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防災ー中長期的避難、移住 ブログトップ
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2015 「子ども被災者支援法の基本方針の改定案」のパブコメ草案①  [防災ー中長期的避難、移住]

子ども被災者支援法の基本方針の改定案のパブコメが2015年平成27年8月8日締切で行われている。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=295150710&Mode=0

パブコメ草案
今回の”改定案”は「支援対象地域は、線量が発災時と比べ大幅に低減し、避難する状況にはない」としている。
《1》3ページ目9行目から16行目、26行目から31行目を削除すること

 それの根拠は、3頁の9行目から16行目に①原子力規制庁が実施している航空機モニタリング結果に基づき推計した外部被ばく線量、②各市町村で実施している個人被ばく線量の測定結果、③、福島県が実施しているホールボディ・カウンタ検査、厚生労働省等が実施している食品検査等の結果と記載されている。
個人線量計
 しかし②の個人線量計ガラスバッジによる測定は原発事故後の被ばく状況に対し体幹による遮へい効果が懸念される。ガラスバッジは本来被曝労働で用いる機器である。放射線源が身体の前面に有る場合が多いので、背側の線源からの放射線が自分の身体で遮蔽されることを前提として、過小評価にならないよう補正(増した)した「測定値」を読み取るとガラスバッチ製造会社は問い合わせに答えている。
 福島で生活する大人や子どもが受けている被ばくは、元々の線源が身体の前面に限らず全方位的にあるので、その測定値の値そのままでは過小評価となる。身体の遮蔽効果により3,4割低くなると云われている。被曝労働と同様に読み取りでは補正する必要がある。被曝労働に携わる労働者は成人で、体幹による遮へい効果も一定の範囲に収まり補正もしやすい。福島でガラスバッジを装着する大人や子どもの体格は様々であり、体幹による遮へい効果はバラバラである。特に子供はそうで、ガラスバッジの値は過小評価となる。
 また、ガラスバッジを装着する人たちは教育・訓練を受けていないし、日常生活における測定である。例えば車内に置きっ放しや、屋外遊びや体育の授業の際にランドセルに入れっぱなしなどしている。信頼性は低く過小評価のおそれが高い。そのため基準値や施策上の基本方針を策定する際の評価指標としては用いることはできない。各市町村で実施している個人被ばく線量の測定結果を支援対象地域の判断で用いることは、科学的な基本認識に誤りがある。
航空機モニタリング結果

①の航空機モニタリング結果は参考データでは「0歳児から3歳児までを想定する個人線量への変換係数0.85、木造建物の屋内16時間のケースを適用した場合の年間個人線量推定」が示されている。

、一般公衆の外部被ばく線量の評価においては様々な年齢、体格、晩発性障害等に対する放射線感受性を有する個人を考慮する必要がある。様々な被ばく状況や行動様式生活スタイルを有する個々人の集団に一律「変換係数0.85、木造建物の屋内16時間」な変換係数を用いて公衆と扱うことはできない。

そのため現行法規である「電離放射線障害防止規則」や「放射線を放出する同位元素の数量等を定める件」等に準じて、一センチメートル線量当量を用いること。すなわち実効線量係数等、シミュレーション上の低減係数、を用いずにサーベイメータ等の読み取り値そのものを外部被ばくとして評価することが最も適切な航空機モニタリング結果の活用になる。特にこの際、建物による遮へい等についても「発電量軽水炉型原子炉施設周辺の線量目標値に対する評価指針」等のガイドラインに準じ、様々な被ばく状況や行動様式を有する公衆に対しては低減係数を用いないことを銘記しておく。

「参考データ」の第9次航空機モニタリングの測定結果によれば平成26年度現在福島県内の浜通りや中通りの広範な地域で年間追加被ばく1mSvを超過している。参考データは実効線量係数や建物による遮へいを考慮した図であるがこれらを考慮しない本来の外部被ばく線量で評価すればより広範な地域が年間追加被ばく1mSvを超えていることになる。3頁26行目から31行目の記述は、これを無視している。このような汚染の現実を直視すれば、事故後4年余りが経過した現在も福島県内の避難指示区域以外、および近隣県の広範な地域からの避難が必要な状況であり、改定案には科学的な基本認識に誤りがある。

続く

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2015 「子ども被災者支援法の基本方針の改定案」のパブコメ 準備体操めも [防災ー中長期的避難、移住]

子ども被災者支援法の基本方針の改定案のパブコメが2015年平成27年8月8日締切で行われている。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=295150710&Mode=0

支援対象地域について変更
・支援対象地域は、線量が発災時と比べ大幅に低減し、避難する状況にはないことを明記。(現行方針ではない)
重要 支援対象地域の見直しについて〔平成26年12月26日〕
=引き続き、福島県中通り及び浜通りの市町村(避難指示区域等を除く。)とする=

http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/141226_shientaisyochiikiminaoshi.pdf

