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実態を踏まえた専門家会議の論議と「当面の施策の方向性」を・パブコメ② [被曝影響、特に甲状腺]

 さて、1巡目の健診で検出された小児甲状腺癌の状態を見ると、細胞診断で検出された109人のうちが2014年10月30日現在で85人が手術を受け、手術後の病理診断の結果、1 人が良性結節、84 人が甲状腺癌(乳頭癌81 人、低分化癌3 人)と確定診断されている。より詳細には、手術前の診断では「リンパ節転移は17 例(31%)が陽性であり、遠隔転移は2 例(4%)に多発性肺転移を疑った。」術後の病理診断では、「甲状腺外浸潤 pEX1 は37%に認め、リンパ節転移は74%が陽性であった。」(鈴木真一福島医大教授の2014年11月の福島県・甲状腺検査評価部会での説明)である。
 国際がん研究機関(IRAC)のヨアキム・シュッツ氏によれば、世界的に見て過剰診断(臨床症状が発現する前にスクリーニング検査で発見可能な前臨床発見可能期間にある癌患者をスクリーニングで検出、見出してしまうこと)の可能性が大なのは「ほんの2mm程度の甲状腺乳頭がん」といった微少甲状腺がん。福島の”健査”では、5.1mm以上の結節や20.1mm以上の嚢胞は二次検査の対象外としている。腫瘍径1cm以下を甲状腺微小乳頭癌と関係学会は定義している。5.1~10.0mmの腫瘍は104人中にどれ位の人数だろうか。平均が14.2±7.5mmだから30%位だと見られる。鈴木教授の説明では腫瘍径10 ㎜以下は22%である。
 このように約70%はリンパ節浸潤あるいは癌の大きさ10㎜以上の悪性度の高い症例である。
 同様の指摘は「専門家会議」第9回の外部有識者である宮内氏からも述べられている。にもかかわらず、この実態を議論すらしていない。このため「中間とりまとめ」は、観念的であろ。それを踏まえた環境省の「当面の施策の方向性(案)」は、子ども・被災者支援法が求めている「健康被害を未然に防止する」(基本理念、第二条 5)策になっていない。
たとえば、「県民健康調査『甲状腺検査』について、・・中略・・疫学的追跡調査として充実させることが望ましい」と専門家会議はしている。当面の施策の方向性(案)は、「『甲状腺調査』をされに充実させ、・・中略・・分析に必要な臨床データを確実に収集できる調査が可能になるよう、福島県を支援していきます。」とある。これらは悪性度の高い症例が約70%である実態を顧みれば、まず優先すべきは県民の健康状態の把握であり、診療や治療の機会を保証である。学問的な疫学的な分析に必要なデータを得ることは、それが満たされて、その上で充実を図るものである。
 専門家会議に設置の趣旨を徹底して、再度の論議を行うべきである。その上で、当面の施策の方向性を再考すべきである。 つづく
 ↓当面の施策(案)1/2
01-2015環境省、当面の方針25690-001.jpg

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