SSブログ

文芸春秋9月号の木村俊雄氏論文について=⑨IC蒸気管ベントライン [東電核災害の検証]

新潟県の技術委員会で木村氏の主張が取り上げらた。新潟県の技術委員会では、福島事故検証課題別ディスカッションの【地震動による重要機器の影響】で、1号機非常用復水器(IC)の小破口LOCAの可能性を論議している。田中三彦委員から問題提起された。

? 1号機原子炉建屋の現地調査で発見された保温材がなくなったIC蒸気管ベントラインに関して第6回(平成27年7月13日開催)で、東電説明があった。1号機非常用復水器(IC)の知られてない配管・IC蒸気管ベントラインの説明を第5回で約束してた。その調査した結果回答である。http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1356816371725.html
第6回議事録の4から5頁、資料No.2 委員ご質問回答(東京電力)、資料No.4 追加質問(田中委員)回答にある東電の説明を要約する。


通常は、非常用復水器一次系配管に付いている4つの弁があり炉水の水蒸気は、圧力容器・原子炉から出て先ず1A・交流電源弁が開であり=格納容器壁⇒壁外に2A・直流電源弁・入口蒸気隔離弁が開=ベントライン分岐と1次系配管は復水器タンク中=タンク内では蒸気から水に戻りタンクの外=3A・直流電源弁・戻り復水隔離弁が閉、とじられているから通常は流れない。戻り配管隔離弁・3Aが開いて流れる時は[→]格納容器壁⇒壁内にある4A・交流電源弁が開⇒圧力容器・原子炉に帰着する。炉内に戻る。B系も同様。

「非常用復水器の入る手前、入口蒸気隔離弁の後にベント管を引っ張ってございまして」「不活性ガスというか、非凝縮性ガスが詰まってしまう可能性があるので、その(出る)流れを作ってやるということでこのベント管を設けている」「通常状態はこのベント弁は開いておりまして蒸気を主蒸気配管のほうに逃がしているという形になってございます。」


非常用復水器(IC)を使う操作を行うと「ベント弁というのは『閉』します。」「また原子炉圧力の高信号が入ることによっても・・ICの蒸気管が破断したという信号が入っても、電源喪失時、空気喪失時も『閉』になります。」「「開」操作は人間がしてやらないとずっと「閉」のままという状態でございます。」
定例試験では「きちっと全閉するという事を確認している」3.11の「事故の際は原子炉圧力高によって当該弁というのは『閉』になって、それ以降は『閉』のままではないかと推定している」


このベント弁「閉」は、確認されていません。それで新潟県の技術委員会の委員から「本当に閉となる弁が設置されているか、東京電力に現物の写真を撮ってもらって確認すべきではないか」(中間まとめ)
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/948/616/160824_sankou_No1%20,0.pdf


150713_No.1資料No.1 「編集、0.jpg

nice!(0)  コメント(0) 

所内単独運転、BWR [日々の雑感]

Hiroshi Makita Ph.D.
@BB45_Colorado


これも蓮池さんと話したんだけど、止めて核毒が抜けるまで待ってまぁ、3日では無理だけどあらゆる手順と手続きを省けば一週間以内で操業再開できるんですよ。
ところが、原子炉というのは手順と手続きの塊で、とくに手続きにものすごい手間がかかるのです。
結果、一度止めちゃうと二週間位要ります。
午前5:17 · 2019年8月26日·Twitter Web App

·

で、それが嫌で嫌で仕方ないので、何らかのインシデントで原子炉が自動停止する場合でも、所内単独運転に切り替えて超低出力で原子炉を止めず、操業を継続することが横行するようになったのです。
それを保安院も認めてしまった。
本来、原子力安全の原則からは、逸脱したら止めないと駄目なんです。


Hiroshi Makita Ph.D.
@BB45_Colorado

まぁ原子炉って結構パンパン止まるもので、他愛もないミスで短絡させちゃって、遮断器がバンバン鳴いて、原子炉が止まり、十億単位の損失となるインシデントは結構起こっていたとのことで、やっちゃった人はお仕置きだったそうです。

やっちゃうと中繰が蜂の巣をつついたような大騒ぎだったそうです。


Hiroshi Makita Ph.D.
@BB45_Colorado
·
BWRでも普通にやるようになったらしいよ。

nice!(0)  コメント(0) 

文芸春秋9月号の木村俊雄氏論文について=⑧1号機原子炉建屋の現地調査 [東電核災害の検証]

新潟県の技術委員会で木村氏の主張が取り上げらた。新潟県の技術委員会では、福島事故検証課題別ディスカッションの【地震動による重要機器の影響】で、1号機非常用復水器(IC)の小破口LOCAの可能性を論議している。田中三彦委員から問題提起された。