(参考)支援対象地域に関する原子力規制庁の見解 [平成27年6月25日]
=現在、避難する必要性のある状況ではない。=

 http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/sub-cat8-1/150625_kiseicho_kenkai.pdf

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自主避難者等への支援に関する関係省庁会議

子ども被災者支援法関連の法的制度

法の条文_東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律(平成24年法律第48号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H24/H24HO048.html

法の概要_東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律(平成24年法律第48号)
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/20120627hougaiyou.pdf

被災者生活支援等施策の推進に関する基本的方針(本文)
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/20131011honbun.pdf

被災者生活支援等施策の推進に関する基本的方針(概要)
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/20131011gaiyou.pdf

被災者生活支援等施策の推進に関する基本的方針の改定等について 詳細は下部※
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/sub-cat8-1/20130830193010.html

「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的方針」施策とりまとめ
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/20131011ichiran.pdf

子ども被災者支援法関連施策について(平成27年度)
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/kodomoH27yosan.pdf

パブリックコメント結果の公表[平成25年10月11日] 
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/sub-cat8-1/20131010195834.html

支援対象地域の見直しについて〔平成26年12月26日〕
、引き続き、福島県中通り及び浜通りの市町村(避 難指示区域等を除く。)とする
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/141226_shientaisyochiikiminaoshi.pdf

 原発事故による母子避難者等に対する高速道路の無料措置 
http://www.reconstruction.go.jp/topics/25412.html
「子ども被災者支援法」に基づく支援対象避難者の公営住宅への入居 
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/201409_kodomo_sien.html

自主避難者等への支援に関する関係省庁会議 詳しく下部◎
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/20141107163901.html

【参考】原子力災害による被災者支援施策パッケージ[平成25年3月15日]
http://www.reconstruction.go.jp/topics/post_174.html
※ 基本的方針の改定等について 詳細
「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」に対する意見募集について[平成25年8月30日~9月23日まで](延長)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=295130830&Mode=0
   平成25年9月11日付で意見募集期間を15日間(9月13日まで)から25日間(9月23日まで)に延長しました。

被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)の説明会の開催について(開催案内)[平成25年9月4日]
 http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/sub-cat8-1/20130904152914.html

被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)の説明会(東京)の開催について(開催案内)[平成25年9月6日]
 http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/sub-cat8-1/20130906094452.html

「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針」(案)に対するパブリックコメント結果の公表について[平成25年10月11日]
 http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/sub-cat8-1/20131010195834.html

被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針の改定(案)の説明会(東京)の開催について(開催案内)[平成27年7月10日]
 http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/sub-cat8-1/20150709112723.html

被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針の改定(案)の説明会(福島)の開催について(開催案内)[平成27年7月10日]
 http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/sub-cat8-1/20150709115618.html

(参考)支援対象地域に関する原子力規制庁の見解 [平成27年6月25日]
 http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/sub-cat8-1/150625_kiseicho_kenkai.pdf
◎ 自主避難者等への支援に関する関係省庁会議 詳しく
【平成27年度】
☆ 第1回 (平成27年6月19日)
議事次第
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/20150619_gijishidai.pdf
【平成26年度】
☆ 第4回 (平成26年12月17日)
議事次第
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/20141217_gijishidai.pdf
☆ 第3回 (平成26年11月13日)
議事次第
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/20141113_gijishidai.pdf
☆ 第2回 (平成26年9月25日)
議事次第
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/20140925_shidai2.pdf
☆ 第1回 (平成26年6月2日)
議事次第
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/20140602_gijisidai1.pdf

新潟県独自の放射性物質の拡散シミュレーションへの要望 6/7 追記 規制委は、ハザードマップ試算結果を全て示せ [防災ー中長期的避難、移住]

県独自の放射性物質の拡散シミュレーション 技術委員会検証に関する質問・意見6/6
新潟県は、「注水できず格納容器が破損しフィルタベント設備を通さずに放出されるケース」についても、放射性物質の拡散シミュレーションを実施すると2014年6月6日に広報しました。
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東京電力は3月24日、5月22日の新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会で、消防ポンプなど能動系の冷却装置が全て使用不能な場合は、メルトスルーする。メルトスルーから2時間ほどで格納容器が過温破損すると明言しました。県がその状況での拡散シミュレーションを実施し、原子力防災に活用するのは、県民防護から当然の措置です。

