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核実験地に住む=カザフスタン・セミパラチンスクの現在--2018 [日々の雑感]

核実験地に住む
副書名 カザフスタン・セミパラチンスクの現在
著者名1 アケルケ・スルタノヴァ /Akerke  SULTANOVA 
核実験地に住むL.jpg出版者 花伝社
出版年 2018.7
ページ数 202p
大きさ 21cm
新潟市図書館収蔵 中央・ホンポート館 2階5番書架 NDC分類(9版) 369.36
ISBN 978-4-7634-0863-1


内容紹介
冷戦下のソ連が456回もの核実験を行った、カザフスタンのセミパラチンスク。公文資料=「正史」に載らなかった住民の証言を聞き取り、彼らの恐怖や生活の変化、身体の悩み、住民と環境にもたらした被害などを記す。

旧ソ連領、現在はカザフスタンのセミパラチンスクという地域では、一九四九年より数々の核実験がおこなわれてきた。一九九一年に核実験場は閉鎖されたが、当時も今も大勢の人々が放射能の被害に苦しんでいる。カザフスタンに生まれ、広島の高校に通った経験を持つ著者が、フィールドワークを通じて、その悲劇の実態に切りこんだ一冊。なかでも住民へのインタビューは生々しく、とてもショッキングな記録だ。

「わき上がってくるキノコ雲とまぶしい光を見た」

冷戦下ソ連で秘密裏に行なわれた456回の核実験。意図的に被ばくさせられた人々の叫び、国をあげた反対運動、現在もおよそ120万人以上が苦しむ健康被害――。

セミパラチンスク出身の著者が、閉鎖後の現在も近郊に住民が住む世界唯一の核実験場を見つめたフィールドワーク研究。


1983年、カザフスタン共和国セミパラチンスク市(現セメイ市)に生まれ育ち、2000年から1年間、「ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト」の支援により、山陽女学園高校(広島県廿日市市)に留学した著者アケルケ スルタノヴァ , Akerke SULTANOVA が、「災害の観光者」とならないように聞き記した言葉の数々。
カザフスタン・アルマティ市にあるカイナル大学国際関係学科卒業。在カザフスタン共和国日本大使館、在日カザフスタン大使館での秘書通訳としての勤務し、ほかにNHKスペシャル「核は大地に刻まれていた~“死の灰”消えぬ脅威~」「ノーモア・ヒバクシャ~核兵器のない世界を目指して~」(2009年8月放送)のカザフスタン取材の通訳を務めた。2013年、一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。同博士課程退学。著者が日本語で綴った一橋大学大学院提出の修士論文を書籍化。


1949年の核実験の開始から、「ネバダ・セミパラチンスク」国際的反核運動と当時のカザフ政府により核実験場が閉鎖された1991年まで、「正史」は何を語るのか。
生まれ続ける奇形児、多発する癌、密かに繰り返される中絶や、性的不能を苦にした男性の自殺が横行する現地で、語りえないことは何なのか。
ソ連による秘密裏の核実験、現在まで続く被ばくの影響、国をあげて立ちあがったカザフスタンの人々についてフィールドワークと資料分析の両面から迫る。


「ポリゴン」(核実験場)はカザフ国民の大きな悲劇です。 同じようなことがどこにも繰り返されないことを願っています。
セミパラチンスクが繰り返されないように! チェルノブイリが繰り返されないように! フクシマが繰り返されないように!
(男性、1954年生まれ)


目次
プロローグ──カザフスタンという国を知っていますか?
第1部 セミパラチンスクでのフィールドワークから
第1章 セミパラチンスクにおけるソ連の核実験(1949 ~ 89 年)
第2章 「正史」が語ること、隠すこと
第3章 住民の証言の中の被ばく
第4章 「実験台」としての住民、治療なしの診察・入院
第5章 インタビューを振り返って
第2部 「正史」としてのセミパラチンスク核実験場
第6章 セミパラチンスク核実験場の建設
第7章 実験場閉鎖期およびカザフスタンの独立
第8章 「ネバダ・セミパラチンスク」国際的反核運動
エピローグ──「ザマナイ~時代よ! ~」
付録:先行研究について



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