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核の誘惑=中尾 麻伊香/著 -- 勁草書房 -- 2015.7 [日々の雑感]

核の誘惑=TL.jpg核の誘惑

戦前日本の科学文化と「原子力ユートピア」の出現
著者名 中尾 麻伊香 /著  
出版者 勁草書房
出版年 2015.7
ページ数 7,384,20p 大きさ 22cm
ISBN 978-4-326-60280-3
新潟市図書館収蔵 坂井輪館 /539/ナ/ 

内容紹介

科学技術による帝国日本の覇権、科学の進歩がもたらすはずの明るく豊かな未来=「原子力ユートピア」。日本人は、核をどのように受け入れ、どんな未来を夢見て、そしてその受容と期待はどのように戦後に引き継がれたか。未来像=「原子力ユートピア」はどのように形成され、そして戦後「原子力の平和利用による復興」に引き継がれていったか。戦前日本のメディアにおける核に関する言説と表象を検討し、日本人の核に対する意識をその源流から辿り直す。
膨大な資料から描き出す。

目次

核の誘い
1 放射能の探求と放射能文化の創生
(放射能と科学者、メディア
放射能を愉しむ:大正期のラジウムブーム
帝国の原子爆弾とカタストロフィーをめぐる想像力)

2 原子核の破壊と原子力ユートピアの出現

(新しい錬金術:元素変換の夢を実現する
秘匿される科学:核分裂発見から原爆研究まで
戦時下のファンタジー:決戦兵器の待望
原子爆弾の出現)
核の神話を解体する

著者等紹介

中尾麻伊香[ナカオ マイカ]

2015年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻(科学史科学哲学)修了、博士(学術)。現在、立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員マックス・プランク研究所ポストドクトラルフェロー

著書・論文「「科学者の自由な楽園」が国民に開かれる時─STAP/千里眼/錬金術をめぐる科学と魔術のシンフォニー」『現代思想』2014年8月号,146-159頁,「近代化を抱擁する温泉─大正期のラジウム温泉ブームにおける放射線医学の役割」『科学史研究』268,187-199頁,2013年12月.“The Image of the Atomic Bomb in Japan before Hiroshima,” Historia Scientiarum, Vol.19 No.2 (2009): 119-131.
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

タグ:原発・PA
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科学者と魔法使いの弟子=中尾 麻伊香/著 -- 青土社 -- 2019.2 [日々の雑感]

科学者と魔法使いの弟子 ZL.jpg科学者と魔法使いの弟子
科学と非科学の境界
著者名1 中尾 麻伊香 /著 
出版者 青土社
出版年 2019.2
ページ数 201p
大きさ 19cm
ISBN 978-4-7917-7134-9
新潟市図書館収蔵 中央 2階自然 Map NDC分類(9版) 402 /402/ナカ/
新潟県立図書館収蔵 /402/N41/
内容紹介
魔法をかけることはできるが、解くことはできない「魔法使いの弟子」。ドイツの詩人ゲーテが書いたこの物語は、進歩いちじるしい科学技術、とりわけ原子力にたとえられてきた。
日本でも戦前から研究が進められていた核技術は、敗戦後一時の断絶を経て興隆していった。
日本人のアイデンティティに科学技術はいかに作用したのか? ユニークな視点で真摯に読み解く。
原子力という〈解けない魔法〉をめぐるもうひとつの科学史。
『現代思想』等掲載に書き下ろしを追加。
目次】
はじめに
第Ⅰ部 ファウストの末裔——科学は脱魔術なのか?
第1章 原子力をめぐる錬金術物語——想像される科学技術と召喚される魔法の言葉
第2章 「科学者の自由な楽園」が国民に開かれる時——STAP/千里眼/錬金術をめぐる科学と魔術のシンフォニー
第3章 疎外されゆく物理学者たち——加速器から原子力まで
第Ⅱ部 メフィストの誘惑——いつまで「人間」でいられるのか?
第4章 ノイマン博士の異常な愛情——またはマッド・サイエンティストの夢と現実
第5章 恐竜と怪獣と人類のあいだ——恐竜表象の歴史をたどって
第6章 ゴジラが想像/創造する共同体——「属国」としての「科学技術立国」
おわりに
著者等紹介
中尾麻伊香[なかおマイカ]
1982年ドイツ生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。専門は科学史、科学文化論。長崎大学原爆後障害医療研究所助教。戦時中の核研究の遺品を追ったドキュメンタリー映画「よみがえる京大サイクロトロン」を制作するなど、多彩な研究活動を展開している
著書に「核の誘惑」2015年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻(科学史科学哲学)修了、博士(学術)。現在、立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員マックス・プランク研究所ポストドクトラルフェロー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
著書・論文「「科学者の自由な楽園」が国民に開かれる時─STAP/千里眼/錬金術をめぐる科学と魔術のシンフォニー」『現代思想』2014年8月号,146-159頁,「近代化を抱擁する温泉─大正期のラジウム温泉ブームにおける放射線医学の役割」『科学史研究』268,187-199頁,2013年12月.“The Image of the Atomic Bomb in Japan before Hiroshima,” Historia Scientiarum, Vol.19 No.2 (2009): 119-131.

