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『ネアンデルタール人は核の夢を見るか~高レベル放射性廃棄物の行方~』北海道放送ー参 [使用済核燃料、再処理、廃棄]

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いわゆる「核ゴミ」の処分場として、日本の国土の中では唯一、南鳥島が安定した場所である

南鳥島の特徴    尾池和夫      (京都の地球科学(304/305)より ) 
続き
2016年12月25日のNHKニュースで、放射性廃棄物を地下5000mで処分することを南鳥島で調査研究を海洋研究開発機構(JAMSTEC)が検討しているというニュースがあった。国は地下300メートルより深い安定した地層に処分する地層処分と呼ばれる計画で候補地を探す作業が続けられている。海洋研究開発機構が、この計画とは異なる深さ5000メートル規模の地下に処分する、新たな技術の可能性を探る基礎的な調査研究を検討している、「これについて、国の原子力委員会の元委員で、核のごみの問題に詳しい長崎大学の鈴木達治郎教授は『技術的に確立しておらず、すぐに議論ができるレベルではないが、将来的な選択肢を広げる基礎研究として意味があるのではないか』」という報道だった。
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この島は白亜紀から新生代初期、今から一億年前から数千万年前のマグマ活動の火山活動で生まれたがマグマの活動は終わっている。世界で最も安定した海洋プレート上にある日本唯一の国土である。
 念のために地球内部からの熱流量は実測しておくことが必要である。海底から、あるいは島の地上からのボーリングによる実測によって地温勾配を測り、物性を測って、熱流量を実測し、地下のマグマ活動の状態を知るべきである。
 阪神淡路大震災の後に大きく進んだ地震計による日本列島の観測網は、とくに陸域の浅い地震はマグニチュード0や1.0の地震も見逃すことなく検知している。この地震計観測網によって海域の地震もマグニチュードのある程度大きなものは見逃さずに検知している。それで、伊豆ー小笠原の北緯三〇度付近の浅い地震では、マグニチュード3程度までは検知できている。南鳥島付近では地震がまったく起こっていないとわかっている。火山の噴火、活断層の活動による地震の発生、地すべりなどがないことがわかっている。これらの直下に起こる現象による災害は発生しない。ただし、太平洋が沈み込んでいる海溝で発生する大規模地震で津波が起こると、それが海を伝わって南鳥島にも到達するから、その予測と対策はもちろん必要である.
太平洋プレートを、そこに在る島を処理場として選ぶことは、大地の安定という条件から見て、変動帯の日本列島を国土とする日本国にとって、唯一の期待できる選択であることはまちがいない。また、一般の市民がいない島であって、政界の誘致運動などから距離を置くことができることも重要な点である。

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