等価線量、実効線量<Sv>シーベルト=放射線の単位② [被曝管理]
放射線の単位② 等価線量や実効線量への続き
等価線量、実効線量<Sv> シーベルト
等価線量や実効線量は、放射線防護のために用いられる線量です。放射線による人体への影響は、人体が放射線から同じ吸収線量を受けても、どのような放射線を体のどの部分に受けたかで違ってきます。これらの線量は、より正確に組織や臓器あるいは全身の被ばく量を評価できるよう国際放射線防護委員会(ICRP)の1990平成2年に勧告され、わが国でも2001平成13年4月1日施行の現法令に取り入れられました。
等価線量(equivalent dose・イクゥイヴァラァントゥ ドォゥス)は、放射線を受けた組織・臓器ごとに、放射線の種類やエネルギーを考虜した上で算出された線量です。吸収線量(Gy)に放射線の種類毎に定められた放射線荷重係数(WR;radiation weighting factor)を乗じたもの。組織や臓器の確定的影響(※1)を評価するために用いられます。
放射線 R の臓器 Tへの等価線量 [Sv]・ HT
= (臓器 T の平均吸収線量 [Gy]) DT × (放射線 R の放射線加重係数) WR
= (臓器 T の平均吸収線量 [Gy]) DT × (放射線 R の放射線加重係数) WR
※1 確定的影響(Deterministic Effect/ディィタァーミィニィスティィク イフェクトゥ)・・・被ばく線量に応じて誰でも一人残らず発症する影響。皮膚の紅斑、脱毛、白血球の減少など、放射線による急性障害のすべてと、晩発性障害のうちの白内障。被曝線量の増加とともに生体影響の重篤度が増大する。
以前用いられていた線量当量は、放射線の種類のみが考虜され、組織や臓器のある一点で規定されていました。これに対し、等価線量は、組織・臓器全体にわたって平均したものと定義されている。