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3.11前の原子力防災体制論ー高田純氏を引き合いに 弐のオマケ [核のガバナンス]

核災害の多くの事例は軍事的であって、その情報は機密事項となってきた。

米国や旧ソ連などの核兵器保有国の一部の限られた科学者は、よく知っている。筆者は非核兵器保有国のなかの例外的な存在である。(フ~ン[波])さて核災害の原因としては,核兵器の使用,核爆発の産業利用,原子炉事故,核廃棄物の環境への投棄が主である(※3)高田純:世界の放射線被曝地調査,講談社ブルーバックス(2002)


世界の放射線被曝地調査320_.jpgその2002年版の謳い文句は【「70年は草木も生えない」と言われた原爆被爆地・広島、長崎は、みごとに復活した。では、20世紀後半、冷戦下の核兵器開発競争のために延べ2400回以上の核爆発実験が行われた実験場など、世界各地の核災害地周辺の核汚染と住民の放射線被曝はどれほどのものだったのだろうか?そして、その現状は?】【米国の水爆実験の舞台となった南太平洋の島々から旧ソ連の核兵器実験場カザフスタンや、シベリアの核爆発地点周辺、原爆用プルトニウム製造所からの廃棄物汚染などのあった南ウラル、世界を震撼させた原子力発電所事故のチェルノブイリ、さらには臨界事故の東海村まで、自ら測定してまわった迫真の報告書。】とあり【著書は、広島大学原爆放射能医学研究所の研究者である。】と内容に裏書きを付けている。  http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000194320
【書籍に掲載されている著者の紹介情報】では【弘前大学理学部物理学科卒。広島大学大学院理学研究科博士課程前期(原子核物理実験)修了、同課程後期中退。理学博士。1995年より広島大学原爆放射能医学研究所国際放射線情報センター助教授。緊急被ばく医療地域フォーラム講師などを兼務。専門分野は、被曝線量評価、放射線防護、環境放射線。】とある。
放射線の被曝量の評価の専門家、実験物理の修了だからこの計器でこうやって測定する方面の問題を扱う専門家である。そして放射線被曝を避ける、量を減らす防護を扱っている。放射線を浴びた被曝した人間ホモサピエンスや動植物に起こる影響の評価は専門外で素人である。医学研究所に勤めているので、人間ホモサピエンスに起こる影響を研究する同僚から聞く、耳学問は積んでいるだろうが、彼、高田氏の素人論議である。
この本の
●第2部 調査の現場から
第1章 マヤーク・プルトニウム製造企業体周辺での核災害
第2章 旧ソ連邦での核兵器実験による周辺住民の被曝
第3章 南太平洋における米国の水爆実験
第4章 シベリアにおける核爆発の産業利用
第5章 チェルノブイリ事故
第6章 東海村臨界事故
の各地の被曝線量を扱った部分は信頼できるだろう。健康被害、人間ホモサピエンスに起きた影響、その現状を扱った部分の高田氏の独自見解は、素人の床屋談義と先ずは評価しておく。
増補版L.jpgこの本は、2016年に医療科学社から増補版がでている。159頁から「第Ⅲ部 補章 21 世紀初頭に行った調査」が増補。「補章1 第五福竜丸事件の真相」は第2部の第3章 太平洋における米国の水爆実験に「21世紀初頭に行った調査」が補遺されたのだろう。それは〔/甲状腺線量 ロンゲラップは福島の千倍/島民たちのストロンチウム検査〕なのだろう。フクシマ核災害での住民らの甲状腺線量は確定値は無いが定説だが、氏にはあるのだろうか??。島民たちのストロンチウム検査の方法や結果が注目される。
「補章2 タリム盆地での未曾有の核爆発災害」では、〔1996 年まで継続した中国共産党の危険な核爆発〕と頭書きされ、中国・中華人民共和国の1996 年までに行った23回の大気内核実験を扱っている。中華人民共和国は1949年に建国、1971年には国連安全保障理事会常任理事国となった。中国共産党は政党であり、被曝線量評価専門家として書く文には適切ではない。後で触れるが、高田氏は社会的に適切に扱うことができないようだ。
〔東トルキスタンにおける健康被害〕と医者ではない高田氏が述べる内容は、単なる噂話なのだろうか。
「補章3 低線量だった福島第一原子力発電所の軽水炉事象」と、講談社ブルーバックスが2002年に刊行されてから、2011年に起きた福島第一核災害を「軽水炉事象」と位置付けて扱っている。最後に〔実線量調査では、浪江町末の森さえ帰還できる
〕とあるが、氏は健康被害、人間ホモサピエンスに起きた影響については非専門家であり〔帰還できる
〕との高田氏の独自見解は【素人の床屋談義】を越えているのだろうか。?

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