タグ:原発・PA
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核開発時代の遺産―未来責任を問うー2017 [日々の雑感]

核開発時代の遺産L.jpg核開発時代の遺産―未来責任を問う
若尾 祐司/木戸 衛一【編】
価格 ¥3,850(本体¥3,500)
昭和堂(京都)(2017/10発売)
サイズ A5判/ページ数 374p/高さ 22cm
商品コード 9784812216347
NDC分類 539.09
Cコード C3036
内容説明
私たちは未来になにを残すのか!?地球を何度も破壊できるほどに進んだ核の軍備競争は、一方で「平和利用」として輝く未来の夢に浮かされるように、多くの原発や関連施設を産んでいった。これら開発がもたらしたさまざまな施設やその影響は、いまや片づけることのできない「遺産」となって横たわっている。ヒロシマ・ナガサキ、そしてフクシマを抱く私たち日本人こそ、真摯にこの「遺産」と向き合わねばならない。
2015~17 年度科学研究費プロジェクト「冷戦期欧米における「核の平和利用」の表象に関する研究」(科学研究費補助金・基盤研究B(15H03257)、代表・木戸衛一)での共同研究をさらに拡充させたものです。
目次
第1部 「平和利用」への道を開く
(アメリカにおける「パワー」としての核―核兵器と原子力
;オブニンスク、一九五五年―世界初の原子力発電所とソヴィエト科学者の“原子力外交”)
第2部 核サイトの軌跡
(英ドーンレイと「アトミックス」たちの遺産―原子力研究開発拠点と立地地域の関係は如何に展開したか
;フランス・マルクールサイトの歴史―核軍事利用から民生利用への変遷
;西ドイツ「原子力村」の核スキャンダル―核燃料製造企業の立地都市ハーナウのイメージ ほか)
第3部 核開発の現在と未来
(アメリカ合衆国のウラン鉱山・製錬所の社会環境影響―ナバホ先住民族(ディネ)居留地の過去の負の遺産を中心に
フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物の表象―冷戦の影響を背景に
オーストリア国民と核技術の半世紀―「原子閉鎖」「原子力なし」の道筋 ほか)
核開発時代の遺産4L.jpg
著者等紹介
若尾祐司[ワカオ ユウジ]
1945年生まれ。名古屋大学名誉教授
木戸衛一[キド エイイチ]
1957年生まれ。大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授、日本平和学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
関連
反核から脱原発へ=ドイツとヨーロッパ諸国の選択ー2012
反核から脱原発へ=99887.jpg


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パブコメ、汚染水の太平洋放出④ [核のガバナンス・パブコメ]

東京電力福島第一原発敷地内に溜まり続ける放射能汚染水の処理水。2018年8月20日の河北新報は、処理水の【処分に関して国民の意見を聞く公聴会が8月末に開かれるが、トリチウム以外の放射性物質の存在についてはほとんど議論されていない。】など報道。その公聴会の案内と配布資料がある。それを検討しよう。https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/setsumei-kochokai.html 

