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火災警報・検知機が半分不足のままでも、稼働し続けても良いとな!㈡ [防災‐指針・審議会]

規制庁の火災対策室 大嶋室長らと電気事業連合会 原子力部 副部長 らとの面会は、手初めの2018年9月26日に非公開(資料は公開)。それに続いて、10月5日13時30分から15時50分に非公開、10月30日の「第1回原子力発電所における火災感知器の設置要件に係る公開会合」。11月20日11時~12時の午前と、13時36分~16時2分と約4時間の午後の非公開面会、そして11月27日の第2回公開会合と12月12日の規制委員会第47回会合。最後が12月19日10時1分~12時2分の面会となり、翌年2019平成31年2月19日の規制委員会第59回会合で火災防護基準の更新話は終わっている。

公開会合では議事録が公開されている。話されたことを知ることが出来る。10月30日と11月27日の2回行われたは公開会合の規制庁側のまとめが出ている。

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火災警報・検知機が半分不足のままでも、稼働し続けても良いとな! [防災‐指針・審議会]

原子力規制委員会は、火災検知・警報機の設置数が新基準では一原発に2500ヵ所位になるのに、現在再稼働している原発、九電・川内原発などは、5年間は不足したまま半分以下の設置で稼働し続けても良いとしました。

 その5年間にある燃料交換・点検の機会、13か月ごとに数回ある休止期間に順次設置すれば良いとしました。再稼働していない原発は再稼働までに増設することになっています。県内にある東電・柏崎刈羽原発6,7号機は国・規制委の手続き上では再稼働可能ですが、新潟県や柏崎市の同意がないので再稼働してません。

 原子力規制委員会と規制庁は、国内外の原発や再処理施設や廃棄物埋設・管理施設などの原子力施設の事故・トラブルに係る情報、最新の科学的・技術的知見を、収集・分析・整理し規制に反映させるための組織「技術情報検討会」作っている。2か月に1回程度の頻度で開かれている。
 参照 平成30年05月23日の原子力規制委員会に出された資料3技術情報検討会の最近の運営状況等について(報告)【PDF】http://www.nsr.go.jp/data/000231541.pdf
 原子力規制委員会 検討チーム等>特定の調査・検討会>技術情報検討会の開催一覧
http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/gijyutu_jyouhou/index.html


000245216-03a_.jpg平成30年度の原発の保安検査で、自動火災報知設備の煙感知器がカバーする範囲面と熱感知器がカバーする範囲面に大きさ・面積などでバラツキがある例が確認された。それが検討会に2月に報告され、4月の検討会で原子力規制企画課の火災対策室が検討作業を担い、火災防護基準の文言は変更せずに《解釈を明確にする》形をとって、見直すべきを5箇所と限定して1年以内に終了予定となった。


そして2018平成30年09月12日の第29回原子力規制委員会に、火災対策室の大嶋室長から経過と対応方針及び今後の予定(案)が報告され、了承されている。
火災防護基準においては、煙の多く出る「無炎火災」と煙がほとんどでない「有炎火災」の両方に対応できるよう複数の感知器(例:熱感知器と煙感感知器)又は同等の機能を有する機器を組み合わせて、早期の火災感知及び消火のために設置することを求めているが、その設置方法の詳細について規定していない。」資料4、それで、バラツキがある現状は「火災防護基準に反しているとまでは言えない」議事録28頁。
そして「以下の対応を行っていく。
① 公開の場で事業者の火災感知器等の設置についての考え方を把握するとともに、上記のように火災防護基準の見直す方針について意見交換を行う。
② 事業者との意見交換を踏まえて規制委員会としての対応案を整理するとともに、火災防護基準改正案を策定し委員会に諮る。」

この第29回原子力規制委員会の資料4内容を、9月25日に規制庁の火災対策室 大嶋室長らと、電気事業連合会 原子力部 副部長 らが面会・確認し「原子力発電所における火災防護基準」の検討がスタートした。

 続く

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玄海原発で原子力防災訓練から、施設敷地緊急事態要避難者は避難できるか? 残存リスクと被曝防護⑬-C ヨウ素剤検討会『2001.11.13、第4回』メモ [防災‐指針・審議会]

