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技術委員会(令和2年度第5回)ー②・・杉本委員、火山活動で降り積もる火山灰対策の東電説明を求める [新潟県原発の安全管理に関する技術委員会]

2020令和2年度第5回の安全管理に関する技術委員会

議題、(1)、柏崎刈羽原子力発電所の安全対策の確認のイ柏崎刈羽原子力発電所の安全対策の確認事項について
で杉本委員より意見表明があった。議事録はまだ出ないので、録音をしめす。
記憶では、火山活動で降り積もる火山灰対策の東電説明を求める内容であった。

概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」を活火山といい、 我が国には現在111の活火山がある。その中から、今後100年程度の噴火の可能性及び社会的影響を踏まえ「火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山」を常時観測火山として火山噴火予知連絡会によって選定され、50の活火山を24時間体制で気象庁が監視している。
 新潟県内には、新潟焼山(標高2,400m)と 妙高山(標高2,454m)の2つの活火山があり、新潟焼山は常時観測火山。
 隣県の福島県には、吾妻山、安達太良山、磐梯山、沼沢燧ヶ岳の5つの活火山があり、吾妻山、安達太良山、磐梯山、那須岳の4山が常時観測火山。 
山形県には、蔵王山、鳥海山、肘折ひじおり、吾妻山の活火山があり、蔵王山、鳥海山、吾妻山の3山が常時観測火山。
群馬県には、浅間山、草津白根山(白根山(湯釜付近)及び本白根山を包括した総称)、日光白根山、赤城山、榛名山の5つの活火山があり、浅間山草津白根山及び日光白根山の3山が常時観測火山。
長野県には岐阜県境沿いに北から焼岳・アカンダナ山・乗鞍岳・御嶽山、群馬県境に浅間山、八ヶ岳に横岳(北横岳)の6つの活火山があり、焼岳、乗鞍岳、御嶽山、浅間山の4山が常時観測火山。
富山県には弥陀ヶ原(みだがはら)火山(立山火山)は活火山であり、常時観測火山。
合計すると、活火山は18山、常時観測火山で15山ある。
新潟地方気象台のWebでは、新潟県周辺の活火山として7山、常時観測火山で5山あげてある
これらの活火山が噴火し火山灰などが柏崎刈羽原発周辺に降り注いだ場合に備え、どのような安全対策を行っているおこなっているのだろうか。

f新潟焼山[にいがたやけやま]06.jpg
原子力規制委員会が決定した「火山影響評価ガイド」と、
東電の「柏崎刈羽原子力発電所6号炉及び7号炉、火山影響評価」の検討へ続く

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「犠牲区域」のアメリカー③-2020/09/24刊行 [核のガバナンス]

「犠牲区域」のアメリカ 核開発と先住民族   著者 石山 徳子 著  岩波書店

刊行日 2020/09/24  ISBN-13 : 978-4000614221
内容紹介 続き ③

「犠牲区域」と呼ばれる地域を回りながら、つねに思い起こしていたのが、患者に寄り添いながら、高度経済成長の負の遺産、水俣病と炭塵爆発被害の不条理と闘いつづけた医師、故原田正純医師の言葉だ。晩年の原田医師は新聞社のインタビューに答え、福島原子力発電所の事故がもたらす環境被害と水俣病のつながりについて次のように語った。
「僕も最初は病気のせいで水俣病患者が差別されていると思っていた。だが、世界各地の公害現場を歩くうちに、差別されている場所に公害というしわ寄せがくるとわかった。原発も都会で使う電力を地方でつくり、廃棄物まで押しつけられる」(出田 , 2011)。汚染された土地に生きる患者の心と身体に向き合いつづけた医師による告発は、アメリカ核開発の現場でも説得力がある。
辺境に生きる先住民が核開発の最前線に置かれ、何世代にもわたる生態学的リスクを負うのを拒否するのか、または、国や企業からの助成金を受け入れるのかという、究極の選択を強いられる日常がある。大半の市民はそれを認識せず、先住民の葛藤や苦しみを共有していないのが現実だ。これは、アメリカ社会に内在する格差と分断に起因しているが、先住民族がすでに滅びてしまったかのような誤解が一般化され、現代に生きる彼らが視えない存在に追いやられているからでもある。

