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謎解き・06 『廃炉』を出版する意味合いは? [東電核災害の検証]

廃炉ー「敗北の現場」で働く誇り=稲泉 連 /著
表紙IMG_20210724_154346.jpgこの『廃炉』のp246には== 「廃炉のゴール」について、国や東電が具体的な姿をはっきりと提示したことはない。日本原子力学会が2020年7月に「仝撤去」や「部分撤去」などのケースを検討する報告書を発表しているが、末だ全容か不明の「デブリ」の取り心しが実現可能なのかという問題も含め、この「廃炉という仕事」は今もなお、その最終的な目標が曖昧なまま堆められているわけである。==とあり、《最終的な目標が曖昧なまま堆められている》と批判している。

 それで同ページの==多くの人が思い浮かべるのは、事故を起こした福島第一原子力発電所の構内が更地となり、広大な「グリーンフィールド」となる未来ではないだろうか。実際に本書で取材をした人々も、そのようなイメージを以て「廃炉」を語っていた。==と稲泉さんが提示する《構内が更地となり、広大な「グリーンフィールド」となる》を廃炉として、検討してみた。

検討には、原子力規制委員会の≪事故の分析に係る検討会・2021令和3年01月26日18回≫の公表資料を使った。この報告書の件は、朝日新聞の桑原紀彦記者が「福島第一、高濃度の汚染部分が判明 廃炉工程見直しか」と題して2020年12月29日に公表している。
その公表資料は、炉心溶融が起きた1~3号機の原子炉格納容器の上ぶたの頂部カバーに、溶融核燃料(デブリ)に匹敵する高濃度、1000兆・テラbqベクレル単位の放射性物質・セシウム137が付着している事実から出発している。これを使った検討の過程は謎解き・02~05をご覧あれ。
結果は、p247にある〈 TEPCO  WILL LAST FOR 1000 YEARS 〉の赤い落書きが示すように、廃炉作業は千年経っても終わらないとなった。
この稲泉連さんの『廃炉』は、最後まで《最終的な廃炉が曖昧なまま》書き堆められている。「単行本化に当たっては新たな取材と大幅な加筆を行った。」そのあとに、2021年1月にあとがきは書かれている。朝日新聞の桑原紀彦記者の記事は、目に留まらなかったようだ。この記事は「開口部は、作業のため格納容器や圧力容器の内部にアクセスする主要なルートの一つ。廃炉の最難関工程とされる溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しでも、2022年以降に延期された試験的取り出しを終えた後の本格段階での活用が検討されている。」「規制委の更田豊志委員長は・・、高濃度汚染を撤去する作業は、どんな工法を選んでも極めて難しくなるとの見解を示した」「廃炉工程が見直しを迫られる可能性もある。」とある。
稲泉連さんの意見を聞きたい。
このままでは新潮社の本『廃炉』は、==国と東京電力は2011年12月に初めて「中長期ロードマップ」を公表・・十年以内に溶け落ちた燃科の取り出しを開始し、三十年から四十年後を「原子炉施設解体」の終了の時期の目標==という空想的妄想的な廃炉の考えを、広報・宣伝する本である。 九電力、原電などの買い上げで、新潮社は商売できる。

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謎解き・05 地震に備える必要 [東電核災害の検証]

発災後に、政府の地震調査委員会は2011年11月24日、津波堆積物の調査結果を生かして、紀元前4 - 3世紀頃、4 - 5世紀頃、869年の貞観地震、15世紀頃、今回の2011年地震、合わせて都合5回、三陸から房総にかけて約600年周期で海溝型地震が発生していると認定し、次回の地震規模はマグニチュード (Mw) 8.3 - 9.0と予想している。2012年2月19日の読売新聞ー9881cd06-s.jpg だから、1000年以上かかるとなると、約600年周期で海溝型地震、マグニチュード (Mw) 8.3 - 9.0 があるだろう。浪江町設立の慰霊碑に「私達は、災害は再び必ずやってくることを忘れてはならない。P249」とあるように。
 それで、3.11のような津波があり、それに備えることにとなる。
 左図を見れば、日本原子力発電の東海第二発電所、東北電力の女川原発のように、想定津波高より高い防波堤を築けば良い。
 その土木技術は既存で、工事に直ぐ取り掛かれる。だから、先ず防波堤構築する。
 その上で、格納容器の横位置の配管から光ファイバーを挿し入れ、格納容器の内部を2670年頃まで見る。

それから、格納容器の上部からデブリを採り出すことになる。
赤い落書き〈 TEPCO  WILL LAST FOR 1000 YEARS 〉は廃炉作業は千年経っても終わらないという意味だろう。

続く


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謎解き・04.5 セシウム137の存在量が50万分の1以下に減衰してからだ [東電核災害の検証]

原子力規制委の3月公表の「調査・分析に係る中間取りまとめ」 を見付け出した。




報道記事2020年12月29日の桑原紀彦記者・朝日新聞 などから覚え書き
上から1枚目の頂部カバーと2枚目の中間カバーと間に、2~4×1000兆・テラbq-ベクレル存在する2号機の、その部分の線量を周辺の線量の測定値から推定すると、毎時10シーベルトを超えるレベルになる。
その線量は、1時間もそばにいれば人は死に至る。
 