2015年1月24日に九州電力玄海原発で原子力防災訓練が行われた。
その様子を 、平成27年7月2日内閣府政策統括官(原子力防災担当)付玄海地域原子力防災協議会作業部会の報告書、http://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/pdf/02_genkai01.pdf (以下内閣府報告書)、
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会の見学記(以下見学記)
http://saga-genkai.jimdo.com/
等を基に検討する。
訓練対象
避難行動要支援者のうち自治体の避難行動要支援者名簿については、「早期に作成されるよう、必要な働きかける。(内閣報告書)」だから、在宅の要支援者は訓練対象外。5㎞PAZ圏内の医療機関及び特養など社会福祉施設(5施設 212人)は、避難計画が策定済み。それで、玄海原発から約3キロの丘の上に立つ特別養護老人ホーム玄海園で実施された。玄海園は入所者100名、職員80人。
車両など前日から
08:00 警戒事象通報
08:30 施設敷地緊急事態要避難者に避難指示がだされ、8:40に開始。
30分で車両などの手配や到着できるだろうか。しかし朝7時には、「玄関横の駐車場には、すでに自衛隊車両が到着しています。原発から約65キロ離れた陸上自衛隊久留米駐屯地の部隊でした。まだ事故が起きる予定の時間の前ですが、入所者と職員を移送する車が周到な準備で手配されていました。民間バス会社のマイクロバスも到着していました。(見学記)」これでは、文字通り訓練の見世物である。せめて訓練なら、8時の通報で駐屯地で自衛隊員呼集、乗車し出発だろう。民間バス会社のマイクロバスも同様だろう。
 この日の訓練で30キロ圏外の多久市の施設などに避難させるのは入所者18名(入所者役の他の施設の職員)と、職員20名。車両(自衛隊マイクロバス、民間マイクロバス、自衛隊救護車、ワンボックス車両、リフトつき車両の5台)と県が前夜から用意していた折り畳み10台の車イスを使用。備えていない自衛隊マイクロバス、民間マイクロバス、自衛隊救護車、折り畳み式の車いす10台はない、避難開始に間に合わないとして立案すべきだ。
 要介護3以上の人が「ドアの前で立ちあがると、あとはすいすいと中に入る」想定
「車イスの入所者役の方はバスのドアの前で立ちあがると、あとはすいすいと中に入っていきました。(見学記)」
特養は制度的には、2015年度からは「原則」要介護3以上の人、立ち上がり等が自分でできない、ほとんどできない人しか入所できない。車イスから離れる、マイクロバスに乗り込む、座席に着席するのも全介助が必要。その点、「立ちあがると、あとはすいすいと中に入っていきました。」は非現実的。訓練にもなっていない。
 また本人が振動するバス座席に座ってられる、上体の姿勢を維持できること、または介助が必要である。
寝たきりの人は、画像の「リクライニング・ティルト車いす」、ストレッチャーや「寝たきりの方は、担架にのせかえて、そのまま自衛隊救護車両へ運び込まれました」。これらでないと健康リスクが高まる。移動中の様子を見て痰の吸引など必要な介護の機器やケアする人の同乗も必要である。
 
玄海訓練image.jpg
東電核災害の経験に続く
追記(2016年1月)
玄海園の介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)サービスの利用定員は、90人。併設の短期入所生活介護(ショートステイ)サービスは10人。合わせて100人。特養には送迎サービスはなし。ショートステイには送迎ありだから、その送迎用のリフト付き車両だろう。ショートステイは要介護1から受け入れているから、介護が有れば自立できる短期入所者がいるという想定で訓練内容を正当化したのだろう。2015年8公表のデータでは、利用者の平均年齢は85.8歳、80%強が自立できない要介護3以上だから、この点でも非現実的な訓練想定である。
http://www.kaigokensaku.jp/41/index.php?action_kouhyou_pref_search_list_list=true&PrefCd=41
 

 


事故時の被曝による急性死亡(被ばく後2~3日)と避難の避難時死亡リスクのリスク比較 残存リスクと被曝防護⑬-F ヨウ素剤検討会『2001.11.13、第4回』メモ [防災‐指針・審議会]