そのシミュレーションで2点、要望いたします。
(1) ソースタームを柏崎刈羽原発6、7号機で、東電核災害並の放出比率にしてください。
(2) 周辺環境に沈着した核種による外部被ばく(グラウンドシャイン)の線量を中長期対策のために、中長期間で出してください。
詳細・趣旨
2種の拡散シミュレーションを原子力規制委員会は公表しています。5月28日付の「緊急時の被ばく線量及び防護措置の効果の試算について」(以下では5/28試算)と平成24年11月30日付の第2回原子力災害事前対策等に関する検討チーム 資料(1)「レベル3PSA手法による防護措置の被ばく低減効果の分析」(以下では11/30試算)です。その「防護措置をしない」「対策なし」の場合が県が【参考】実施としている拡散シミュレーションに相当します。
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/h26fy/data/0009_03.pdf
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/pre_taisaku/data/0002_01.pdf
(1)ソースタームについて
(1a)柏崎刈羽原発6、7号機の電力の出力は135.6万kW。5/28試算は80万kW、11/30試算は110万kWと小さい設定です。これは、放射能の運転停止時の炉心内蔵量がそれだけ違うのです。5/28試算は約40%も小さく、この試算結果の実用性をないものにしています。新潟県の拡散シミュレーションでは、柏崎刈羽原発6、7号機の135.6万kWを設定してください。

(1b) 運転停止時の炉心内蔵量運転停止時の炉心内蔵量に対する放出割合、揮発しやすいヨウ素、セシウム類の割合は、東電核災害並の放出比率に比べて11/30試算は小さく、5/28試算は過小です。発災直後の外部被曝線源の大半を占める希ガス類は、100%で良いと思います。希ガスは、東電核災害でも100%近いですし、フィルター等で取り除けないので100%放出が妥当な設定です。

 ヨウ素はブルームからの外部被曝、呼吸摂取での内部被曝、周辺環境中に沈着して外部被ばく(グラウンドシャイン)の線源になる核種です。東電核災害では百分の6.7(2号機)、千分の6.6(1号機)、千分の3.0(3号機)です。(政府の平成23年6月のIAEA閣僚会議への報告書に記載の割合)11/30試算は百分の3.1と小さく、5/28試算は一万分の2.9と桁違いな過小な設定です。11/30試算の甲状腺の被曝線量の評価(11頁)と5/28試算のそれを較べると全く違います。30km地点では60倍位違います。甲状腺の被曝線量、特に呼吸摂取での内部被曝の線量が百分の1ほどに過小評価している恐れがある。5/28試算は信頼性も乏しい。

 セシウムの放出割合も東電核災害では百分の5.8(2号機)、千分の2.9(1号機)、千分の2.7(3号機)です。11/30試算は百分の2.8と小さく、5/28試算は一万分の3.0と桁違いな過小な設定です。
 新潟県の拡散シミュレーションは県民が信頼できるように、東電核災害並の放出比率、ヨウ素で百分の6.7(2号機)、セシウム類で百分の5.8(2号機)で設定して行ってください。
(2)周辺環境に沈着した核種による外部被ばく(グラウンドシャイン)の線量について
中長期の原子力防災では、その期間の被曝線量の見積もり予想が欠かせません。中長期の被曝の経路は、周辺環境に沈着した核種による外部被ばく(グラウンドシャイン)、食物、水などの経口摂取による内部被曝、呼吸による摂取など経路があります。このうちグラウンドシャインの値は、核種の崩壊による推移を考慮すると見積もり予想が出せます。これは、セシウムを捕獲しその汚染を減らすフィルタベント設備の効果を中長期に検討するためにも必要です。
 11/30試算、5/28試算では「沈着核種による外部被ばく」を発災から1週間の期間だけシミュレーションしています。新潟県の拡散シミュレーションでは、発災から1年目までの1年間、2年目の1年間、3年目と中長期的に妥当な期間でシミュレーションして、各年ごとにグラウンドシャインの被曝線量を出して公表してください。
 居住や職場の地域が、柏崎刈羽原発で過酷事故が起きた場合には長期避難や移転などを覚悟しなければならないのか否かは、県民にとって重要な情報です。市町村が中長期的な対策、除染などの立案に欠かせません。妥当な期間でシミュレーションして、各年ごとにグラウンドシャインの被曝線量を出して公表してください。
以上2014年6月7日

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2014年5月28日、原子力規制委員会は「緊急時の被ばく線量及び防護措置の効果の試算について」を公表しました。
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/h26fy/data/0009_03.pdf
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この試算は「仮想的な事故における放出源からの距離に応じた被ばく線量と予防的防護措置による低減効果について、全体的な傾向を捉えていただくための試算」だそうです。同種の試算は原子力規制委員会から、平成24年11月30日にも公表されています。(第2回原子力災害事前対策等に関する検討チーム 資料(1))
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/pre_taisaku/data/0002_01.pdf