著者紹介
石山徳子(いしやま のりこ)
1971年東京都生まれ。日本女子大学文学部英文学科卒業。ラトガース大学大学院地理学研究科博士課程修了(Ph.D. 地理学)。専門は人文・政治地理学、地域研究(アメリカ合衆国)。明治大学政治経済学部、大学院教養デザイン研究科教授。
著書に
豊かさと環境
秋元 英一/編著 -- ミネルヴァ書房 -- 2006.10 -- 332.53
新潟市図書館収蔵 中央・ホンポート館自動書庫 /332.5/ユタ/
アメリカ先住民と環境保護 石山 徳子/著 109-130頁
『米国先住民族と核廃棄物――環境正義をめぐる闘争』(明石書店、2004)、
県立図書館収蔵 /539/I83/
米国先住民族と核廃棄物41.jpg
『震災・核災害の時代と歴史学』(共著・青木書店、2012)
新潟市図書館収蔵 白根館 、/369/シ/
原子力発電と差別の再生産 石山 徳子/著 161-173頁
『「ヘイト」の時代のアメリカ史――人種・民族・国籍を考える』(共著・彩流社、2017)などがある。
県立図書館収蔵 /316/Ka53/
先住民族の大地 石山 徳子/著 49-70頁

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新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会(令和2年度第5回)ー① [新潟県原発の安全管理に関する技術委員会]

2020令和2年度第5回の安全管理に関する技術委員会

:令和2年 10月 28日(水)13:30~16:00
議題
(1)柏崎刈羽原子力発電所の安全対策の確認
ア柏崎刈羽原子力発電所7号機の審査状況について

イ柏崎刈羽原子力発電所の安全対策の確認事項について・・資料2で本日説明と記載項目

ウ柏崎刈羽原子力発電所の安全対策について

項目6・最終ヒートシンクへ熱を輸送するための設備及び運用手順 資料3の2~18ページ
:::・最終ヒートシンクへ熱を輸送するための設備、運用手順、津波への備え等 
:::・低圧注水系の冗長性等 
項目18・耐震評価  資料3の19~24ページ
:::・重要配管の耐震性
:::・ストレステストとクリフエッジ等
項目19・使用済燃料プールの安全対策 資料3の25~27ページ
:::・使用済燃料プールの安全対策設備等
項目20・残余のリスクへの対応 資料3の28~34ページ
:::・福島第一原発事故後に得られた新知見と継続的な改善
3報告
(1)使用済燃料の号機間輸送等について  資料4
:::使用済燃料の号機間輸送 1~9頁
:::瞬時電圧低下に伴う使用済燃料プール冷却ポンプの停止事象について 10~14頁
配布資料
資料No.1  6頁 柏崎刈羽原子力発電所7号機の審査状況について(東京電力 HD)6頁
https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/240635.pdf
資料No.2  1頁 柏崎刈羽原子力発電所の安全対策の確認事項について
https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/240636.pdf
資料No.3  39頁 柏崎刈羽原子力発電所の安全対策について(東京電力 HD)
https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/240638.pdf
::1.最終ヒートシンクへ熱を輸送するための設備及び運用手順・・・2ページ
::2.耐震評価・・・19ページ
::3.使用済燃料プールへの安全対策・・・ 25ページ
::4.残余のリスクへの対応・・・ 28ページ
::資料 No3(参考資料)・・委員からいただいた個々の確認項目に対する回答  35~38ページ
資料No.4  15頁 使用済燃料の号機間輸送等について(東京電力 HD)
https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/240639.pdf
:::使用済燃料の号機間輸送 1~9頁
:::瞬時電圧低下に伴う使用済燃料プール冷却ポンプの停止事象について 10~14頁
資料No.5-1  14頁 委員から頂いた質問事項への回答(柏崎刈羽原子力発電所に係る事項)(東京電力 HD)
https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/240640.pdf
::2 施設の液状化対策 ..................................................1
::3 水撃による圧力波の冷却水系への影響..........................7 
;;4 冷却水系、循環水系の損傷による内部溢水への対処 .........7 
::9 事故対応時の環境対策、体制等 ...................................8 
10 重大事故対処手順、作業者の教育・訓練及び心理的負担 ...10 
14地下水対策 .............................................................13 
資料No.5-2  44頁 委員から頂いた質問事項への回答(福島第一原子力発電所に係る事項)(東京電力 HD)
https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/240641.pdf
○鈴木元衛委員ご質問:津波到達時刻と電源停止の原因について
(回答)・ご指摘の点については,現在検討中のため,結果が纏まり次第回答させて頂きます。
○佐藤委員ご質問:1号機の SR弁の動作に関して
スクラム停止直後からSBO発生までの間の崩壊熱は,ICの水の加熱と沸騰に消費される。しかし,この間に蒸気の漏洩があったとするならば,両者の間に有意な差異が生じていたはずであるが,東京電力はこれらの確認をしているか。
参考 ※添付資料1:東電福島原子力事故報告書添付8-9
非常用復水器( IC)胴側水位減少量に関する調査結果について  資料5‐2の6~8頁
○佐藤委員ご質問:1号機の水素爆発に関して
東京電力は,同一条件により,次の3つの事象が起こり得たと考えているのか。
1点目・4階~5階の開口部ハッチが,爆発によって開閉操作用のウィンチの付いた壁もろとも飛ばされた。
2点目・開口部ハッチが飛ばされた後に,爆風または爆発が4階に向かい,当該フロアにある機器に大きな損壊を与えた。
3点目・下に向かう爆風または爆圧が発生しつつも,原子炉キャビティのシールド・プラグを浮き上がらせる負圧が生じた。
(回答)
水素爆発解析の結果から, 1点目, 2点目は起こり得なかった可能性があり, 3点目は起こり得た可能性があると考えております。
詳細は「添付資料2:平成 29年 2月 9日課題別ディスカッション1資料 No1: 1号機水素爆発解析について(抜粋)」   資料5‐2の9~44頁
○立石委員:地下水の汚染について
福島第1原発で,今なお,地下水の汚染が進行している原因が解明されていない。サブドレンによる地下水汲み上げ機能(事故後の電源復旧で稼働しているはず),ならびに健全な建屋が維持されていれば,地下水が新たに汚染される事はないはず。
電源復旧後もサブドレンが地震によって損傷を受け,その機能を喪失していたこと,また,福島第1原発の建屋地下部の外壁が地震によって損傷したことが,当初,大量の地下水を汚染させた重要な要因であり,今なお,地下水の一部が汚染されている要因と考えるが,
東京電力が地下水の汚染要因をどのようにとらえているのか,説明を求める。
(回答)
・詳細な流入箇所については把握できていませんが,建屋壁面には多数の貫通部があり,配管貫通部や建屋間継ぎ目などから地下水が流入していると想定しています。
資料No.5-2-p15縮.jpg
続ける