2015年1月24日に九州電力玄海原発で原子力防災訓練が行われた。
その様子を 、平成27年7月2日内閣府政策統括官(原子力防災担当)付玄海地域原子力防災協議会作業部会の報告書、http://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/pdf/02_genkai01.pdf (以下内閣府報告書)、
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会の見学記(以下見学記)
http://saga-genkai.jimdo.com/
等を基に検討する。
東電核災害の経験、双葉病院の避難180人中46人が14日に亡くなる
 双葉病院の寝たきりの180人は、東電核災害で14日の約6時間の避難行で180人中46人が亡くなられた。このような短期間での死亡を取り上げてみる。
玄海訓練02image.jpg 事故時の被曝線量は、予測がつかない。原発原子炉から5㎞圏の PAZは、チェルノブイリ事故では急性障害を生じる線量が観測されたから設けられた。IAEA等は公認していないが、30km圏内で急性傷害の報告がある。事故時の被曝線量は、被爆後1-5日(中枢神経障害)や60日以内の急性死(骨髄障害・造血器官死)を招く線量になる可能性がある。
被曝の急性死亡
放射線被曝では急性死または急性死亡(acute death)が生じる。「放射線による典型的な急性死は3~5Gyの全身被ばくで起こる骨髄障害(造血器官死、造血機能の喪失による白血球、血小板等の減少、これに伴う細菌感染)、5~15Gyで起こる胃腸管障害(腸管粘膜細胞の障害による下痢、体液の喪失、腸内細菌の侵入)と肺障害(肺炎)、それに15Gy以上で起こる中枢神経障害である。」「ヒトの骨髄障害は被ばく後60日以内に50%が死亡する線量(半致死線量LD50/60)で表され、これは先に示した3~5Gyの全身被ばくになる。」(ATOMIC 09-02-03-03)
「50Gy以上の被ばくでは、中枢神経が障害されて、被ばく後2~3日で死亡します。死因は脳浮腫とされ、中枢神経死と呼ばれます。放射線事故等で大量の放射線を全身または身体の広い範囲に受けた場合、皮膚障害を含めてこれらの障害が複合的に発症してきますので、総合的に急性放射線症候群と呼ばれます。」(緊急被ばく医療研修、第2章の4. 急性障害と晩発障害)被爆後1-5日での急性死は、中枢神経障害で15Gy以上とICRPのPub60で示されている。なおシビアアクシデントで出る放射性ヨウ素、希ガス類、セシウムの放射能からはβ線、γ線がでるから、Gy=Svである。

