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原子力規制庁調査結果からは、500年以上はデブリ回収に掛かる [東電核災害の検証]

福島第一東電人工核加害災害より前のセシウム137

米国、旧ソ連等の核兵器保有国が1950年代後半から1960年代前半にかけて大気圏内で行った核実験・核爆発で生成し世界中に沈着蓄積し、日本の気象台・観測所の観測測定値は1㎡当り約5kBq・1000Bq・キロベクレル。(日本列島周辺は世界の中でも特に降下量が多い。チェルノブイリ原発事故由来のセシウム137降下量は約60ベクレル。)316地点の表層土壌試料の分析から、2008年10月1日時点で1㎡当りで2.27±1.73kBqと、ピーク時蓄積量の半分以下に放射性壊変により下がっている。
国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所の研究より

東京電力・セシウムVNlt.jpg

東電福島第一原発核災害による蓄積

2012平成24年の国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の報告書

https://fukushima.jaea.go.jp/fukushima/result/pdf/pdf05/01-04.pdf には、、2012平成24年3月1日時点換算のセシウム137の沈着量・1㎡当りのベクレル量のマップがある。それでは、第一原発付近では300万ベクレル程度とある。大気内核実験の約600倍。この地域は1年間の被ばく線量の合計(積算線量)が20ミリシーベル以上である。

原子炉格納容器上蓋は、1号機は直径約10m、2、3号機は約11mである。上蓋の1枚目と2枚目の間にあるセシウム137は1号機の100兆~200兆ベクレルとされた。それが上蓋全面、約78.5㎡にあるとすると1~2兆ベクレル/㎡、第一原発付近の333,333~66万倍。半減期30.17年を18.34回・553年~36.7回・1106年を越えると、上蓋は第一原発付近現時点の汚染量に近くなる勘定だ。

2号機、3号機はは2桁多い2京~4京ベクレルだから、半減期回数が6.6回、暦年が約200年増える計算になる。


今回、上蓋下層の2枚目と3枚目の間、3枚目と格納容器本体の間は計測されてないか上蓋全体の遅着蓄積量は、より多い。だから、上蓋が第一原発付近現時点の汚染量に近くなる半減期回数、暦年はより大きく長期間かかるだろう。



第一原発付近現時点の汚染量による被曝は、年間で20ミリシーベルト以上。労働安全衛生法、電離放射線障害防止規則(電離則)の第四条では、「労働者(放射線業務従事者)の受ける実効線量が五年間につき百ミリシーベルトを超えず、かつ、一年間につき五十ミリシーベルトを超えないようにしなければならない」となっている。第一原発付近現時点の汚染量に、放射性壊変により下がらなければ、労働者が上蓋を取り上げ、機器を入れる開口部が造る作業労働ができないだろう。それまで550~1300年間は掛ることになる。格納容器の上蓋を除けて開口部を開けてから、約880トンの溶融核燃料(デブリ)の回収作業が始まる。廃炉の完了まで更に時間が掛かる。


その前にネコ型ロボット《ドラえもん》が出来ると期待されるが、希望的観測・妄想思考は止めて、その550年間に起こるであろう原子炉建屋、格納容器が風化・劣化で崩壊する事態に備えることが必要があるのでは。?






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原子力規制庁の東電福島第一原発核災害調査では、溶融核燃料(デブリ)の回収は300年以上無理だ。 [東電核災害の検証]

東電福島第一原発核災害の原子力規制庁の調査では、東電が炉心溶融を起こした1~3号機の原子炉格納容器の上ぶたに、溶融核燃料(デブリ)に匹敵する高濃度の放射性物質が付着している事が判明した。

事故当時、1~3号機にあったと推定・計約70京ベクレルの放射性物質があった。そのうち、キセノンなどの希ガス類、ヨウ素、セシウムなどが環境大気中に推計・約1.5京ベクレル放出された。格納容器内に推定計約68.5京ベクレルが推定計約880トンの溶融核燃料(デブリ)にあるとみられていた。


原子炉格納容器の上ぶた(鉄筋コンクリート製の3層構造)を、ロボットを用いて放射線量を測定した。

 東京電力福島第1原発2号機の原子炉格納容器上ぶた=2018年11月(東電提供)