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「犠牲区域」のアメリカー②-2020/09/24刊行 [核のガバナンス]

「犠牲区域」のアメリカ 核開発と先住民族   著者 石山 徳子 著  岩波書店

刊行日 2020/09/24  ISBN-13 : 978-4000614221
内容紹介 続き ②

私はこれまで約二〇年にわたり、アメリカ大陸のウラン採掘、プルトニウム生産、核実験、高レベル放射性廃棄物処分といった、核開発の諸段階に関わる現場を訪ね歩いてきた。その大半は、政治・経済・社会資本が行き来するグローバル都市でも、快適な郊外でもなく、足を伸ばすには不便な場所に集中しており、いわゆる「辺境」に追いやられてきた先住民族の生活圏と重なっている。環境リスクにさらされる現場を歩き、人びとの声に耳を傾けると、核開発にはジェノサイドから始まる植民地主義の歴史や、人種や階級による制度的な差別が、幾重にも絡みあっていることがあきらかになった。
同時に、先住民族は自然と共生し、環境運動を牽引すべき救世主であるというステレオタイプや、核開発に常に抵抗する立場だという先入観、さらには、「加害者」対「被害者」、「人種差別的な行政、または、企業」対「差別に苦しむ有色人種」といった、単純明快な二項対立の図式は打ち砕かれた。
本書は、一九四〇年代に始まった軍事利用に加え、五〇年代以降は「平和利用」の分野においても先陣を切ってきた、アメリカ核開発の現場に展開する数々の事象、そして物語を、歴史的文脈に位置づけながら検証する。分析に際しては、とくに、アメリカの地理空間に根付き、また、これを創出してきた、「セトラー・コロニアリズム」の概念を一つのキーワードとしてみたい。
セトラー・コロニアリズムとは、入植植民地主義、もしくは定住型植民地主義と訳される。入植者たちが、移住先の土地に留まり、新しい国家を形成し、発展させていくためには、先住民族の排除、および不可視化が戦略的に必要だった。そしてこれは、建国前からアメリカに定着していた、奴隷制度の歴史とも密接に関連していた。セトラー・コロニアリズムは、先住民族の歴史的、空間的な経験の分析のみならず、アメリカという国家のあり方、社会、文化を理解するためにも不可欠の概念である。
目次
はじめに
一章 セトラー・コロニアリズムの国の核開発
二章 ハンフォード・サイト汚染される先住民族の聖地
三章 ハンフォード・サイトの記憶 不可視化される環境汚染
四章 ウラン開発とナバホ・ネーション
五章  ネバダ実験場の地理空間 大地に刻まれるクレーター
六章 骸骨の谷から見える未来七章 核開発とセトラー・コロニアリズム 環境正義への歩み
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そこで、一章では、アメリカ核開発がセトラー・コロニアリズムの文脈において、いかに発展してきたのか、社会的、概念的な背景をあきらかにする。
その上で、以下の章では、現場に根ざした事例について紹介していく。
二章と三章は、テネシー州オークリッジ、ニューメキシコ州ロスアラモスとともに、マンハッタン計画の拠点の一つとなったワシントン州ハンフォード・サイトの歴史地理を振り返る。
四章では、冷戦期に核エネルギーの生産に不可欠な原料であるウランの採掘、精錬現場となったナバホ・ネーション居留地の経験に焦点を当てる。
五章では、第二次世界大戦中から冷戦期にかけて行われた核実験の現場であるネバダ実験場、および一九八七年に連邦政府が高レベル放射性廃棄物の最終処分場の候補地に指定した、ユッカ・マウンテンの事例を取り上げる。
六章では、中間貯蔵施設の建設計画の現場となったユタ州のスカルバレー・ゴシュート・インディアン居留地に目を向ける。
最終章では、核開発の各現場から見えてきた、先住民族の生活空間の破壊のプロセスと、彼らによる抵抗の営みについて概観した上で、持続可能な未来に向けた方向性を提示し、まとめとしたい。
続く