労働安全衛生法、電離放射線障害防止規則(電離則)の第四条では、「労働者(放射線業務従事者)の受ける実効線量が五年間につき百ミリシーベルトを超えず、かつ、一年間につき五十ミリシーベルトを超えないようにしなければならない」となっている。50÷300日÷8時間≒0.02
毎時0.02ミリシーベルト=0.00002シーベルトとなれば、上蓋を外して、開ける作業をする事が出来るだろう。
東京電力福)--p166&167-02.jpg

現在は毎時10シーベルト超えだから、毎時0.02ミリシーベルトは50万分の1以下である。
それには、放射線を出すセシウム137の存在量が50万分の1以下に減衰すれば良い。
半減期を18回で26万2144分の1、19回で52万16384分の1になる。セシウム137の半減期30.17年だから、30.17×19=527.23年。2021+527≒2549年頃になればセシウムが減衰し線量が減り、格納容器の上蓋の頂部カバーを外す作業をする事が出来るだろうね。
それから、2層目の中間カーバー、下層の底部カバーの汚染量を計測することになる。それらの隙間で大量に残留し、隙間を通り抜けてた残りのセシウム137が、上蓋の頂部カバーに残留していた。中間カーバー、底部カバーに残留付着したセシウム137量は、上蓋の頂部カバーの残留量より多いだろうから、その部分の線量も高いレベルになるだろう。
その線量レベルは、毎時0.02ミリシーベルトの何倍だろうか。仮に、仮に中間カーバーで4倍、底部カバーは4×4としよう。中間カーバーで放射線を出すセシウム137の存在量が4分の1に減衰すれば良いから、2半減期・60.34年後の2608年には毎時0.02ミリシーベルトになり、上蓋の中間カバーを外す作業を出来るだろう。作業終了後にさらに、2半減期・60.34年後の2670年頃に底部カバーを外す作業ができ、上蓋部分が開くだろうカナ。毎時0.02ミリシーベルトに下がるまで、待たなければならない。
毎時0.02ミリシーベルトならば、上蓋を外して、開ける作業をする事が出来るだろう。それから、それから、開けた上部からデブリを採り出すことになる。1~3号機には計約880トンのデブリがある。3.11発災当時に、デブリにあったと推定される約68.5×1000兆・テラbqの放射能は、どれ位に減衰しているのだろうか。
原子炉格納容器内-3-3-3--p4縮.jpg
上のデブリ画像は格納容器の横位置の配管から挿し入れた光ファイバーでとらえたものだ。上の開口部から採りだせる位置に、880トンの内の何トン位あるだろうか。横から何トン採りだせるだろうか。すべて取り出し終えるのは、何時だろう。そして、採り出したデブリは、敷地外の何処に持っていくのだろう?何年かかる?

廃炉は『、事故を起こした福島第一原子力発電所の構内が更地となり、広大な「グリーンフィールド」となる未来ではないだろうか。実際に本書で取材をした人々も、そのようなイメージを以て「廃炉」を語っていた。』(P246)とすれば、「グリーンフィールド」の更地となるのは1000年以上後になるのでは?
 
赤い落書き〈 TEPCO  WILL LAST FOR 1000 YEARS 〉は廃炉作業は千年経っても終わらないという意味だろう。
 
422年以降の後、1000年以上かかるとなると、地震に備える必要性が高くなる。
続ける

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謎解き・02〈 TEPCO WILL LAST FOR 1000 YEARS 〉の落書きは廃炉作業は千年経っても終わらないという意味なのか?  [東電核災害の検証]

報道記事2021/3/25の広江滋規記者・共同通信などから覚え書き
原子炉格納容器上蓋は、1号機は直径約10m(約79㎡)、2、3号機は約11m(約95㎡)で、鉄筋コンクリート製の3層構造。
100100_2.jpg

現場でロボットを用いて放射線量を測定した。
その結果などから、原子力規制委員会が2021年3月公表調査報告書には、
放射性セシウムが
上から1枚目と2枚目の間に、1号機で100兆~200兆・テラ・bqベクレル、
2号機は2~4×1000兆・テラbqと20~40倍多く
3号機は3×1000兆・テラbqと15~30倍多く
存在する可能性が高いと結論付けてる。
それより下層の2枚目と3枚目の間に存在する量の詳細や
付着したメカニズムは分かっていない。
セシウム137の半減期30.17年。
60.34年後に1/2×1/2=1/4
90.51年後に1/2×1/2×1/2=1/8
120.68年後に1/2×1/2×1/2×1/2=1/16
150.85年後に1/2×1/2×1/2×1/2×1/2=1/32
だから、151年後に2号機、3号機の上蓋の1枚目と2枚目の間にある放射性セシウム137が、
現在2021年の1号機と同じ位になると見込める。
さて、上蓋を外して、開ける作業をするには、幾つ位を目指すべきだろうか。?


それから、開けた上部からデブリを採り出すことになる。
ufo0000.jpg
続く

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