第4回の【地震動による重要機器の影響】ディスカッションで、1号機原子炉建屋の現地調査となり、2月の21日に実施された。第5回(平成27年4月28日開催)でそれが検討論議されている。
http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1356815652060.html


議事録28頁
(田中委員)
それでここが負圧になって潰れるということですか。それであとちょっと気になるのは、ここにその問題になるかならないかともかく、ICの非常用復水器系の配管が、細いのが1つあるのです。ここの断熱材と金属カバーが全部なくなって露出してしまっているのです。ある長さの。それが外側からの爆風でやられたのかどうかわからないけど、とりあえずないと。剥離してしまっていると。剥離した原因は外側からの風か何かを受けて、爆風か何かを受けて、それで抜けてしまったという事もあるかもしれない。内側の何か細い、よく配管などが損傷すると断熱材やそこらへんがすっ飛びますので、その形態かもしれない。その参考になるものとして、ここに電気系の、これは電気線が入っているのですね。いいですよね。この配管が無傷なのです。これの強度を知りたいので、これはどれくらいの寸法でどういう材料なのですか。こっちは何もやられてない。
  要するに曲がったり折れたり、そういう現象がなくて、整然としていますよね。これが風で吹っ飛ばされるのだとすると、この辺がやられないで済んでいるということは、ちょっと2つが違う強度を持っているからなのか。


(東京電力:増井)
ベント管のほうです。上のほうは炭素鋼に対しておそらく炭酸カルシウム系の保温材が巻いてあって、外に金属製のカバーがしてる状態ですので、何かの爆風ないしやそれ以外に外圧が掛かった時に、一般的に申し上げて保温材のほうがやはり取れやすいのではないかということで、私どもとしてはこの現状の状態に対してあまり違和感がないというか、そんなに不思議ではないかなと思います。
(田中委員)
あれはちなみにどのくらいの大きさなのかちょっと、肉厚とか、教えてくれませんか。
(東京電力:増井)
ちょっと調べられるかどうかも含めまして、持ち帰って検討します。


持ち帰って、調査した結果が第6回で報告された。


150428_touden IC蒸気管ベントライン、=縮.jpg

 

nice!(0)  コメント(0) 

文芸春秋9月号の木村俊雄氏論文について=⑤東電の反論弐、ディスカッション2回目での [東電核災害の検証]

新潟県の技術委員会で木村氏の主張が取り上げらた。新潟県の技術委員会では、福島事故検証課題別ディスカッションの【地震動による重要機器の影響】で、1号機非常用復水器(IC)の小破口LOCAの可能性を論議している。田中三彦委員から問題提起された。

第1回(2013平成25年11月7日開催)の問題提起は先回④で論議を見た。第2回(平成26年1月14日開催)での、東電が展開した木村主張への反論をみた
出された資料No.3 福島事故検証課題別ディスカッションの課題と議論の整理の1~6頁、特に4頁に木村俊雄氏による論文を”8.過渡現象記録データの分析結果はどうなっているのか。”と題して東電の見解・反論が出ていた。それでは①から⑤のA&Q形式である。その①と②の反論は、先回の④東電の反論壱で扱った。今回は残りを扱う。

【8.過渡現象記録データの分析結果はどうなっているのか。
③木村氏は論文の中で「再循環ポンプの異常振動挙動」も指摘している。木村氏の指摘にもとづき、元国会事故調有志メンバーからなる福島事故勉強会が作成した図に見られるように、1号機の2基の再循環ポンプは、いずれも本震中に異常な上下振動を繰り返し(測定最大値を振り切っている)、本震が収まってからもなお、異常に大きい振動を繰り返している。この異常振動についての東京電力の見解はどうなっているのか。
▼東電の反論
当該振動は本震及び余震の影響であると考えております(提示頂いたグラフには余震発生状況が全て反映されている訳ではありません)。A系ポンプとB系ポンプの挙動が同期していることも地震による振動であることを裏付けているものと考えます。(なお,グラフのレンジは約200マイクロメートル(0.2mm)となります)
(第二回)資料NO.2 24,28,29頁参照
④1号機
PLRポンプの振動のセンサーは何か(加速度計か)。なぜ AとBの揺れ具合はこんなに一致度が高いのか。 RPV自体の地震による揺れの評価は行っているのか(スタビライザ、ペデスタルの地震による振動)。
▼東電の反論
動電型速度計となります。揺れの度合いについてはそれぞれのセンサにおいて採取されており,本震および余震の影響により振動したものと考えます。(次頁以降にその他の号機のデータも考察させて頂いております)RPV自体の耐震性評価は基礎ボルトの評価を行っております。(評価結果:計算値93MPa評価基準値222MPa)
(第二回)資料NO.2 25頁参照
⑤1~ 3号機のドレンサンプ流量計のデータを開示すべきではないか。
▼東電の反論
(回答)1~3号機のD/W床ドレンサンプ流量のチャートは平成25年12月26日より,原子力情報コーナーで公開しております。
  参考まで、1号機のチャートを提示します。
(第二回)資料NO.2 25頁参照


