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電力会社ら「現状設計でも技術基準は満しているため、バックフィットは安全上緊急の問題ではない」とな?㈤ [防災‐指針・審議会]

1月20日には午前1時間と午後2時間半の2回、規制庁と原子力・核発電事業者との非公開面談が行われている。午前は、事業者から《安全な長期運転に向けた今後の取組の方向性(案)(配布資料(1)》と《原子力発電所における火災感知器の設置に関する火災基準の明確化に対する基準適合の考え方とバックフィットに要する期間について(配布資料(2)》が提出され、規制庁は説明を受けている。
午後の長い面談では《・・基準適合の考え方とバックフィットに要する期間について(配布資料(2)》だけ用いて行われている。

そして、11月27日に第2回の公開の面談が行われた。その際にも、《・・基準適合の考え方とバックフィットに要する期間について》と同じ題名の資料を使っているが、中が変わっている。


 11/20資料には5頁に「大きな空間における火災区画の設定の考え方」があるが、11/27資料にはソックリ無くなっている。
 また11/20資料10頁「ケ-ス3:常駐要員による監視 常に人がいる区域・区画における人の監視による熱感知器の代替」もソックリ無くなっている。6頁「異なる種類の感知器と同等の機能を有すると評価できるケースについて」、4頁「火災感知器の追加設置(基準適合)の考え方」では【常駐要員による監視】が採り上げられているが、11/27資料からは削除されている。【中央制御室、出入り管理室の常駐要員】による監視が、原子炉付近で熱感知器や炎感知器と同等の機能があると核発電事業者は考えているらしい。それが認められたら、業務規程の中にその旨の一文を付け加えればOKであり、一番安上がりだ。実効性があるだろうか。
 重層防護の考えでは、そうした運用・ソフト面の強化・改善で「ハードの部分の感知器を免除するという考え方は採らない。」と10/30の第1回公開面談。その規制庁から出されたクレームは届いてなかった模様。それが11/27の公開面談時の資料で改められた。


 逆に11/27資料では「バックフィツトに必要な対策期間(1/3)」9頁で「【基本的な考え】○今回の新たなバックフィットは、信頼性を向上させることを目的としたものであり、現状設計でも技術基準は満足しているため安全上緊急の問題ではない」としている。それで「現在工事中や許認可審査中プラントは再稼動までに、特重施設※は供用開始までにバックフィットへの適合が求められるものではない。」としている。そして「再稼働プラントにおいては、バックフィットに必要な対策期間の火災発生防止をより確実なものとするため、自主的な活動として以下の可燃物管理を実施することとする。〈バックフィツト対策期間中の自主的活動(可燃物管理)12頁〉」と可燃物管理が加わっている。
 この可燃物管理の中味は「(1)持ち込み量が必要最小量となるよう計画する。」「(2)持ち込む可燃物は、可燃物の物性、数量、保管期間および保管先の状況などを確認し、適切に保管管理する。例:危険物は施錠できる金属製容器に保管)」「(3)不要となった持込可燃物は、速やかに持出す。」である。ことさら1頁を使い、特別に行うと、胸を張れる内容だろうか。
 こういった管理を事業者の望むバックフィツト対策期間、追加設置の工事「認可後、5年以降の施設定期検査の終了まで」しか、5年間以外は管理しないのだろうか。〔バックフィツトに必要な対策期間(3/3)11頁〕そして「工事中・審査中プラントは再稼動までに。特重施設※は供用開始までにバックフィットへの適合が求められるものではない。」を望んでいるからには、再稼働まで供用まで追加設置の工事は行わない、先の3項目の可燃物管理を行う必要もないというのだろうか。バックフィットの追設工事が終わり、無い期間は可燃物管理は不要というのだろうか。


※特重施設は、テロ攻撃を想定し、大規模な損壊で広範囲に設備が使えない事態でも原子炉などを冷却できるよう、可搬型設備のさらなるバックアップとして整備するもの。原子炉格納容器への注水機能や電源設備、通信連絡設備の他、これらの設備を制御する緊急時制御室を備え、既存の中央制御室を代替する。
特重施設の設置はプラント本体の工事計画認可から5年間の猶予期間が設定されいる。ており、するには正式な工事計画の認可を経て2020年3月までに整備を完了させる必要がある。
九州電力川内原子力発電所1号機は2015年3月18日がプラント本体の工事計画認可日で2020年3月までに整備完了が運転継続には必要。2018年5月7日に詳細設計に当たる工事計画の認可を得ている。この他は川内2号機、関西電力高浜1~4号機、四国電力伊方3号機で工事計画認可5月現在審査中。

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