双葉病院の寝たきりの180人は、東電核災害でブルーム放射能雲到来した3月12日0時から追加被曝を受けたとすると、PAZ内での被曝期間は12日13日14日の55時間ほど。その被曝で移動中と移動後、46人25%の急性死が生じる被曝量は、かなりの線量だろう。15Sv未満、5Sv以上の範囲か?仮に6Svとしよう。
双葉病院では3月12日0時から追加被曝の線量が、この被曝量6Svに達しないければ、例えば2Svならば、避難しない方が46人が急性死亡する事はなかった事に理屈では成るだろう。事故炉からの放射能雲ブルームが、去れば放射線量は下がる。14日6時からの追加被曝がブルームが去り10mSv/時に下ったとする。健康リスクが高まらない避難の準備に更に50時間かかるとしよう。その間の追加被曝線量500mSvだから、総追加被曝線量2+0.500=2.5Svと計算される。
 50時間後の16日6時に避難開始しても46人が急性死亡する事はなかっただろうということになる。その被ばく後60日以内に何人か亡くなるだろう。半数致死は全身被ばく3~5Gy(Sv)とされているから、2.5Svでは50%の90人にはならないが、それなりの方が人数が亡くなるのではないか。仮に20%36人とする。
玄海園でシュミュレーション 
これが玄海園だとしよう。シビアアクシデント時に入所者とPAZ内の在宅者の合わせて150名ほどの要配慮者と入所者の介護してきた施設職員約80名と在宅で介護してきた人恐らく70人の屋内退避先となる。入所者とPAZ内の在宅者の約150名の避難による急性死(25%38人)をさけるために、5日間屋内退避を行い、2.5Svの被曝をしたとする。
 150名ほどの要配慮者から急性死(25%38人)はさけれるが、60日以内に20%の30人が亡くなる。数年後からは生き残った120人から発癌でなくなる方が出てくる。介護してきた施設職員や家族の方の急性死は無論ないが、60日以内に20%の30人が、数年後には発癌でなくなる方が出てくる(晩発傷害)。要配慮者の60日間の死者で較べれば、38-30で8人死者が少ない。だから晩発障害の発癌による死者が8人より小人数の場合に避難せずに玄海園に籠る屋内退避が要配慮者には有利で合理的選択である。しかし、介護なしでは要配慮者は生命の危険に直面する。それで介護者まで視野に入れて屋内退避者全体で検討する。屋内避難者では38名の急性死は避けれるが、60日以内に30+30=60人が亡くなる。つまり、60日間以内の死者で60人、晩発障害での発癌での死者も、要配慮者+介護者で倍になる。
次に、避難する場合を検討してみる。避難で要援護者から死者が避難時の介護力の大小に応じて出る。国の原子力防災指針では、これを特に高めていないからこのままでは25%38人でると想定する。しかし被曝が無いと想定されるから60日以内の被曝の死者は要援護者150人からも介護者150人からも出ない。晩発障害での発癌での死者も要援護者からも介護者からも出ない。つまり、要配慮者のみを考えれば避難時の介護力の応じて出る避難時死者がでる(最大・現状で38人)。被曝がないから、介護者も含めた全体でも、この避難時死者のみである。
要避難者と介護者全体では、避難しない場合60人と晩発障害での発癌での死者数の合計の死者数。
避難せずに屋内退避する場合の被曝線量が、急性死や急性死亡(acute death)を生じさせない線量であるとすれば晩発障害での発癌での死者数だけである。
避難した場合は避難時死者、要援護者150人の25%38人。
image(3).jpgこの38人の避難時死者を減らすことに、国の原子力災害指針は全く触れていない。例えば、玄海園では原発から約65キロ離れた陸上自衛隊久留米駐屯地の自衛隊救護車を増車して、道中のケアする隊員を増員して健康リスクを高めることなく避難できる要避難者人数を増やすことは可能である。避難時の介護力を高めることである。しかし、国はそうしない。
国は「原子力災害対策事業費補助金」での放射線防護機能の設置である。放射性ヨウ素などの摂取による内部被曝を防護するもので、事故炉からのプルームからの放射線、特にγ線から防護する機能、外部被曝を減らす機能はない。だから、若干、被ばく線量を下がる。
被爆による事故から60日間以内の要援護者の死者、要援護者と介護・支援者の晩発障害での発癌での死者を避けない対策である。国は、5㎞圏PAZ内の国民は被爆死しても仕方ないと考えているとわかる。次に5~30km圏のUPZ内の要援護者と介護・支援者の扱いを検討してみる。


 

施設敷地緊急事態要避難者は放射線防護対策を行った屋内退避施設へ? 残存リスクと被曝防護⑬-E ヨウ素剤検討会『2001.11.13、第4回』メモ [防災‐指針・審議会]

2015年1月24日に九州電力玄海原発で原子力防災訓練が行われた。
その様子を 、平成27年7月2日内閣府政策統括官(原子力防災担当)付玄海地域原子力防災協議会作業部会の報告書、http://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/pdf/02_genkai01.pdf (以下内閣府報告書)、
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会の見学記(以下見学記)
http://saga-genkai.jimdo.com/
等を基に検討する。
放射線防護対策を行った屋内退避施設へ
玄海原発防災訓練では国の原子力災害対策指針に従い「PAZ圏内の在宅の避難行動要支援者は、・・あらかじめ市町が定めた避難先に予防的に避難する。但し、避難によりかえって健康リスクが高まる者は、支援者の支援により、近傍の放射線防護対策を行った屋内退避施設へ移動する。」である。
 