東京電力福島第1原発2号機の原子炉格納容器上ぶた=0S.jpg


上から1枚目と2枚目の間に、1号機で100兆~200兆ベクレル、2号機は2桁違う2京~4京ベクレル、3号機は3京ベクレルの放射性セシウムが存在する可能性が高いと、東電福島第一原発核災害の原子力規制庁の調査では評価結論付けた。それより下層の2枚目と3枚目の間、3枚目と格納容器本体の間の詳細は分かっていないや付着したメカニズムは評価していない。


更田豊志(ふけた・とよし)原子力規制委員会委員長は「格納容器の底部にいると思っていたデブリが随分高い所(上ぶた)にいると考えてもらっても間違いない。デブリを取りに行く以前に、ふたをどけるところから大問題になる」と、今後の廃炉作業、デブリ撤去に危機感をあらわにしている。


東電は、撤去方法に関し「現場で得られる情報に基づきステップ・バイ・ステップで検討する」とのコメントしているが、無責任な楽観である。調査結果によると、溶融核燃料(デブリ)の撤去回収は上蓋を取り上げ、機器を入れる開口部が300年以上は造れないから無理だ。その間に1~3号機建屋や格納容器はボロボロになるから、それを防ぐ事を先ず考えるべきだ。

「原子力規制庁調査結果から300年以上は開口部が格納容器に開かない」に続ける

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原子力規制庁の東電福島第一原発核災害調査は、非科学? [東電核災害の検証]

東電福島第一原発核災害の原子力規制庁の調査チームの安井正也リーダーは、「1回結論を出しても反証が上がってくるかもしれない。それを恐れずまた新しいデータを集めていく。」といっている。調査チームには、反証が出ることを恐れるところがある。現在の自然科学は、(1)ある理論・仮説が科学的であるか否かの基準として反証可能性を選択した上で、(2)反証可能性を持つ仮説のみが科学的な仮説であり、かつ、(3)厳しい反証テストを耐え抜いた仮説ほど信頼性(強度)が高い、とみなす反証主義(はんしょうしゅぎ、英: Falsificationism)を採っている。だから、反証が出れば、反証テストとなり、より信頼性(強度)が高くなる。それなのに、なぜ歓迎しないのだろう?

 日本の官僚制の「無謬性(むびゅうせい)の原則=ある政策を成功させる責任をを負った当事者の組織は、その政策が失敗した時のことを考えたり議論してはいけない≒間違えるはずがない。」が働いてるのではない。

閑話休題

規制委、規制庁は2013~14年に1、4号機の原子炉建屋など、2、3号機の原子炉建屋を19年に現地調査。

東京電力福島第1原発3号機の原子炉建屋で、損傷した3階の天井からカメラを入れて4階を調べ調査チーム=2020年9月(規制委提供)
東京電力福島第1原発3号機の原子炉建屋でVNlt.jpg
3号機原子炉建屋の3階天井に空いた穴にカメラを付けたさおを差し込み、事故後初めて4階部分をのぞき込んだ。3階天井の太いはりが下方向に曲がっていることなどから4階で水素爆発が発生したと考え、激しい損傷をチームは想定していた。調査チームは、床一面にがれきが散乱しているものの配管や足場などほぼ無傷な画像を見て「壊れてねえな。不思議な感じだ」と戸惑った。福島中央テレビ(福島県郡山市)が設置していたカメラの映像解析の結果、3号機の水素爆発は4階部分で発生した。その爆発で5階の屋根が損傷し、直後に建屋内に残存していた水素を含む可燃性ガスが燃焼。球状の噴煙を伴う上昇気流が、巨大な屋根の破片を上空約200メートルまで噴き上げ「多段階事象」と見られた。それで「水素爆発の圧力波が均等に広がったため、配管などの小さな設備はあまり影響を受けなかった」と考察された。
また、東電が炉心溶融を起こした1~3号機の原子炉格納容器の上ぶたに、溶融核燃料(デブリ)に匹敵する高濃度の放射性物質が付着している事が判明した。
続ける

原子力規制庁の東電福島第一原発核災害調査で、溶融核燃料(デブリ)の回収は300年以上無理だ。に続く

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