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第85回学習交流会=柏崎刈羽原発液状化の検討=その㈡ [新潟女性の会]

柏崎刈羽原発液状化の検討について
さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト
山田秋夫
虹屋オヤジの補遺(壱)
液状化は、地盤の垂直方向の変位・移動だけを説明している。

他に側方流動という地盤が水平方向に大きく変位・移動する現象がある。数100m四方の緩傾斜地盤および広域にわたる埋立地に生じてる変位・移動。1983年の日本海中部地震で注目され、研究が進んだ。この日本海中部地震では、秋田県能代市の海岸線よりやや離れた独立した砂丘地帯で、標高20mの砂丘頂部より10mの麓に勾配2~3%の緩やかな傾斜地盤で、砂丘の斜面に沿って地盤が水平変位を生じ、最大の水平変位は5m に達している。相対変位=ひずみが生じ,この付近では,流動変位により家屋基礎の被害およびガス導管などライフラインの埋設管路に被害が発生した。
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1964年新潟地震等の既往地震の再分析・解明も進んだ。傾斜地盤や傾斜勾配が1%以下の比較的勾配が小さく水平と見なされるような緩い砂地盤における,数メートルから 10メートルを越えるような地表の変位が取りだされた。
側方流動と被害予測・2-10濱田--syuku.jpg
1984年、地震発生から20 年後に、弁天2丁目のNHK局舎の建替工事で直径30cm のコンクリート杭(既製遠心杭)がことごとく破壊されていることが発見された。建物周辺地盤が南東の方向に平均約2m のオーダで水平変位している。杭は南東方向に1~2m 変形しており、付近の地盤変位の大きさと方向に一致している。上下部の非液状化層と液状化層の2つの境界が杭の被害地点にほぼ一致している。
側方流動と被害予測・2-4濱田--syuku.jpg
2007年の新潟県中越沖地震では、柏崎刈羽原発の敷地内、周辺に地盤液状による被害が見られた。
国土交通省-p33-02p18-genn.jpg
「刈羽村では、液状化やそれに起因する裏山の崩壊等により、多くの家屋に被害が発生した。液状化に伴って著しい不同沈下が生じた木造のほか、砂丘からなる裏山の崩壊によって住宅の外壁に土砂が1~2mの高さにわたって積み上がり。窓等を突き破ったケ-スも認められた。新築の平屋木造が地盤変動により上向きに突き上げられ、大きく傾いた例もあった。また、小径の鋼管杭を使用した住宅が、液状化による地盤沈下によって、杭頭部が相対的に浮きあがった例も認められた。・・この地域の地下水位は、概ね地表面・GL-0.5~1.0mと考えられる。」
国土交通省「平成19年(2007年)新潟県中越沖地震における液状化に関する被害調査報告」 https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/05/050121/02.pdf
「砂丘斜面では深度数m以深に堅固な砂層(古砂丘と呼称)が、以浅では比較的緩く堆積した砂層(新砂丘と呼称)が存在していると考えられる。」
 新潟県中越沖地震における宅地の液状化被害  (長岡技術科学大学、大塚悟・磯部公一)
http://coastal.nagaokaut.ac.jp/~jisin/chuetuoki/final/2.pdf
長岡技術科学大学Dis10-p52-syuku-縮.jpg
 砂丘の海側は、柏崎刈羽原発の敷地内で原子炉建屋やタービン建屋の地域は、砂丘ふもとを切土・盛土で整地してある。その建屋建設の整地作業で、流動化する地盤に変わった。切土で出た砂質土壌、新砂丘や古砂丘の砂は、間にあった谷地形に投じられ、谷を埋めた。
 砂丘の柏崎平野側では、切土で造成された地盤に建築された住宅の外壁に土砂が1~2mの高さにわたって寄せ積みあがっている。上の地図で、柏崎刈羽原発でも整地地盤と砂丘地盤の境界で建屋整地地盤側に、流動化マークの青丸がある。
 東京電力資料の地図では、噴砂、亀裂が記されている。
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続く

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第85回学習交流会=柏崎刈羽原発液状化の検討=2020年11月22日 [新潟女性の会]

柏崎刈羽原発液状化の検討について
さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト
山田秋夫
説明項目
1液状化とは?
2液状化判定
3液状化判定のために必要な調査、試験
4東電KK液状化影響の検討資料について
5液状化検討後の東電の対応
6荒浜側防潮堤評価見直し
6,7号機屋外施設の耐震補強工事の概要
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1 液状化とは 
•液状化とは水分を多く含んだ砂の層が液体のように流動化する現象で、
水圧の上がった地下水が液体のように流動化する現象。
(噴砂:水圧の上がった地下水が砂と一緒に吹き上がる現象
•液状化しやすい条件
①砂地盤。②地盤が緩い。③地盤が地下水で満たされている
•液状化しやすい場所
例:海岸沿いの浚渫土を使った埋め立て地、旧河道、砂丘の縁、沼や湿地の埋めてて地など




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 柏崎平野は海岸線に沿って砂丘の高まりがあり,河川の日本海への出口は狭く,砂痩の供給も乏しいため,平野側には粘性土が厚くたまっています。また,砂丘も標高が高いため,地区全体として見た場合,液状化の可能性は非常に低くなります。しかし,砂丘縁辺部では,総じて地下水位が高く,人工改変が加わっている可能性もあるため,可能性が高くなります。また,柏崎市街地では盛土造成により住宅地が拡大していることから,可能性のある範囲が広がっています。

 なお,東京電力柏崎刈羽原子力発電所の構内は人工造成地のため可能性のある範囲に含まれますが,
重要構造物の基礎はしっかりとした泥岩層にすえられており,液状化対策も施工済です。
2007平成19年7月16日10時13分23秒 に発生した中越沖地震の時
マグニチュード (M) は6.8、最大震度は6強
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•液状化しやすい場所
例:海岸沿いの浚渫土を使った埋め立て地、旧河道、砂丘の縁、沼や湿地の埋めてて地など
•液状化により発生する被害
①構造物の支持力が失われる。②噴砂により、地盤の沈下とマンホールなどの中空物の浮き上がり。③建物不同沈下により、施設の機能に障害が発生。 
•地震と液状化
ある程度強い地震でないと発生しない。おおむねの目安は震度5以上。再度の強い揺れで繰り返し発生。
虹屋オヤジの補遺・に続く

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