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放射線防護対策は、国の「原子力災害対策事業費補助金」で代替オフサイトセンター等に設置される放射線防護機能と思われる。この放射線防護機能は、環境からのフィルター装置で除去できる放射能の吸入摂取を小さくすることができる。ブルームの主体である放射性のキセノン等の希ガス類は、フィルターでは除けない。放射性ヨウ素などの摂取による内部被曝の放射線からの防護する機能である。汚染された食物、水の飲食による内部被曝から防護することは出来ない。
 事故炉からのプルーム放射能雲からの放射線、特にγ線を除いてそれから防護する機能はない。地面などに沈着した放射能の出す放射線から防護機能もない。外部被曝を減らす機能はない。
「放射線防護機能」とは看板に偽りありだ。
シビアアクシデント被曝1.jpg
玄海園全景_001s.jpg玄海原発のPAZ内の放射線防護対策施設は、玄海園である。(内閣府報告書,左の写真は全景。)
 プルーム等からの放射線の低減は、距離をとる(つまり避難する)ことと遮蔽物を置くことである。避難はないのなら、遮蔽を行うことが原理的に唯一可能な被曝防護法である。屋内退避する建物の建材や構造により効果が大きく違う。木造では遮蔽は期待できない。コンクリート建築でも、軽量コンクリートやALC発泡コンクリートパネルを使用していると遮蔽効果は、木造と変わらない。採光の窓が多い建物は遮蔽効果が小さい。
フィルター装置で放射性ヨウ素などを除去した空気を玄海園の室内に送り込むのだが、それで室内の大気圧はどうか?室外の野外の大気圧よりも高くすることが、放射能の侵入を防げる基本中の基本だがその能力はあるのだろうか?
 放射線防護機能を設置した玄海園は、防災訓練想定では入居者82人と介護などの職員約80人が避難せずに残る。前出の内閣府報告書に占めされた方針では、避難によりかえって健康リスクが高まるPAZ圏内の在宅の避難行動要支援者は、家族ら支援者の支援により、近傍の放射線防護対策を行った屋内退避施設(玄海園)へ移動する。その人たちを介護する家族らも当然玄海園に「移動する」。その在宅の避難行動要支援者の人数を72人と内閣府報告書にある。合計するとシビアアクシデント時には入所者と在宅者の合わせて150名ほどの要配慮者と入所者の介護してきた施設職員約80名と在宅で介護してきた人、恐らく家族が入る。恐らく約300人が玄海園に屋内退避することになる。玄海園の普段よりも倍の人数が籠ることになる。換気は十分だろうか?
玄海園 防災対策-001.jpg安定ヨウ素剤と「放射線防護機能」
玄海原発のPAZ(5㎞圏)、UPZ(5~30km圏)の自治体の避難行動要支援者名簿については、「早期に作成されるよう、必要な働きかける。(内閣府報告書)」である。だからPAZ圏内の在宅の避難行動要支援者の人数は不明である。だから、この72名で収容人員で足りるか不明である。
原子力災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合の介護力(介護のマンパワーや機器など)を大きくすることを国の防災基本計画及び原子力災害対策指針では求めていない。だから、在宅の避難行動要支援者の多くがケアが不十分な避難の移動により却って健康リスクが高まる事になるだろう。計画及び指針では放射線防護対策を行った屋内退避施設つまり玄海園への避難をすることになっている。その居宅から玄海園への避難移動では、かえって健康リスクが高まる事はないのだろうか。当然に高まるだろう。玄海園は医療施設ではないのだから、顕在化した健康リスク、心身の不調に対応することは出来ない。
フィルターで除去できる放射能は放射性ヨウ素だが、安定ヨウ素剤の服用でも放射性ヨウ素吸入による内部被曝を抑制できる。PAZ内には安定ヨウ素剤を事前配布してあるから、イザとならば、フィルター装置なしでも屋内退避+安定ヨウ素剤服用で同様の被曝量低減効果があると謳える。 
 このように考えを巡らすと在宅の避難行動要支援者は避難移動をせずに、玄海園にも避難移動せずに、そのままでいることを、国の計画及び指針では実質的に求めているのではないだろうか。心配で騒ぐ住民にはヨウ素剤投与で安心させる。何せ、放射性ヨウ素位しか除けないフィルターに「放射線防護機能」と羊頭狗肉の看板を付けて、民心安定を謀るようとしているのだから、それ位は裏指針にありそうだ。
 そして、避難によりかえって健康リスクが高まる要支援者、避難行動要支援者の被曝だけ見ていると、そこの焦点をあわせ検討すると重大な見落としが生じる。それはその人たちをケア、介護する人の被曝、特養の職員や在宅者の面倒を見ている家族などの被曝が視野の外に出てしまう。 続く

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