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ここでは、中長期的な防災計画の視点で検討してみます。発災後に直ちに避難や屋内退避する地域は、1週間単位での予想被曝量で設定されています。その基準値は全身の実効線量で100mSvとか甲状腺で50mSvとかです。中長期的な避難、移住、除染といった環境の原状回復は、年単位での予想被曝量です。1年は52週ですから、年間で20mSvは0.37mSv/週です。週に0.5mSvは年で21mSvです。
先ほどの5/28の規制委の試算は、被曝を「放射性ヨウ素など放射性プルームを呼吸で吸入することによる内部被曝」「放射性プルーム(放射能雲)による外部被ばく」、「地表など周辺環境に沈着した核種による外部被ばく」を合計しています。吸入での内部被曝、プルームでの外部被曝は、プルーム通過後は、新たな被曝をもたらしません。発災から2週間目、8~14日を同様に試算すれば、被曝経路は専ら地表など周辺環境に沈着した核種による外部被ばく(グラウンドシャインgroundshine・GS)です。
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グラウンドシャイン GS
周辺環境に沈着した核種による外部被ばく(グラウンドシャイン・GS)東電核災害では発災1週間での被曝量の約34%とされています、11/30試算では40%です。また、放射性ヨウ素は環境中に沈着する核種でもありますが、放射線を出して崩壊して減っていきます。中長期的な年単位での被曝量では、その沈着核種の崩壊による減少を考慮して予想するべきです。規制委試算では、各臓器に対する被曝量を核種毎に被曝ルート毎に算出して、合計線量で評価しています。その詳細な試算値があれば、きちんと減衰を入れて予想できますが、公表されていません。また5/28試算は原子炉80万kWで11/30試算は110万kWと約1.4倍の差が元々の量であります。柏崎刈羽原発6、7号機は135.6万kW、1~5号機は110万kWです。中長期的被曝には重要な核種であるセシウムの放出、発災時に炉心にあった量に対する放出割合が5/28試算は1万分の3、11/30試算は百分の2.8で、約100倍大きな設定です。東電核災害では1号機は千分の2.9、2号機は百分の5.8、3号機は千分の2.7です。これらの点を、頭に入れて検討します。
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UPZ・30km圏
5/28試算では、UPZ30km圏の30km地点での初週の線量は、95%値で5mSv、中央値(50%)で1mSvでグラウンドシャイン・GSは1.5~0.4mSv程度。11/30試算では90~3mSvでグラウンドシャイン・GSは30~1.2mSv程度。次週以降のGSの減衰を50%とした場合は30km地点でのGSの被曝線量は年あたりで、5/28試算値からは39~10.4mSv、11/30試算値で780~31.2mSv。GSの減衰を90%とすると、5/28試算値からは7.8~2.08mSv、11/30試算値で156~6.24mSv。

柏崎刈羽6、7号機は135.4万kWで、5/28試算の設定の約1.7倍、11/30試算の約1.2倍あります。5mSv/年以上で強制移住のチェルノブイリ基準なら、柏崎刈羽のUPZ30km圏はほぼ全域強制移住、家財・土地・地域社会を全て廃棄の地帯。20mSv/年以上で居住禁止の東電フクシマ基準なら、大部分が数年単位の長期避難や移住を已む無くする地帯。
最大既往 
大飯原発差止め裁判の地裁判決で採用された「既往最大」の考え方を取り入れて、発災時に炉心にあった量に対する放出割合を東電核災害での値にしたら、周辺環境に沈着した核種による外部被ばく・グラウンドシャインGSの値はどうかわるでしょうか。セシウム類は2号機で百分の5.8ですから、5/28試算は約190分の一の過々小の設定です。11/30試算は約半分です。これに応じて、試算値は小さくなっています。「既往最大」で設定しなおすと、発災の週や次週以降のGS予想値も大きくなると思います。
 函館市の「原発事故は生きている町そのものを破壊してしまう。函館市が自治体の生存を賭けて、大間原発の建設差し止めを求めることは住民の生命と生活を守ることを任務とする地方自治体として当然のことであり、また正当な要求である。」というのは当然です。
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 何百回の事故シュミレーションの結果
プラント事故挙動データシステム・PBSを開発し、それで何百回も事故シュミレーションをした永嶋國雄さんによれば、「1つの原子炉で格納容器が破裂すると、1つの原子炉で(避難範囲は)100キロメートル超えちゃうんですよ。」「原子炉にある放射能全部出るって仮定しちゃうと、1000キロメートル超えちゃうんです」「いくらなんだって(原子炉内の放射性物質が)全部出るなんてのはおかしな話です。物質にもよるけど、プルトニウムとかストロンチウムなんかはなかなか出にくい。実際に格納容器が破裂したって放射性物質の大部分はそこに留まってるんです。」「そういうのを正確に計算していくと、1000キロメートルの10分の1で成りたっている。100キロメートル超えるくらいに(避難範囲は)収まる」
参照・・フクシマから学ぶ・・実用的な原子力防災計画を作るにはPBS活用
http://hatake-eco-nuclear.blog.so-net.ne.jp/2012-10-22

