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『ネアンデルタール人は核の夢を見るか~高レベル放射性廃棄物の行方~』北海道放送ー弐 [使用済核燃料、再処理、廃棄]

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いわゆる「核ゴミ」の処分場として、日本の国土の中では唯一、南鳥島が安定した場所である

南鳥島の特徴    尾池和夫   
(京都の地球科学(304/305)より http://catfish-kazu.la.coocan.jp/himindex.html )
いわゆる「核ゴミ」の処分場として、日本の国土の中では唯一、日本最東端の東京都小笠原村の南鳥島が安定した場所である。そこしか「核ゴミ」の処分に適している場所はないであろうと私、尾池和夫は考えている。
国際的に、放射性廃棄物の地層処分で検討条件は地下300m・メートルより深いという条件である。海洋研究開発機構(国立研究開発法人、JAMSTEC ジャムステック)によって南鳥島地下5000mでの処分が検討されている。多くの地球科学の研究者は、地層処分に適した安定した大地が日本列島に「広く存在する」とは、科学者は思っていない。国土の中でたった一か所、南鳥島に安定した大地があるという認識が、海洋研究開発機構(JAMSTEC ジャムステック)の考え方の基本となる。
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 南鳥島には施設を持つ海上自衛隊と気象庁の職員のみが上陸可能であり、それ以外は工事関係者などに限って特別な許可のもとに上陸する。
 南鳥島の本州から約1800km離れた坂本崎(北緯24度16分59秒、東経153度59分12秒)は日本最東端で、島の気象は熱帯気候と亜熱帯気候の推移帯の気象で、行政上は東京都小笠原村に属している。
 この南鳥島は海洋プレートの太平洋プレートに、地球表面に沿って延々と移動して来た海底に載っている島である。白亜紀から新生代初期の、今から一億年前から数千万年前のマグマ活動で太平洋プレートに生まれた火山であるが、マグマの活動はすでに終わっている。
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 今の南北アメリカ大陸に近いタヒチ近くの海嶺で生まれた太平洋プレートは、マントル対流で海嶺に上昇してきた物質から成り、地球の表面に沿って海嶺から両側・東西にゆっくりと水平移動しながら冷却され、厚さを増して冷たく重い硬い岩の板=岩盤になる。西の方向には年間10cmセンチメートルはど移動して来た太平洋プレートの端は日本列島の下に沈み込み、マントルにもぐり込んで、沈み込んで消滅する。南鳥島の今の位置は、太平洋プレートが生まれて約一億五千万年経過している場所で、十分冷えていると同時に100km以上の厚い玄武岩質の岩板となっている。
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 太平洋プレートの移動とともに、プレートが重くなって沈んで行くから、島も海中に徐々に徐々に沈んで行く。そして、その玄武岩質の岩板上に珊瑚礁が発達し、火山体の上にしだいに厚く表層の石灰岩の地層を形成した。今、1~1.5kmの厚さの石灰岩の層となっている。そして島は、裾野の直径約50kmで海底からの比高約5000mという独立した島の形となっている。
 今後も太平洋プレートとともに移動して、フィリピン海プレートの下へ沈み込む。現在の南鳥島の位置から、太平洋プレートがもぐり込む伊豆小笠原海溝から約1000kmある。太平洋プレートの移動は年間10cmセンチメートル=0.1mの移動は、急に変わることがないであろうから、南鳥島が海溝からもぐり込むのは約100万年後である。それから、やがて日本列島の下に沈み込んで消滅する。
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続く

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