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深海に失われた3隻の原潜、汚染水の太平洋放出に関連して [核のガバナンス・パブコメ]

原潜原子力大国ロシア 位置LL.jpg
旧ソ連の潜水艦K-278「コムソモレツ」は船内火災で、1989年4月7日、ノルウェー海のビュルネイ島から180キロの地点で、水深1680メートルのところに沈没した。潜水艦の搭乗員69人のうち、42人が死亡した。潜水艦K-278「コムソモレツ」には、原子炉にウラン235と核分裂生成物が160 kg、搭載していた2本の核魚雷の核弾頭のプルトニウム12kgがあった。その漏洩・漏出が問題である。
ノルウェー海洋研究所(IMR)が1990年代から監視をしている。2019年に無人潜水機(ROV)を使った行った。調査には、ロシアの当局者も加わった。
その原子炉区画の換気管口から、ちりの雲が艦の上を漂う映像をノルウェー海洋研究所は公開した。換気管からサンプルを採取している。
採取されたサンプルから、通常の約80万倍過剰な、800 Bq/Lが記録された。通常、ノルウェー海の放射能レベルは1リットルあたり0.001ベクレル。
このサンプルが採取された換気管から数メートル上で採取した海水からは、1リットルあたり100ベクレルほど、100Bq/Lの放射性セシウムが検出された。放射能は北極海の海水によって薄まるのだろう。
当局は、付近に魚などはほとんど生息しておらないことから「警戒が必要なレベルではない」としている。沈没地点のノルウェー海北部は、有数の好漁場である。
この​旧ソ連の原子力潜水艦に先立って、米国海軍の原潜も失われている。
1963年4月10日にはアメリカの原子力潜水艦「スレッシャー」(Thresher, SSN-593)がボストン沖で、深海潜行試験の時に9時頃から行方不明になる。翌日、アメリカ海軍が、沈没・乗組員全員死亡と発表。  後日の大規模な水中探索の結果、スレッシャーの残骸は8,400フィート(2,560m)の深海で大きく6つの部分・司令塔、ソナードーム、艦首、機関部、作戦室区画、艦尾に分かれて発見された。
艦が1秒以内に内側へ潰れる圧壊している。破断した箇所から噴出した高圧の海水は、多数の電気パネルのうちどれかをショートさせ原子炉を緊急停止させたと推測されているが。艦搭載の加圧水炉が停止している確証はない。また、核魚雷の搭載は明らかにされてない。米海軍の軍原子力艦船の環境に対する影響を報告する公式年次文書では、環境に対し重大な影響は報告されていない。
1968年5月21日に原子力潜水艦「スコーピオン」 (Scorpion, SSN-589) が消息を絶った。地中海でのNATO演習参加し後、母港の米国東部のバージニア州南東部のノーフォーク海軍基地に大西洋を渡って帰投中だった。後日、10月28日に、ポルトガル沖南東に約1000kmのアゾレス諸島付近の深度約4,000mの海底に圧壊した船体の一部・船首部分が発見された。原子炉機関部は発見されていない。スクラム・緊急停止の有無は不明。攻撃型原潜だから核魚雷や核機雷の搭載が考えられるが、米国海軍は明らかにしていない。

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