 事故の放射ので被曝が1mSv/年以上になる地帯
さて、追加被曝が1mSv/年以上になる地帯はどれ位に拡がっているでしょうか。追加被曝の一部になるグラウンドシャイン・GSで検討してみます。30kmを超えた地域ですが5/28試算は30km以上はやっていません。11/30試算は100kmまで試算しています。それでは95%値で10mSv/週、中央値(50%)で0.6、GSでは3~0.24程度。GSの減衰を90%では15.6mSv/年~1.2mSv/年。
 先ほどの出力=炉内の放射能量の違い、放出比率などを考慮に入れると、追加被曝が1mSv/年以上になり環境の原状回復、除染などを準備しておくべき地域は、どれくらいでしょう?柏崎刈羽原発から100km圏でしょうか。
以上 2014/5/31


 以下 2012-10-27 掲載、
放出量は適切か?
原子力規制委の試算は、東京電力福島第一原子力発電所の事故と同程度、1~3号機の3基分の総放出量で日本国政府がIAEAへ報告した放出量、ヨウ素131とセシウム137の合計をヨウ素換算して77万テラ(兆)ベクレルとなる多様な核種の放出を想定した試算・シュミレーションをしている。さらに発電所の出力比に応じた量、1~3号機の3基分で203万kw.、柏崎刈羽は821万kWだから約4倍した量でもやっている。

原子力安全委員会の防災WGでの試算では、110万kw級で工学的安全機能で放出量が減る工学的安全設備による放射性物質の除去を考慮し、放出量は10分の1=10分の9は格納容器内に留まるとして試算している。ヨウ素131とセシウム137だけをみると、放射性ヨウ素131は2.1E+16、放射性セシウム137はで6.7E+14で試算している。放射性セシウムを放射性ヨウ素に換算するIAEAの評価法では、放射性セシウム137の6.7E+14を40倍して2.6E+16になる。4.7E+16、4.7万テラベクレルである。1~3号機の3基分の出力203万kw.なら8.7万テラベクレル。 防災WG資料① 資料②

工学的安全機能が働かない場合つまり10分の10の最大放出ではIAEAの換算評価法では47万テラベクレル。1~3号機の3基分の出力203万kw.なら87万テラベクレル。

1~3号機の3基分の総放出量77万テラベクレルは、工学的安全機能が働かない場合つまり最大放出の約88%で、工学的安全機能が防災WGの見込みのDF=10の場合の8.8倍。
 核災害の防災計画では、想定すべきなのは工学的安全機能が働かない場合つまり最大放出です。従って想定量は小さい。

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クリックで拡大

これを核種別に見てみます。上の表は政府発表の東電福島第一原発1~3号機の放出量と防災WGでの想定放出量の比率を核種別に見たものです。

これをみると、防災WGが「耐圧強化ベント及び格納容器スプレイの作動が期待できる場合は、大気中への放射性物質の放出量が抑制される。」「耐圧強化ベントを適切に実施することによって、圧力抑制プ-ルでの除染係数(DF)は、低圧シーケンスにおいてDF>1000、全交流電源喪失においてもDF>100が期待できる。」「これらを踏まえて、DF~10を見込むことができると考えられる。」として工学的安全設備による放射性物質(希ガスを除く)の除去をDF=10(10分の9は格納容器内に留められ、10分の一が放出)という設定が、DF=10の値の数倍出ているのですから非現実的であることがわかります。防災WGはDF=10を前提とし、避難地域などを議論をしていますが、これは希望的観測・happy assumption(ハッピー・アサンプション/おめでたい仮定)による wishful thinking(お祈り思考)です。工学的安全機能が働かない場合つまり最大放出を想定して。核災害の防災計画は立案すべきだと改めて思います。
希ガスは化学的性質から工学的安全設備では除去されません。放出開始が想定よりも1日ほど遅れているため、格納容器内で崩壊し減少していますので、その分減った量がでています。これに対しセシウム137は、防災WGの想定を超えた130%でています。セシウム137は半減期が30年ですから、事故から時間がたってからでも量はへりませんし、計測の数も多いので、政府報告の放出量は実際に近いと思われます。ですから、防災WGの最大放出量の想定が低いのだとおもいます。
また、セシウムと同じ揮発性元素のヨウ素やテルルの放出量が小さすぎると思います。放射性ヨウ素131の半減期は約8日、テルル132の半減期は約3日ですから、発災から時間が経つと崩壊して減少し無くなってしまいます。しかし、事故直後の計測例が少ない、計測値があてにならない。。そのため甲状腺のヨウ素被曝線量が推定できない。したがって、政府発表の放出量は、実際からかけ離れている可能性が高い。
放射性のヨウ素やセシウムの大部分はヨウ化セシウム・CsIの化学形で原子炉にあります。放射性セシウム137とヨウ素131でできたヨウ化セシウムでは、セシウム137で1ベクレル分はヨウ素131では1370ベクレルになります。1ベクレルのセシウム137は13.7億個の原子でヨウ素131は100万個だからです。セシウム134とヨウ素131のヨウ化セシウムではセシウム134で1ベクレル分はヨウ素131では94ベクレルになります。出てくる化学形がヨウ化セシウムだけではないので、セシウム137の放出量は15だからヨウ素131は15の1370倍は出ているはずとはいいません。防災WGの専門家は約30倍としています。政府発表の放出量では約11倍です。余りに少なすぎると思います。
少なくとも発表値の倍は出ているとした方が実際に近いと考えられます。セシウムの放出量比は130%、テルルが104%(176千兆ベクレル)、ヨウ素が88%(320千兆ベクレル)です。
揮発性の低いストロンチウム90などは、大気中に拡散よりも汚染水で地下や海へ出て行くルートと見られます。地下水や海の測定例は少ないので、政府発表の放出量値は信頼性が低いと考えられます。
ヨウ素131の半減期は約8日で時間が経つと崩壊して減少し無くなってしまいます。しかし、発災直後の計測例が少ないのです。それで政府発表の放出量は、実際からかけ離れている可能性が高いですが発表値が間違いであると断定できません。
核災害の防災計画は最大放出を想定して立案すべきですから、試算で政府発表の放出量を用いるのは不適切です。放射性ヨウ素の放出量、その吸入による内部被曝量は避難準備区域(UPZ)に、ヨウ素甲状腺ブロックを主な対策とする屋内退避計画地域(PPA)を設定するのに重要です。今回の規制委の試算の目的、UPZやPPA設定に資するという点から見ると、試算の想定放出量=政府発表値では過小です。UPZやPPAをかなり小さく設定する怖れが高いのです。

