな規制基準のいわゆるバックフィットの運用に関する基本的考え方」に示されている。 http://www.nsr.go.jp/data/000129586.pdf
基本は「新たな規制基準を既存の施設等に適用する場合には、規制基準の決定後一定の期間を確保した施行日を定めるか、又は、当該規制基準の施行後の経過措置として当該規制基準に対応するために必要な期間を設定する」であり、即時適用は「安全上緊急の必要性がある場合」には「あり得る」。


それで規制庁は、「経過措置といいますか、例えば、熱感知器の取替か、もしくは追設になると思うんですけれども、そういうときの工事期間としては、どれぐらいの必要か?」と事業者に問うている。事業者・電気事業連合会ら=北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、日本原子力発電、電源開発、日本原燃=は「そこはちょっと中で検討させてもらって、いつに答えられるかということも含めて、一度またこういう場で御説明させていただきたい」と答えている。それで次回以降に経過措置の期間を議題とする事になった。

タグ:2018年改定
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電力会社らは「感知器のさらなる追設までは不要」㈢ [防災‐指針・審議会]

10月5日13時30分から15時50分の規制庁と事業者との面談は非公開だが、検討資料と要旨は公開されている。それで推し量るに内容は、規制庁から第29回原子力規制委員会資料4「原子力施設における火災感知器の設置要件について」の説明。事業者の電気事業連合会から「原子力発電所の技術基準規則第11 条及び52 条に基づく火災感知器の設置状況」の説明と思われる。 https://www2.nsr.go.jp/disclosure/meeting/NRP/00000154.html
10月30日の公開の「第1回原子力発電所における火災感知器の設置要件に係る会合」は、会合の映像記録、議事録、資料が公開されている。 http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/other_meetings/kasai20181030_01.html


事業者・電気事業連合会ら=北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、日本原子力発電、電源開発、日本原燃=の意見を、資料1や議事録を見てみる。

「事業者といたしましては、一つ目といたしまして、煙感知器は火災区域・区画全域に従来から設置されております。二つ目といたしましては、火災防護対象機器及び火災源が設置される箇所を監視対象として、炉規法と異なる種類の感知器を追加で設置してございます。三つ目といたしましては、」
「発電所内の可燃物で想定される火災の大半は煙が発生する火災でございまして、火災の早期感知においては、煙感知器が優位となるケースがほとんどでございます。また、煙がほとんど出ない有炎火災を発生させる」、物品は定期検査時に「点検作業時に使用する洗浄剤とか有機溶剤の工業用のアルコールというものが該当するが」「原則、作業中のみの持ち込みで」「厳格な可燃物管理を行って」「保管が必要な場合におきましては、金属容器とかに収納することで、火災の発生を防止」

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「規制基準が求めています安全機能を有する機器等に対する火災の影響を限定して、従来より設置されている火災感知器に加えて、火災防護対象機器等の機能に影響を与える火災を感知できる場所に炉規法に基づく異なる感知器を設置すると。それから、異なる感知器の監視不要範囲につきましては、可燃物管理を実施しておりますと。そのことから、異なる種類の感知器のさらなる追設までは不要」


タグ:2018年改定
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