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玄海原発で原子力防災訓練から、施設敷地緊急事態要避難者は避難できるか? 残存リスクと被曝防護⑬-C ヨウ素剤検討会『2001.11.13、第4回』メモ [防災‐指針・審議会]

2015年1月24日に九州電力玄海原発で原子力防災訓練が行われた。
その様子を 、平成27年7月2日内閣府政策統括官(原子力防災担当)付玄海地域原子力防災協議会作業部会の報告書、http://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/pdf/02_genkai01.pdf (以下内閣府報告書)、
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会の見学記(以下見学記)
http://saga-genkai.jimdo.com/
等を基に検討する。
訓練対象
避難行動要支援者のうち自治体の避難行動要支援者名簿については、「早期に作成されるよう、必要な働きかける。(内閣報告書)」だから、在宅の要支援者は訓練対象外。5㎞PAZ圏内の医療機関及び特養など社会福祉施設(5施設 212人)は、避難計画が策定済み。それで、玄海原発から約3キロの丘の上に立つ特別養護老人ホーム玄海園で実施された。玄海園は入所者100名、職員80人。
車両など前日から
08:00 警戒事象通報
08:30 施設敷地緊急事態要避難者に避難指示がだされ、8:40に開始。
30分で車両などの手配や到着できるだろうか。しかし朝7時には、「玄関横の駐車場には、すでに自衛隊車両が到着しています。原発から約65キロ離れた陸上自衛隊久留米駐屯地の部隊でした。まだ事故が起きる予定の時間の前ですが、入所者と職員を移送する車が周到な準備で手配されていました。民間バス会社のマイクロバスも到着していました。(見学記)」これでは、文字通り訓練の見世物である。せめて訓練なら、8時の通報で駐屯地で自衛隊員呼集、乗車し出発だろう。民間バス会社のマイクロバスも同様だろう。
 この日の訓練で30キロ圏外の多久市の施設などに避難させるのは入所者18名(入所者役の他の施設の職員)と、職員20名。車両(自衛隊マイクロバス、民間マイクロバス、自衛隊救護車、ワンボックス車両、リフトつき車両の5台)と県が前夜から用意していた折り畳み10台の車イスを使用。備えていない自衛隊マイクロバス、民間マイクロバス、自衛隊救護車、折り畳み式の車いす10台はない、避難開始に間に合わないとして立案すべきだ。
 要介護3以上の人が「ドアの前で立ちあがると、あとはすいすいと中に入る」想定
「車イスの入所者役の方はバスのドアの前で立ちあがると、あとはすいすいと中に入っていきました。(見学記)」
特養は制度的には、2015年度からは「原則」要介護3以上の人、立ち上がり等が自分でできない、ほとんどできない人しか入所できない。車イスから離れる、マイクロバスに乗り込む、座席に着席するのも全介助が必要。その点、「立ちあがると、あとはすいすいと中に入っていきました。」は非現実的。訓練にもなっていない。
 また本人が振動するバス座席に座ってられる、上体の姿勢を維持できること、または介助が必要である。
寝たきりの人は、画像の「リクライニング・ティルト車いす」、ストレッチャーや「寝たきりの方は、担架にのせかえて、そのまま自衛隊救護車両へ運び込まれました」。これらでないと健康リスクが高まる。移動中の様子を見て痰の吸引など必要な介護の機器やケアする人の同乗も必要である。
 
玄海訓練image.jpg
東電核災害の経験に続く
追記(2016年1月)
玄海園の介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)サービスの利用定員は、90人。併設の短期入所生活介護(ショートステイ)サービスは10人。合わせて100人。特養には送迎サービスはなし。ショートステイには送迎ありだから、その送迎用のリフト付き車両だろう。ショートステイは要介護1から受け入れているから、介護が有れば自立できる短期入所者がいるという想定で訓練内容を正当化したのだろう。2015年8公表のデータでは、利用者の平均年齢は85.8歳、80%強が自立できない要介護3以上だから、この点でも非現実的な訓練想定である。
http://www.kaigokensaku.jp/41/index.php?action_kouhyou_pref_search_list_list=true&PrefCd=41
 

 


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