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防災WGでは、「福島第一発電所の事故においても、津波という共通要因にも拘らず、炉心損傷開始の時期は、1号から3号までで相違がある。」「風向の変化を踏まえると、複数基サイトにおいても、単純な放出量の重ねあわせにはならないと考えられる。」として、原子力発電所全体の出力規模に比例して放出量が増えるとしていません。今回の規制委シュミレーションは、この点最悪の同時放出を想定している点は防災上評価できます。

隠されている顕示されていないシュミレーション結果

今回の結果は、7日間で被曝する実効線量が100mSv・ミリシーベルトで線引きしています。これはIAEAの基準、包括的判断基準で避難の目安とされている値です。避難や室内退避を主な対策とする避難準備区域(UPZ:Urgent Protective action Zone 緊急時防護措置準備区域)の設定に用いるように示されました。100mSvは、発癌確率が1%、癌死亡が0.5%上がるとされる被爆です。これが避難開始基準で妥当か、周辺に住む者としては受け入れにくい基準です。

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また、100mSvの内34%、週で34mSvはグランドシャイン(地表照射)・地表に沈着した放射性ヨウ素や放射性セシウム(Cs134、Cs137)など放射能がだす放射線による外部被ばくとされています。これは、放射能別に沈着量が出されグランドシャインの線量、被曝量が導かれ、その総合計値です。

各放射能別にグラウンドシャイン値が示されるとその地で暮らす場合の外部被曝線量の見通しが概略つけられます。事故時の身の振り方の見通しが予め得られます。

放射性ヨウ素は半減期8日ですから、一月後には10分の一以下、3ヵ月後には千分の一以下になります。セシウム134は半減期が約2年ですから、半年後に84%、1年後に71%、2年後は51%、10%以下になるのは7年後、1%以下になるのは14年後。セシウム137は半減期が約30年ですから、半年後に98.8%、1年後に97.7%、2年後は95.5%、10%以下になるのは101年後、1%以下になるのは301年後。

週で34mSvのグランドシャインがあり、内訳は放射性ヨウ素131で33.18mSv/週、セシウム134で0.60mSv/週、セシウム137で0.22mSv/週で減衰は物理的な崩壊だけと仮定して検討すると

半年後には約0.72mSv/週、放射性ヨウ素131は五百万分の1以下になり、セシウム134で0.50mSv/週、セシウム137で0.22mSv/週。

1年後には約0.64mSv/週、年間で33.2mSv/年、セシウム134で0.43mSv/週、セシウム137で0.21mSv/週。

2年後には約0.51mSv/週、年間で26mSv/年、セシウム134で0.30mSv/週、セシウム137で0.21mSv/週。

5年後には約0.3mSv/週、年間で15.6mSv/年、セシウム134で0.11mSv/週、セシウム137で0.19mSv/週。

10年後には約0.19mSv/週、年間で9.8mSv/年、セシウム134で0.02mSv/週、セシウム137で0.17mSv/週。

15年後には約0.15mSv/週、年間で7.9mSv/年、セシウム137で0.15mSv/週。

25年後には約0.12mSv/週、年間で6.4mSv/年、セシウム137で0.12mSv/週。

35年後には約0.09mSv/週、年間で5.0mSv/年、セシウム137で0.09mSv/週。

106年後には約0.02mSv/週、年間で0.99mSv/年、セシウム137で0.019mSv/週。

 週で1mSvのグランドシャイン(避難対象外)があり
内訳は放射性ヨウ素131で0.56mSv/週、セシウム134で0.30mSv/週、セシウム137で0.11mSv/週で減衰は物理的崩壊のみと仮定し検討します。

