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原子炉のコンクリート躯体の中性子照射脆化 ③ [廃炉]

原子炉は、鉄筋コンクリートの土台で(垂直方向)縦方向に支えられる。コンクリートは、100℃以上の熱に晒されると、含む水分が沸騰し水・蒸気で内部から膨らんくる。

そして、稼働中=核分裂発電中には中性子とベータ線、ガンマ線で、停止中は使用中のウラン燃料からのガンマ線に照射される。

日本原子炉工学構造力学協会(JASMiRT)が、2018年にまとめた 放射線照射がコンクリート特性に及ぼす影響
 では、


原子力発電所では、鉄筋コンクリート壁は放射線環境下にあり、遮蔽機能 、 支持機能が要求される
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 中性子照射で、コンクリートの長さ変化が明確に膨張がみられた。照射量の増大に伴い、圧縮強度・剛性は大幅に低下した。コンクリート強度低下は、中性子による砂または砂利など(骨材・こつざい)の膨張とペースト・セメントに水を入れて練った物の放射線発熱による収縮に起因する。
 これまで行われた研究を含めたデータの分析し、どのような骨材を用いても放射線影響が発生しない、累積中性子照射量の目安値として1×10の19乗 n/㎠(平方センチメートル)を提案する。【1平方センチメートルに10の19乗個の中性子・記号n】
実際の原子炉を検討する。
各プラントの照射量は高経年化対策に関する報告者(公開資料)に基づく。
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この表には、福島第一原発の1号機・1F-1はないが、6号機・1F-6をみると、概ね累積高速中性子照射量は提案目安値と従来の目安値以下で、ガンマ線照射量も従来の目安値以下であろう。
2023年3月の東電公表資料は、3月29日にロボットが1号機・1F-1の開口部から圧力容器の真下に入り、土台内部の損傷状況などを詳しく調査撮影した画像。核燃料が熔融し熔け落ちている。その段階では、核分裂は終え・中断しているから、高速中性子は出ない。
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2011年3月の核燃料溶融の際に出たエネルギーは、ペデスタル開口部付近を90度ほど(約4分の1ほど)全て,鉄筋コンクリートの鉄筋とコンクリートの全て溶融させている、と推定されていた。実際に内部調査ロボットno ROV-A2で撮影すると、コンクリだけ抜けて、鉄筋だけ残っていた。熱量は、どこにいったのか?ひょっとして、ペデスタル開口部付近の90度に集中したのではなく、ペデ内側の内周を溶かしてしまった?そうするとペデスタルの健全性は? 重さ190トンの圧力容器を支えられるのか?
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 続く

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原子炉のコンクリート躯体の中性子照射脆化 ⓶ [廃炉]

原子炉は、鉄筋コンクリートの土台で(垂直方向)縦方向に支えられる。コンクリートは、100℃以上の熱に晒されると、含む水分が沸騰し水・蒸気で内部から膨らんくる。

そして、稼働中=核分裂発電中には中性子とベータ線、ガンマ線で、停止中は使用中のウラン燃料からのガンマ線に照射される。中性子照射脆化は、コンクリートでは?その影響は、?


日本原子炉工学構造力学協会(JASMiRT)が、2018年にまとめた
放射線照射がコンクリート特性に及ぼす影響
を検討しよう。
原子力発電所では、鉄筋コンクリート壁は放射線環境下にあり、遮蔽機能 、 支持機能が要求される
2-2鹿島紺谷-05.jpg
 コンクリート(英: concrete)は、砂または砂利など(骨材・こつざい)を、セメント、石灰、石膏、アスファルト、硫黄、プラスチックなどの結合剤で固めてる。骨材は、総量の60〜80%を占める。
 放射線に対するコンクリートの健全性の評価は、最大60年間の累積照射量の予測値が目安値以下であればコンクリートは健全であるとしている。現行の目安値は、  中性子:1×10の20乗 n/㎠(平方センチメートル)、ガンマ線:2.0×10の5乗 kGy。
 これらの基礎となった1960〜1970年代に実施された照射試験は、稼働しているBWR・沸騰水型、PWR・加圧水型の軽水炉の材料条件・照射条件とは異なる条件で得られた試験データが多く含まれている。
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コンクリート中に水分は、セメント水和物、すなわち、けい酸カルシウム水和物、アルミン酸カルシウム水和物などの水和物中に化学的に結合して化学的結合水であり、コンクリートの多孔体構造の種々の大きさの穴・空隙を満たす自由水として含まれている。
 ガンマ線照射試験では、自由水は放射線分解し水素、過酸化水素、酸素などが生成するが、化学的結合水はほとんど分解してない。ガンマ線発熱によりコンクリートに熱・乾燥影響を与えるが、ガンマ線自体がコンクリートのカルシウム水和物をほとんど分解せず、強度・剛性など特性に及ぼす影響は小さい。そのため、ガンマ線の照射はコンクリートの健全性の評価で考慮する必要はない。
 中性子照射でも、化学的結合水はほとんど分解しない。そして中性子による弾き出しにより、砂または砂利など(骨材・こつざい)の結晶性が失われ膨張する。石英の含有量が多い骨材は、中性子照射量の増大に伴い4.4%膨張した。石灰石は、結晶性が低く、イオン結合性で、ほとんど膨張しなかった。
 中性子照射で、コンクリートの長さ変化が明確に膨張がみられた。照射量の増大に伴い、圧縮強度・剛性は大幅に低下した。コンクリート強度低下は、中性子による砂または砂利など(骨材・こつざい)の膨張とペースト・セメントに水を入れて練った物の放射線発熱による収縮に起因する。
 これまで行われた研究を含めたデータの分析し、どのような骨材を用いても放射線影響が発生しない、累積中性子照射量の目安値として1×10の19乗 n/㎠(平方センチメートル)を提案する。【1平方センチメートルに10の19乗個の中性子・記号n】
 次いで、実際の原子炉を検討する。 続く