そして、第3回(平成26年4月28日開催)で、東京電力が 「田中委員へご教示頂きたい内容(小破口LOCA)」と質問状を出しています。その回答と共に次回扱う。
http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1356815648903.html


toudensitumon東京電力質問 田中委員へご教示頂きたい内容(小破口LOCA),4=縮.jpg

nice!(0)  コメント(0) 

文芸春秋9月号の木村俊雄氏論文について=⑦東電質問、田中委員の回答 弐 [東電核災害の検証]

新潟県の技術委員会で木村氏の主張が取り上げらた。新潟県の技術委員会では、福島事故検証課題別ディスカッションの【地震動による重要機器の影響】で、1号機非常用復水器(IC)の小破口LOCAの可能性を論議している。田中三彦委員から問題提起された。


第3回(平成26年4月28日開催)で、東京電力が 「田中委員へご教示頂きたい内容(小破口LOCA)」と質問状を出しています。その回答が第4回にありました。http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1356815649779.html


②田中委員が定義している小破口LOCAは、どのくらいの破断面積を想定しているのか?また、田中委員が想定している小破口LOCAが原子炉の圧力バウンダリの維持や原子炉冷却機能などの安全機能に影響を及ぼしたと考えているのか?
【田中回答】
破断(破口)面積について破断面積はそれほど大きくはなかったと思うが、私自身は、破断面積の大きさを具体的に何か推定しているわけではない。なぜなら、仮に、本震や一連の余震による揺れで、某かの配管に破口(Break)が生じた場合、その配管にいつミクロレベルの亀裂が生じ、それがどのように成長・拡大し、最終的に管壁を貫通する破口にいたったかを理論的に推測することはほとんど不可能であるからだ。また破口の大きさは不変ではなく、その後時間とともにじょじょに、あるいは大きく、変化したかもしれない。仮に地震動による初期の破口それ自体は小さかったとしても、その後、高温・高圧の水また蒸気が亀裂部から勢いよく噴出しつづけることで、あるいはそれに伴って配管が激しく振動することで、破口の大きさは変化した可能性もある。
・圧力バウンダリ維持、冷却機能への影響について
少なくとも過渡現象データが残されている3月11日午後3時36分までについて言えば、圧力バウンダリ維持と原子炉冷却機能への破口の影響は、あったとしてもかなり限定的だったと思われる。しかしSBO以降については、破口の大きさが変化した可能性があるし、原子炉の水位、圧力とも信頼できるデータが存在しない。とくに圧力に関しては、SBO以降水素爆発までの約24時間で採取されたデータはわずか2点である。しかもそのデータの信頼性も不明である。したがって、その間の圧力バウンダリ維持やICによる原子炉冷却機能への破口の影響については、誰も断定的には何も言えないし、言うべきでもない。


③1号機の逃がし安全弁の不動作の可能性を指摘しているが、それならば原子炉の崩壊熱に伴う原子炉圧力はどこから放出されたと考えているか?小破口LOCAが起きた結果、逃がし安全弁(SR弁)が動作しなかったと考えているか?【田中回答】
東京電力からほかに納得できる説明がないので、これまでのところそのように考えている。 以下割愛


④「大量の水素がIC配管を通って“ダイレクトに”4階に移行し、配管破損部から4階内部に漏れだして・・・」と主張している。指摘通りであれば、原子炉圧力容器から直接、原子炉建屋内に放出したことになり、破損面積にかかわらず破損配管付近は極めて高線量になる(参考:2号機トップヘッドフランジ上部周辺は約400mSv/h~880mSv/h)と考えられる。1号機4階の非常用復水器まわりの線量分布(約5mSv/h~50mSv/h)からは上記のような極めて高い箇所は見受けられないが、何故だと考えるか?
【田中回答】
私は、原子炉圧力容器内で発生した“すべての”水素が、IC配管を経由して4階に漏出したなどと主張したことはないし、(中略)IC設備を有していない、また事故の推移も大きく異なる2号機と線量の分布を比較することに、とくに何か重要な意味があるとは思えない。
真に注目すべきは、1号機原子炉建屋の各階、各部の線量分布だと思われるが、そういう意味では、4階のとくにICタンク周りの線量が他の階と比べて(スポット的なものを除くと)決して低くはないことは注目される。


⑤当社の1号機4階の現場確認が「きわめておざなりでずさん」と指摘しているが、田中委員が実際に現場確認頂くことが委員の疑問に答える最も有効な方法と考える。現場確認への参加の意志を尋ねたい。
【田中回答】
できるだけ早期に現場確認をさせていただきたい。なお、現場確認に関して、現時点では以下のようなことを考えている。
  1号機原子炉建屋の現地調査   となった。 続く


nice!(0)  コメント(0)