半年後には約0.36mSv/週(年で18.72)、放射性ヨウ素131は五百万分の1以下になり、セシウム134で0.25mSv/週、セシウム137で0.11mSv/週。

1年後には約0.32mSv/週、年間で17.6mSv/年、セシウム134で0.21mSv/週、セシウム137で0.11mSv/週。
2年後には約0.25mSv/週、年間で13mSv/年、セシウム134で0.15mSv/週、セシウム137で0.10mSv/週。

5年後には約0.15mSv/週、年間で7.8mSv/年、セシウム134で0.06mSv/週、セシウム137で0.09mSv/週。

10年後には約0.1mSv/週、年間で5.0mSv/年、セシウム134で0.01mSv/週、セシウム137で0.09mSv/週。

15年後には約0.08mSv/週、年間で4.0mSv/年、セシウム137で0.08mSv/週。

25年後には約0.06mSv/週、年間で3.2mSv/年、セシウム137で0.06mSv/週。

35年後には約0.05mSv/週、年間で2.5mSv/年、セシウム137で0.05mSv/週。

77年後には約0.018mSv/週、年間で0.97mSv/年、セシウム137で0.018mSv/週。
このように外部被曝線量の見通しが概略つけられます。

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またプルーム(放射能雲)の吸入による内部被ばくが57%を占めるとしています。この多くが放射性ヨウ素によるものです。この内部被曝量もブルームを作る放射能、放射性ヨウ素や放射性セシウムの距離的に変化する核種ごとの濃度、吸入量を試算しています。放射性ヨウ素の内部被曝量は、安定ヨウ素剤の投与によるヨウ素甲状腺ブロックを決める重要なデータです。ブロックや屋内退避を主な対策とする屋内退避計画地域(PPA、Plume Protection Planning Area プルーム防護措置実施地域)を設定するのに必要なデータですが、示されていません。

防災WGでの試算では、IAEA基準のヨウ素甲状腺ブロックを実施する距離・範囲は100mSvの避難の3から7倍になっています。今回の規制委の試算でも同様の傾向だとすれば、規制委は避難準備区域(UPZ)を半径30kmといっているのですから、屋内退避計画地域(PPA)は100km程度にしないと不合理です。本年8月29日決定の新潟県の防災対策は、屋内退避計画地域(PPA)を「半径おおむね3 0~5 0 キロメートル」にしておりますから、全くの不足になります。100kmで円を描くと、佐渡はすっぽり入り、富山県境まで、長野県方面は長野市まで、新潟市、新発田市はもちろん胎内市も半分ほど入り、群馬県境、福島県境を超えます。
また、新潟県は50km以遠の県内を放射線量監視地域としています。安定ヨウ素剤の備蓄などの計画をあらかじめ策定する地域です。これには、新潟県内だけでなく隣接する山形県、福島県、群馬県、長野県、富山県が入ります。このように核災害の防災計画、防災体制を立地県だけに限定するのは不合理です。

地形を勘案すべき。

今回の規制委シュミレーション・ハザードマップでは、山など放射能の拡散に大きな影響を与える地形が無視されています。越後の山々がない平原で試算しています。地形を考慮した拡散試算はSPEEDIで可能ですが、規制委は「SPEEDIを用いた解析では地形情報・風向分布等の様々なパラメータを用いるため、年間を通じた全サイトの解析を行うには膨大な時間が必要。」としています。

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立地県、原子力施設立地関係道府県(19道府県)は平成22年度、23年度に県が選択・指定した日時の条件に基づくSPEEDI予測図形(各原発毎に年に24件)及び原子力防災訓練で使用したSPEEDI予測図形をもっています。これと同じ日時・天候条件で試算の放出量で、SPEEDIを稼動して原発から150~200km範囲の図形をだし、地形などの影響を考慮できるようにすべきです。
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以上 2012-10-27



復興庁主催の公聴会を開いて、被災者の意見を十分反映して頂きたい。 「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」に対するパブコメ [防災ー中長期的避難、移住]

復興庁主催の公聴会を開いて、被災者の意見を十分反映して頂きたい。

「被災者や超党派の議員連盟から、『被災者の意見を十分反映させるべきだ』という意見が出ている」(世耕官房副長官)として、8月23日までパブリックコメントの期間が延長された。
手続き的には、23日までに提出された意見・コメントを考慮して、復興庁が基本方針を策定し、その方針の公示と共にパブリックコメントへの復興庁の見解が公表される。

しかし被災者の意見を十分反映させるために延長したのだから、先ず23日までに提出されたパブリックコメントへの復興庁の見解と新たな被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(第二次案)を示し、1mSv(ミリシーべト)以上の被曝(グランドシャイン)がある被災地の市町村と避難者のいる都府県で復興庁主催の公聴会を開いて、被災者の意見を十分反映して頂きたい。担当省庁の規制庁、文科省、農水省、環境省、厚労省、消費者庁、国交省、総務省、経産省、内閣府、内閣官房、金融庁、法務省、外務省などの担当者が、直接に被災者の意見を公聴し十分反映して頂きたい。

