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東海第二発電所は廃炉に [核のガバナンス]

aflo_1.jpg茨城県那珂郡東海村白方ー1にある日本原子力発電(日本原電)の原子力発電所東海第二発電所(とうかいだいにはつでんしょ。略称は東二とうに)は、首都圏にある唯一の原子力発電所である。30キロメートル圏内には茨城県の大半が含まれ、約96万人が暮らしてる。


GE、日立製作所、清水建設らが建設した沸騰水型軽水炉(BWR)で、1978年11月28日に運転開始した。原子炉からの中性子照射による劣化や機器の経年劣化などを考慮した設計寿命40年だから、2018年12月にはBWR軽水炉の設計寿命を終える。発電開始から8か月後の1979年7月22日、発電所内で放射能を含む蒸気が漏出し運転を停止した。[発電電力量]÷([定格電気出力]×[日時間])×100(%)の設備利用率では、100%になったことがない。2009年度の設備利用率が35.1%と、平常運転時の半分以下しかないから、商業運転寿命をすでに終えていたとみられる。

 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)で自動停止した。運転は再開されず、5月21日より定期検査に入り一部の機器が地震の影響を受けたことが判明した。現時点2023年2月22日まで、運転は再開されていない。法的には定期点検中。、福島第一原子力発電所事故を受けた制定された安全運転新規制に合わせる工事中。


2011年3月11日の運転停止から12年目で、BWR軽水炉中にある使用中・済み核燃料からの崩壊熱は炉中軽水からBWR炉機器、炉機器から格納容器、そして原子炉建屋へと排熱されている。

 機器は、2023年2月8日に過剰電流が流れた東海第二原発の監視所にある電気ストーブの電源コードが焦げた。原発が運転停止中でも非常時に備えて動かせるようにしておく必要がある発電機が、毎月1回の定期確認の行った2月21日午前0時30分頃の稼働中に自動停止してる。発電機を冷却するための海水ポンプが自動停止したために、冷やされていた発電機が停止したものだが、前回の1月24日の点検では異常はなかったから、原因は不明。


設計寿命40年前に、海水への排熱水路の壁が何の前触れもなく崩壊し穴が開いた柏崎刈羽原子力発電所のように、設計寿命40年間近の機器の謎の停止が増えるのだろう。

《公表資料》7号機循環水系配管-3p 縮.jpg

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2023年2月7日公表のプルトニウム利用計画 [核のガバナンス]

海外・英仏に保有するプルトニウムだけでなく、稼働予定の青森県の六ヶ所再処理工場で回収されるプルトニウムを、

利用目的のないプルトニウムを持たないという国の政策があり、

消費する利用計画書の2023年版が公表された。



現在ある保有する使用済み核燃料は19250トンU, 「800トンU再処理時に回収される約6.6トン」と注10に記載されている。19250÷800×6.6≒158.8トンの回収プルトニウムはどうするのか?



press_20230217_2--プルトニウム利用計画-0ああ-縮2.jpg

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中国の核戦力一迫りくる核リスク 岩波新書 ③ [核のガバナンス]

複数の米国の研究グループが、2021 年中に、中国の中央内陸部の少なくとも 3 か所で、少なくとも300 個の ICBM サイロと思われる建設が行われていることを衛星写真の分析によって明らかにした(Korda, Matt & Kristensen, Hans M. 2021 および Kristensen, Hans M. & Korda, Matt 2021)。
本稿はクリステンセンらの評価に従い、運用準備状態にあるものも含めて数えて中国の弾頭数を昨年2021と同じ
350 発と見積った(Kristensen, Hans M. & Korda, Matt 2021 および Kristensen, Hans M., Korda,
Matt & Norris, Robert S. 2022)。
国防総省はすでに作戦配備されている弾頭のみを数えて,「低い 200 台」
2019 年 7 月、中国は 4 年ぶりに国防・軍事に関するいわゆる「白書」を発表した。それによって、従来の核兵器に関する宣言的政策が不変であることを表明した(State Council Information Office ofPRC 2019)。
無条件の先行不使用、非核保有国や非核兵器地帯に対しては無条件に核攻撃も核攻撃の威嚇もしないこと、他国との核軍備競争はしないこと、などである。
上記の米国防総省の 2021 年版報告は中国政府高官の言動にこの政策からの変化を示唆する兆候は見られないとしている。
中国は、通常は核弾頭と運搬手段を切り離して保管しており、即時発射の態勢を採用していないと考えられてきた。米国防総省の中国の軍事力に関する2021年次報告書では、「中国人民解放軍(PLA;People's Liberation Army)は、敵の先制攻撃が爆発い核戦力が壊滅する前に、ミサイル攻撃の警告が反撃につながる『早期警報反撃』と称されるLOW 態勢を実施している」との分析を明記した。こうした米国の主張に対して、中国は、警戒態勢を含む核態勢に変化はないことを繰り返し明言している。
nuclear_list_202206 (宿)中国.jpg
表の弾頭数(すべて概数)は、基本的に文献(Kristensen, Hans M. & Korda, Matt 2021)によっている。現在、米本土に届く長距離弾道ミサイルの弾頭数は、約 190 発と推定される
(東風ドンフォンの液体燃料サイロ型、単弾頭の DF-5A と多弾頭の DF-5B。
 東風ドンフォンの固体燃料、3 段式の道路移動型。単弾頭のDF-31A、改良型移動式起立型発射台のDF-31AG、     
  多弾頭のDF-41)。
 6 隻の晋(ジン)級戦略原子力潜水艦に搭載される潜水艦発射弾道ミサイル (SLBM)は、 巨浪ジュランJL-2、単弾頭。戦略原子力潜水艦は6 隻が就役しているが、4 隻が作戦配備。
2019 年 10 月に初登場した爆撃機 H-6N が、空中発射弾道ミサイル(ALBM;air-launched ballistic missile,)を搭載すると考えられている。空中で発射されて目標へ弾道飛行する弾道ミサイルの一種であるが、2019年現在ロシアがХ-47М2 キンジャール;NATO名はAS-24「キルジョイ」(Killjoy)が開発されている。ロシア国防省の発表によれば最大速度マッハ10、射程2000kmを発揮し、陸上目標および海上移動目標を攻撃できるとしている。

