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文芸春秋9月号の木村俊雄氏論文について=⑫炉内冷却水の自然循環の停止で [東電核災害の検証]

新潟県の技術委員会で木村氏の主張が取り上げらた。新潟県の技術委員会では、福島事故検証課題別ディスカッションの【地震動による重要機器の影響】で、1号機非常用復水器(IC)の小破口LOCAの可能性を論じている。田中三彦委員から問題提起された。


15時36分には、津波が敷地に侵入してきた。建屋地下などに侵入・浸水し、37分ごろから配電盤、分電盤などが海水に没した。通電がなくなり「中央制御室では、計器や機器の状態表示灯が消えていき、また、照明が消え最終的に非常灯のみとなる中、ICの隔離弁の状態表示灯も消灯した。」無論、開閉の操作は弁を作動させる電力が通じず無理。


IC非常用復水器のB系は、3B・戻り復水隔離弁が閉で停止中、蒸気ベントラインB系の割れ目から噴出が持続する。A系は3A・戻り復水隔離弁が2分前15時34分に閉鎖操作して復水タンクへの流入は停止しておるが、A系の蒸気ベントラインの割れ目からの噴出が持続する。


原子炉建屋の4階には水蒸気、水素ガス、放射性ヨウ素ガスが噴き出し続ける。水蒸気は、先ずベントラインに巻1f1ic_原子炉建屋-松の廊下.jpgき付いている炭酸カルシウム系の保温材を濡らし、周囲の壁を濡らし水滴が垂れるだろう。水素ガスは軽いから天井に拡がり、階段などで天井に口が開いた処から5階の床面に、更に天井にさかのぼっていくだろう。ヨウ素 131などは大気より重いから逆に下がるだろう。ヨウ素I₂の分子量253.8、窒素N₂の分子量は28、酸素O₂の分子量は32。


午後17時19分、中央制御室の運転員が、IC非常用復水器のタンクの水位計などの確認のため、地下階の連絡路、通称松の廊下に向かった。連絡路の原子炉建屋入り口付近で放射線を通常より高い値・1分間に300個の放射線を計測した。それで、原子炉建屋の中に入らなかった。中央制御室のホワイトボードには「17°50’IC組撤収 放射線モニタ指示上昇のため。300cpm」「外側のエアロック入ったところで」と記かれている。原子炉建屋の二重扉を一つ入ったところから引き返している。放射線モニタの指示値がオーバースケールする位の放射能・放射性ガスが、津波来襲から約2時間10分後には建屋1階に溢れていた。


touden田中委員ご質問回答(東京電力)部分,0.jpg


 


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