復興庁は「市民団体集会などに職員ができるだけ参加した」としているが参加した幹部職員(水野靖久復興庁参事官・当時)は「左翼のクソどもから、ひたすら罵声を浴びせられる集会に出席」と発言し、被災者や国民の信頼を失っている。

今回のパブリックコメントは行政手続法に基づくものではなく、運用は復興庁が柔軟にできる。「パブリックコメントは、国の行政機関が政令や省令等を定めようとする際に、事前に、広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的としています。」という制度の目的、被災者の意見を十分反映するという延長の趣旨からして、先ず23日までに提出されたパブリックコメントへの復興庁の見解と新たな被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(第二次案)を示し、被災地の市町村と避難者のいる都府県で被災者から求められている復興庁主催の公聴会を開いて、被災者の意見を十分反映して頂きたい。

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東電核災害で1mSv以上の被曝を受けた、受ける者に健康管理手帳を! 「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」に対するパブコメ [防災ー中長期的避難、移住]

広島・長崎の原爆被爆者には、「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」(通称「被爆者援護法」)に基づき被爆者健康手帳(通称「原爆手帳」)が交付されています。その原爆手帳によって、健康診断や医療費の給付などが得られます。交付要件は基本的に原子爆弾によって1mSv(ミリシーべト)の被曝を受けたと推定される人です。(この記述には間違いがあります。下の追記をお読みください)

東電核災害では、このような健康診断、管理は、福島県のみを対象地域とする県民健康調査だけです。狭すぎます。東電核災害によって、沈着した放射性セシウムでの放射線での被曝(グランドシャイン)が、2011年4月に1mSvであった地域に4月1日に生まれ生涯(70年間)暮らした場合、被曝減衰が放射能の崩壊によるものだけなら生涯での東電核災害による被爆量は約12mSvになります。

この被曝レベルの健康に及ぼす影響は、科学的に十分に解明されていません。原爆被爆者は爆発時に被爆したものであり、生涯(70年間)にわたる被曝での影響を明らかにするには不適です。被爆者の健康診断の結果は貴重な参考となりますが、健康影響が起きないと断ずるには足りません。インドのケララ地方など天然に被爆量が多い地域は、現代の疫学の手法で影響の有無や影響の形を明らかにするには、人口が少ない。むしろ、近年のCTなどの医療被曝での影響研究では、健康影響が検出されています。

福島県のみを対象地域とする県民健康調査だけに東電核災害による健康影響の検出や診断、管理する事業を限定する合理的な理由はありません。原爆手帳が1mSv(ミリシーべト)の被曝を実質的要件としていることに習って、東電核災害でも1mSv(ミリシーべト)以上の被曝を受けたものに、健康管理手帳を交付し、健康診断・管理、医療費の交付を行う事業・制度を作って下さい。

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画像はここからお借りしました

追記

2013年11月26日にオカノリという方から、次のような指摘を頂いた。

こんにちは。こちらのブログの、この箇所は事実ではなく間違いです。訂正をお願いできませんか。→
「被爆者援護法に基づき被爆者健康手帳交付要件は基本的に原子爆弾によって1mSvの被曝を受けたと推定される人です」

被爆者手帳の交付審査条件は、この資料の記載が全てであり線量規定は手帳条件には存在しません。また、原爆症認定と被爆者手帳の話は全然別の事です。詳細は私の過去ツイをお読みください。



私の文章は、 「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」に対するパブコメとして、政府宛に書かれたもの。

私は、年間1mSVの追加被曝の我慢量(決して安全量ではない)は、日本国民に対し平等に当てはめる政府の義務を上げ ここ

次に厚労省でさえ、積極的に原爆症を認定する範囲としてる被爆地点が爆心地より約3.5㎞以内(長崎の場合、爆心地から3.55km地点を一般公衆の線量限界・年間1mSvと例示)のように言っている。厚労省資料

だから福島県などでも同様に1mSv/年でという意図で書いたのだが、

原爆症認定と被爆者手帳発行要件を混同している。致命的なミスだ。これでは次のような批判は正しい。申し訳ない。

『「広島・長崎では、1mSvで被爆者手帳が交付されている」のデマが広まれば、そのことで困るどころか一番喜ぶのが国だ。原爆の放射能被害を極端に小さく見せかけ訴訟で破綻していた国の嘘を再び蘇らせ国民に広く洗脳。被爆者に対し国は手厚く保護しているのだというアピールも自動的に行われていく。』オカノリ 2013年11月26日 - 15:17

口から出た言葉は取り消すことはできない。このまま曝しておきます。

間違いにお気づきになったら、是非ともお知らせください。

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