③より続く④です
21頁にはトリチウムが多くて「タンクの処理水に含まれるトリチウムは規制基準より高濃度であり、希釈しなければ一定のリスクを有している。」とある。希釈、真水や川水や海水を加え入れて薄める・希釈するつもりなのだろうが他の原発では希釈は行われているのだろうかトリチウムの『実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則の規定に基づく線量限度等を定める告示』に定める周辺監視区域外の水中の濃度限度は幾つなのだろう。タンク内の処理水はどれ位高濃度なのだろうか。配布資料の検討を続ける。38頁 参考8-3 
 世界の原子力発電所等からのトリチウム年間排出量 A4の図表

配布資料5siryo34縮.jpg


BWR or ABWR、PWR、AGR/英国の改良型ガス冷却炉、CANDU/カナダの重水減速重水冷却圧力管型炉 か HWR/重水炉、CANDU/カナダの重水減速重水冷却圧力管型炉 か HWR/重水炉、再処理施設 、事故炉 に分けてある。
事故炉は、米・スリーマイル原発で1990-1993年の間に蒸発させ水蒸気の気体放出で約24兆Bq。<参考>1兆Bq≒約0.02g≒約0.019g(トリチウム水)とあるから、約0.5g=0.5ccほど。
27頁【参考4】に「現在、タンクに貯蔵されているALPS処理水は、貯蔵量約105万m3、濃度約100万ベクレル/リットル。約1000兆ベクレル。」だから、米国・スリーマイル原発事故で水蒸気・気体放出された約24兆Bq/0.5ccの約42倍/20g・20ccのトリチウム(水)。
続けて 
「原子力発電所や再処理施設等から排出される水についても同様にトリチウム以外の核種を除去したうえで排出している。」とある。37頁・参考8-2には、
国内外の原子力発電所→原子力発電所のメンテナンスで発生するドレン水等の液体廃棄物について、放射性核種を除くため浄化処理を行った後、循環水に混ぜ海洋に排出。」とある。  ⑤へ続く

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パブコメ、汚染水の太平洋放出③ [核のガバナンス・パブコメ]

東京電力福島第一原発敷地内に溜まり続ける放射能汚染水の処理水。2018年8月20日の河北新報は、処理水の【処分に関して国民の意見を聞く公聴会が8月末に開かれるが、トリチウム以外の放射性物質の存在についてはほとんど議論されていない。】など報道。その公聴会の案内と配布資料がある。それを検討しよう。



図21頁部分.jpg21頁、参考2-1の図に書かれた解説

「多核種除去設備で処理した水、トリチウムを除く62核種を除去、(全ベータ:数百ベクレル/L)」

 

22頁 参考2-2の図と説明

ALPS処理の効果、、.jpg
付いている説明文
多核種除去設備等は、汚染水に含まれる放射性核種(トリチウムを除く)を『実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則の規定に基づく線量限度等を定める告示』に定める周辺監視区域外の水中の濃度限度(以下、「告示濃度」という。)より低いレベルまで低減できる能力を有している。
◇タンクに貯蔵しているALPS・多核種除去設備・処理水は、トリチウムを除く放射性物質の大部分を取り除いた状態。
意見[22頁の図表には<、処理した水からトリチウム・H-3は50万ベクレルほど、セシウムCs134、Cs137、とストロンチウムSr90は検出限界値以下ND検出されている。トリチウムは半減期12.3年でβ線を出しベータ崩壊する核種・放射能。だから21頁の解説「多核種除去設備で処理した水、トリチウムを除く62核種を除去、(全ベータ:数百ベクレル/L)」は、62マイナス3で59核種が数百ベクレル/L含まれている意味になる。
トリチウムが多くて「タンクの処理水に含まれるトリチウムは規制基準より高濃度であり、希釈しなければ一定のリスクを有している。」とある。希釈、真水や川水や海水を加え入れて薄める・希釈するつもりなのだろうが、他の原発では希釈は行われているのだろうかまずどれ位高濃度なのだろうか。トリチウムの『実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則の規定に基づく線量限度等を定める告示』に定める周辺監視区域外の水中の濃度限度は幾つなのだろう。 ④へ続く]

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