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「緊急作業時の被ばくに関する関係規則等の改正案」へのパブリックコメント、追加 2015/6/19締切 [被曝管理]

原子力規制委員会は、5月20日の第8回会合で、「緊急作業時の被ばくに関する関係規則等の改正案」をまとめ、6月19日までパブリックコメントを募集している。
①原発労働者の緊急作業時の被ばく線量限度250mSvを新たに追加し関連規則等を改定するものです。
②さらに、運用上の措置として、生涯被ばく線量を1,000mSvまで認めるというものです。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198271002&Mode=0

規則、告示の改定という姑息なやり方はダメ
意見の要旨
原子炉規制法(昭和32年法律第166号)を改正し、シビアアクシデント時期収束を従来の放射線業務とは別の業務として明確に法律で定める。その被曝管理などの規定(規則、告示など)を、従来の放射線業務の規定(規則、告示など)とは別に定める。

詳細
東京電力福島第一原子力発電所の2011年3月の核災害を受けて、そのようなシビアアクシデントが起きた際の事故収束作業に従事する人に適用する規則などの改正案である。これまでの核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)では、シビアアクシデントを想定していない。つまり規則などで想定してる放射線業務従事者の緊急作業の範囲外にシビアアクシデント収束作業はある。それは、シビアアクシデント収束作業では1986年のチェルノブイリ事故を省みても作業員の被曝は従来の実効線量 100mSv超える事は確かなのに、それに対応した規則などが四半世紀もなかったことに現われている。

 100mSvはこれ以上の被曝量では晩発障害が疫学的手段で検出できるとされている。また、放射線業務従事者の5年間で被曝上限でもある。この値は、産業一般の労働災害での傷害、死傷の発生と放射線業務固有の労働災害のそれを、同等になるように定められている。

 その100mSvをシビアアクシデント収束作業では超えるのであるから、それに従事することは従来の緊急作業とは別の、格段にリスクの高い作業になる。従来の産業一般の労働災害のリスクを遥かに上回る、原子炉規制法(昭和32年法律第166号)では想定していないリスクを放射線業務従事者に新たに負わすことになる。それを、一片の行政庁の規則、告示、保安規定などの改定で済ませるべきではない。原子炉規制法(昭和32年法律第166号)を改正すべきである。

以上 

追加分

負わすリスクの大きさ
また、シビアアクシデント収束作業に従事した人(以下「シビアアクシデント収束作業員」と記す)に負わせるリスクの大きさ、程度は、産業一般の労働災害のリスク以上のリスクを業務として負っている消防士等の人々と同等にするべきである。「私自身の現場感覚からしても、250ミリシーベルトという値そのものはリーズナブルでアンダースタンダブルな、合理的で理解可能なものだと考えます」(中村佳代子委員、5月20日委員会議事録24頁http://www.nsr.go.jp/data/000107819.pdf)などと無責任な論議で決まった改定案の線量は撤回する。
告示する線量の上限を再検討する。

経済的補償体制の構築
シビアアクシデント収束作業に従事した人への経済的補償、健康面のケア体制なども規定(規則、告示など)に盛り込むことを求める。原発労働者の労災認定では、これまでに40mSv(11ヶ月)で白血病となり病に苦しんでから労災認定されている。

シビアアクシデント収束作業員の管理
改定案は「緊急作業に従事させることができる放射線業務従事者は次に掲げる要件のいずれにも該当する者でなければならない。
一 緊急作業時の放射線の生体に与える影響及び放射線防護措置について教育を受けた上で、緊急作業に従事する意思がある旨を試験研究用等原子炉設置者等に書面で申し出た者であること。
二 緊急作業についての訓練を受けた者であること。」とある。

原発作業員は、原子力事業者が雇用する従業員だけではなく協力企業、いわゆる下請け・孫請け企業の労働者がいる。東京電力福島第一原子力発電所の事故収束作業では、七次請けまであり、そうした下請け企業ではずさんな被ばく管理がおこなわれていると報道されている。

 シビアアクシデント収束作業員が改定案の2項目を満たした者であることを、国が確認管理する体制をつくる。原子炉設置変更許可、工事計画認可、原子炉施設保安規定変更認可の申請書には重大事故等の収束作業に当たる要員の必要人数が書かれており、審査される。先ず、この計画で重大事故等の収束作業に対処する要員が、改定案の2項目を満たした者であることを定期的にまた随時、国が氏名等を特定して確認する。事故発生時に必要に応じて従事する者は、予め緊急作業時の放射線の生体に与える影響及び放射線防護措置について教育を受け、緊急作業についての訓練を受けた者をリストアップ、名簿化しておく。それも、定期的にまた随時、国が氏名等を特定して確認する。