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迫りくる核リスク 岩波新書 ⓶ [核のガバナンス]

迫りくる核リスク 〈核抑止〉を解体する 著者 吉田文彦 岩波新書 新赤版 番号1946
続き

2022年を長崎大学核兵器廃絶研究センターRECNAで見る。

それでは、作戦配備の弾頭 部隊に配備・貯蔵されている活性(アクティブ)状態の弾頭は、アメリカとロシア、それとフランスと英国の核保有国(常任理事国)である。SLBM潜水艦発射ミサイルに4ヵ国すべて核弾頭を活性状態にしている。地上発射のICBM大陸間弾道ミサイルは、アメリカとロシアが活性状態に置いている。地図を見ると、英国付近やフランス付近の地中海、大西洋からSLBM潜水艦発射ミサイルで米ロに撃ち込める。

modc02.png

米・ロ・英・仏の約2000発が数分で発射可能な「高い警戒態勢」(ハイ・アラート)状態に置かれている。

nuclear_list_202206 (宿)2.jpg

続く

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迫りくる核リスク 岩波新書 ① [核のガバナンス]

71OqqpIeOzL.jpg迫りくる核リスク
副書名 〈核抑止〉を解体する
著者 吉田 文彦 ヨシダ フミヒコ
 岩波新書 新赤版 番号1946
出版者 岩波書店
出版年 2022.11
ISBN 978-4-00-431946-7
両津図書館 新書 S/319.8/ヨ/

著者 吉田 文彦 ヨシダ フミヒコ 1955年京都市生まれ。大阪大学にて博士号(国際公共政策)取得。朝日新聞社論説委員などを経て、長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)センター長・教授。著書に「核解体」など抄録

ウクライナ侵攻以後、核兵器が使用されるリスクが急激に高まっている。核の保有が核の使用を防ぐという〈核抑止〉の実態を歴史と現状の分析から明らかにし、〈核抑止〉脱却に向けた政策を提言する。

ウクライナ侵攻以降、核兵器が使用されるかもしれないというリスクが急激に高まり、このリスクはアジアにも迫ってきている。核保有が核を使用しないことになるという〈核抑止〉が長年言われてきたが、著者はその現実を一つ一つ明らかにし〈核抑止〉を解体する。そして未来のために、今何をすべきなのかを提言する。

はじめに  より

甚大な打撃・被害をもたらしかねないグローバル巨大リスクには、核戦争のほか、気候変動やパンデミックなどが含まれる。【気候変動は太陽の黒点などの活動、パンデミックは病原体の他の動物での変異などの人間・人類の活動以外の活動が絡み合っている。核戦争は、国家とか外交といった人間・人類の活動だけに因る。この違いはどう設定してある? 弦巻記】
核不拡散条約(NPT)に加入して核兵器を持つ国については核保有国、持たない国は非核保有国と記す。NPTに加入せずに核を持った国(持ったと思われる国)は、核武装国と記す
【核保有国は、国際政治ではUK国連の安全保障理事会の常任理事国の五ヵ国。この五ヵ国と核武装4ヵ国の保有数2022年推定を図示している】
12-図.jpg

続く

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