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[震災10年]営農再開いまだゼロ 安全実証も帰還進まず 福島県大熊・双葉町--2021/02/02 [東電核災害検証・生活分科会]


日本農業新聞  2021年02月02日記事


東京電力福島第1原子力発電所事故から間もなく10年がたつが、福島県大熊、双葉両町は、いまだに営農再開ゼロの状態が続く。実証栽培などを通じ一部地域では水稲や野菜の安全性を確認したが、担い手の確保にめどが立たないからだ。町外に避難した農家の帰還が進まず、長期間の避難で高齢化していることも影を落とす。
 
営農再開・・福島県大熊、双葉両町01.jpg
図 営農再開・・福島県大熊、双葉両町01.jpg
 大熊町では避難指示が解除された大川原地区で3年間の主食用米の実証栽培が2020年度に最終年を迎えた。いずれも放射性物質の検査結果は基準値以下だった。栽培技術をマニュアル化し、営農再開に役立てたい考えだが農家らの帰還が進まず、現時点で稲作の再開を決めた農家はいない。
 同地区では14年度、試験栽培が始まり、18年度には全量検査を前提に出荷が可能な実証栽培に移行。主食用米を16アールで栽培し、20年度には酒造好適米43アールも作った。
 実証栽培に携わった同町農業委員会の根本友子会長は「安全性が担保できて一歩前進した」と受け止めるが「営農再開には課題も多い」と話す。
 10年近く町外への避難を余儀なくされたことで農家からは高齢などを理由に町内で「農業を再び始めるのは難しい」との声も出ている。根本会長自身も、震災前は水田1ヘクタールなどを手掛けていたが、現在は中間貯蔵施設の用地に使われているため、営農再開のめどは立っていないという。
 大熊町内の農家数は震災前に587戸に上り、耕地面積は936ヘクタールあった。町によると、21年度以降に営農を再開すると決めた農家はまだいない。
 現在の住民帰還率は3%で、帰還していない農家も多い。町は「町外に避難し、営農を中断した農家の再開をどうサポートするかが課題」(産業建設課)と話す。
 双葉町では、地震で破損した水路施設が復旧しておらず水稲の試験栽培ができないため、野菜から栽培に着手した。町内に先駆けて避難指示が解除され、農地の除染が完了した両竹地区で20年度、6アールで5品目を試験栽培。いずれも放射性物質の検査結果は基準値以下だった。
 21年度から一般栽培ができるが、がれきが混入したままの畑が多く、即座に栽培を始めるのは難しい状態。がれき除去を含む農地整備が必要で、栽培環境が整うのは22年度以降を見込む。両竹地区以外の5地区は、農地の除染が完了する21年度以降に試験栽培に入りたい考えだ。
 担い手の確保も避けて通れない。震災前は524戸の農家がいて、耕地面積は722ヘクタールに上った。一方、現時点で町内への住民帰還率は0%。町は復興に向け「地域で農業に携わる人の確保を検討していかなければならない」(農業振興課)と話す。
 水稲の試験栽培には、水路施設の復旧が欠かせない。ダム、河川の復旧は21年度に完了する予定だが、水路は避難解除の見通しが立っていない帰還困難区域内にもある。事業を担う町によると工事に着手できる時期はまだ見通せないという。(船津優也、松村直明)
住民6割「戻らない」 避難先に生活基盤 2町で意向調査
 大熊、双葉両町の住民を対象にした復興庁などの意向調査で、町に「戻らない」との回答は両町とも6割に上った。「決めていない」も2割を超えた。事故から10年近くが過ぎ、避難先で生活基盤が出来上がり、戻るのが難しくなっていることが背景にある。
営農再開・・町民意向調査01.jpg
図 営農再開・・町民意向調査01.jpg
両町は一部で避難指示が解除されている。だが、大熊町は住民登録者数1万263人に対し、現在町内に居住している人はその3%の285人にとどまる。双葉町の住民登録者数は5789人だが、帰還した人はゼロの状況が続く。
 今回の調査で、大熊町の回答者2526人のうち、「戻らない」は60%。年齢別で「戻らない」が最多だったのは、29歳以下の若い世代だった。
 大熊町の農家出身で、家族と町外に避難した40代男性は、かつて兼業農家として一定規模で畑作を営んでいた。平日は自分だけ町に滞在し、勤務先に通うが「以前のように農業ができるかどうか、めどは立っていない」という。
 双葉町では回答者1486人のうち、62%が「戻らない」と回答。年齢別で「戻らない」が最多だったのは現役世代の30~39歳(73%)だった。
 両町とも、事故後の避難生活が10年近く続いたことで、避難先に根を下ろすケースが多い。町へ戻らないと決めた理由として最多だったのは、大熊町では「(別の場所で)既に生活基盤ができている」(59%)だった。双葉町でも「避難先で自宅を購入、建築し、将来も継続的に居住する予定」(57%)が最多だった。
 福島県は双葉、大熊両町をはじめ、町外への避難を強いられた地域の実態として「家族で避難した世帯の子どもは避難先で就学し、地域になじんでいる。なかなか帰還しにくい状況にある」(地域振興課)とみる。
 帰還するかどうか判断するために必要なものは、両町とも生活環境の整備を挙げる声が多い。大熊町は「病院や道路、公共交通などの社会基盤の復旧時期のめど」(73%)、双葉町は「医療・介護福祉施設の再開、新設」(43%)がそれぞれ最多だった。(石原邦子、船津優也)



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2020令和2年度第8回、新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会が2021令和3年2月12日にあった。 [新潟県原発の安全管理に関する技術委員会]

2020令和2年度第8回、新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会が2021令和3年2月12日にあった。

議論と配付資料


まず事務局・県から報告

「発電所建屋内への不正な入域及び柏崎刈羽原子力発電所7号機の一部工事未了事案について」
資料No.1-1 発電所建屋内への不正な入域について(東京電力Hd) [PDF/1.19MB]
新聞報道よりも中身がないゾ。
資料No.1-2 柏崎刈羽原子力発電所7号機の一部工事未了事案について(東京電力Hd) [PDFファイル/933KB]
虹屋オヤジの要約
換気装置で熱気や呼気を排出すればするほど、建屋内の気圧がドンドン下がっていく。放っておくと、空気は気圧の低い方に向かって流れるため、出入口はもちろん、建物のわずかなスキマから外気がゴミが入り込む。これと逆の状態をつくり、常に気圧を高く保ち、外気が入り込みにくするというのが「陽圧化」の考え方。
原子力発電所では運転員が作業するコントロール建屋内の中央制御室は、シビアアクシデント時には気体性、微粒子状の放射能の侵入を防ぐために陽圧化が図られる。
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それで2階に6・7号機の中央制御室がある6・7号機コントロール建屋の一階のに、予備も含めた計6台の可搬型陽圧化空調機を、6号機側および7号機側の2箇所にそれぞれ3台ずつ分散配置してある。そして重大事故等対処設備(SA設備)扱いとしている。
この度、火災の際、可搬型陽圧化空調機ほかSA設備(重大事故等対処設備)が保管されている部屋を密閉し、消火ガスの流出を防ぐためダンパーDamper(空気流量制御弁・開閉装置)を設置し、SA設備を火災から守るとした。
そのダンパーDamper(空気流量制御弁・開閉装置)設置工事の「マスターとなる設計及び工事計画の認可(設工認)との現場照合が不足」で7号機側で一部工事が終わっていない(未了)なのに、住民説明会などで終えたと説明していた。
251571資料No.1-2 柏崎刈羽原子力発電所7号機の一部工事未了事案)-001.jpg
続く

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