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「犠牲区域」のアメリカ 核開発と先住民族ー①-2020/09/24刊行 [核のガバナンス]

「犠牲区域」のアメリカ 核開発と先住民族「犠牲区域」のアメリカ81bNrS-+6GL.jpg

著者 石山 徳子 著

岩波書店

刊行日 2020/09/24
ISBN-13 : 978-4000614221
内容紹介

核開発で汚染された土地に生きる、アメリカ先住民。その存在を不可視化する支配の構造と、抵抗の歩み。


二〇一六年五月二七日、バラク・オバマはアメリカ合衆国(以下アメリカ)大統領としてはじめて広島の地を訪ね、原爆投下の歴史を直視し、悲劇を繰り返さないように呼びかける演説を行った。
演説のはじめの部分である。
 七一年前、明るく、雲一つない晴れ渡った朝、死が空から降り、世界が変わってしまいました。閃(こう) (せん) 光と炎の壁が都市を破壊し、人類が自らを破滅させる手段を手にしたことを示したのです(『朝日新聞デジタル』2016)。
オバマはこの演説で、誰が空から死をもたらしたのか、何が世界を変えたのか、すなわち原爆を開発し、人類の破滅への道を急進させた主体を示さない言い回しを選んだ。
これでは、晴れ渡った夏空の下の広島で、三日後には長崎の街で、あらゆる生きものの大切な命と日常を奪い、慣れ親しまれた場所と景観を一変させた正体が何かはわからない。
原爆投下が一〇〇万人の命を救ったという神話が根強く残るアメリカの最高司令官としては、自国の政府の責任を認め、謝罪の言葉を述べることはほとんど不可能であり、市井の被爆者の悲しみや苦しみに言及するのが、政治的にぎりぎりの限界だったのであろう。

演説でうやむやにされた破壊の主体が、アメリカという世界随一の軍事大国であること、「偉大な国」を標榜しながら、国家形成の基盤に、植民地主義と人種差別の問題を抱えている国であることは、決して偶然ではない。核開発は軍事面、経済面で国家や企業に当面利益をもたらしつつ、科学技術面では未知の部分を多々残しており、核兵器と原子力による電力の生産は世代を超えて生態学的、社会的な環境リスクを増殖させる。
負の遺産としての放射性廃棄物に関しては、環境への影響のスパンは一〇万年を超える。
この長いプロセスにおいては、個々の現場、破壊の対象となる土地、生きとし生けるものの身体や共同体が危険にさらされる。国家や企業が、国の安全保障や経済発展という大義名分を掲げながら、核開発による環境リスクをどのような場所に負わせてきたのかを考えるとき、社会的な不平等と差別の構造や、切り捨てられてきた弱者の存在が浮かび上がってくる。

複雑に交差する数々の物語に触れるなかで、私は地理学者として、政治経済、法体系、文化、歴史との相互関係において、核開発の基盤を形成し、これを前進させてきた「場所」や「空間」を読み解く作業を通じて、分析を試みることにした。
いくつかの事例からは、それぞれ違った歴史や個性を持つ現場を結びつける、共通項が見えてきた。それは、先住民族をはじめとする有色人種や貧困層を周縁化し、彼らが生活基盤とする土地を、「国の犠牲区域」の空間構築に組み込んでいく社会構造である。アメリカ地理と核開発は、あきらかな共謀関係にある。
続く

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