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原子炉のコンクリート躯体の中性子照射脆化 ① [廃炉]

原子炉は、鉄筋コンクリートの土台で(垂直方向)縦方向に支えられる。コンクリートは、100℃以上の熱に晒されると、含む水分が沸騰し水・蒸気で内部から膨らんくる。

そして、稼働中=核分裂発電中には、中性子とベータ線、ガンマ線が照射し、停止中は使用中のウラン燃料からのガンマ線に晒される。中性子照射脆化は、コンクリートでは[?]その影響は、?



それには「1. 序論  1.1 事業目的 運転開始後 30 年を超えて運転する経年プラントの健全性評価をより高度化するため、高経年化技術評価に対して最新知見を取り入れて、コンクリート材料の経年劣化進展に伴う安全裕度の低下に係る予測手法の導入や予測精度の改善を図り、コンクリート構造物の長期健全性評価手法の高度化に資するものである。」


22011I00001-PN1-7.jpg011年には運転年数が30年以上の原発は19基。

その研究報告では、

2.2.3 100℃未満で長期の加熱を受けたコンクリートのひび割れ発生特性.
2.2.4 100℃以上で加熱を受けたコンクリートのひび割れ発生特性.
2.2.5 100℃未満で中性化したコンクリートのひび割れ発生特性....

2.4 複合劣化を受けた鉄筋コンクリートの鉄筋腐食に関する検討..
3 放射線照射によるコンクリート強度劣化評価..
3.1 コンクリートおよび構成要素のガンマ線影響評価
3.2 コンクリートおよび構成要素の中性子影響評価
が挙がっている。
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次いで
日本原子炉工学構造力学協会(JASMiRT)が、2018年にまとめた

放射線照射がコンクリート特性に及ぼす影響
を検討しよう。
続く

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福島第一原発、凍土壁に代わる構造壁?? [廃炉]

1F・福島第一原発の原子炉建屋地下、凍土壁に代わる構造壁の設置を原子力規制委員会から2021(令和3)年04月19日第90回検討会に求められ、前回(2022/3/14)検討委には、東電は4月まで回答としていたはずが、4月18日の今回第99回検討会は「未回答」。 https://nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/tokutei_kanshi/140000135.html
「凍土壁」は、汚染水を減らす対策の1つで、福島第一原発の建屋の周囲にパイプを埋め込み、氷点下30度の液体を流し込むことで、“氷の壁”を張り巡らせ、地下水が建屋に流れ込むのを抑える仕組み。
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東京電力は「凍土壁」に温度計を設置し地中の温度を測定、4号機の山側に位置する一部のエリアで2021(令和3)年9月中旬以降、0度を上回る状態になり、11月18日には13.4度にまで上昇。壁の近くを掘ったところ、“氷の壁”がなく湧き上がってきた地下水の水面が見つかった。
 建屋に流れ込む地下水量が抑制されてないと見られ、凍土壁に代わる構造壁の設置が急がれる。
2021年11月26日のNHK報道では【凍土壁への流入を止めるための鋼鉄製の管や板を設置したうえで、今後の対策を検討】とあった。 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211126/k10013362791000.html
ところが、約4か月経っても、「未回答」
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福島第一原発 初の炉心内部調査に着手へ 2号機で2024年度に--NHK-2022年4月1日 [廃炉]

4月1日 07時20分 NHK報道  ※エープリルフール(4月のマヌケ)ではありません。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220401/k10013562151000.html
1号機ではことし2022年2月「燃料デブリ」の可能性がある堆積物が確認されましたが、3月16日の地震の影響で調査が中断され、その後もロボットカメラの不具合が発生するなど、調査再開の見通しは立っていません。
ふくしまUlC.jpg2号機ではことし2022年中に、原子炉・圧力容器を囲み、込み入れてる格納容器の底部から、ロボットアームで数グラム程度採取する計画。
2年後の2024年度に2号機で圧力容器内部の調査に、カメラやロボットなどで着手し、状況を確認。
これで、数百トンある「燃料デブリ」の取り出しを東京電力は、加速させたい考えです。
13年経ってもやっとメルトダウンした炉心の中を調べることができる、かも?

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