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東電シナリオでの放射能の出方 水素ガスとベント 試論⑯ [AM-ベント、排熱]

大LOCAの破断口からRPV原子炉から、PCVのD/Wドライウェルに直接出てくる。希ガスは炉心からほぼ全量。発災・原子炉停止からの経過時間が2~3時間なので、希ガスの減衰が少ない。希ガスはブルーム放射能雲をつくる主要な放射能。この量が減らないままで放出されるから、ブルーム通過地の被曝線量は多くなる。
セシウムについて東電はセシウム137は約2時間後には「炉心からほぼ全量放出される」としている。核燃料損傷は0.4時刻開始だから1.6時間である。化学形態はヨウ化セシウム(CsI)やモリブデン酸セシウム(Cs2MoO4)といった微粒子状エアロゾル。水に捕捉される。S/Cプールの水(スクラビング効果)、PCVスプレイの散水、フィルタ装置の水だ。PCVのD/Wドライウェルに直接出てきて、PCVスプレイ無しだから、確実なのはベントの際のS/Cプールの水とフィルタ装置の2度である。D/Wが高圧化しS/Cの空間部との圧力差が大きくなると、S/Cプールを潜って流入する。そして気圧差を解消するがD/Wの空気の全てが流入しないから、確実なのは2回である。捕捉される機会が少ないから、環境に放出される割合は多いと考えられる。。
ヨウ素は炉から出る形はヨウ化セシウム(CsI)と無機ヨウ素といわれるI₂。S/Cプールの水の中のヨウ化セシウムがγ放射線被曝でおこす化学変化で無機ヨウ素I₂と有機ヨウ素が生成する。有機ヨウ素例えばヨウ化メチルはガス状で、無機ヨウ素はガス状である。無機ヨウ素はpH7以上、アルカリ性ではヨウ素イオンI⁻になり水に溶けるとされている。BWR原発の水質管理はpH5.6~8.6であるから、常に発災時にpH7以上とは言えない。東京電力は水酸化ナトリウムを注入しpH制御するとしている。運転員2人で屋外の薬品注入設備におもむき30分で起動させるとしている。SBO全交流電源喪失で動力を無いのに注入できるか疑問である。(問合せ中)ベントまでの時間が短いため、化学変化の量は少ないと考えられる。

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PCVスプレイが行われてからのベントでは、ベントまでの時間が前者に比べ長いからその分希ガスの減衰が進んでいる。
 セシウムは粒子状、PCVスプレイの散水で捕獲される機会が増える。エアロゾル粒子が吸湿し重くなって重力沈降が起こり易く、PCV内の時間が長くなるから沈降と沈着でPCV格納容器内に滞留する量が増える。確実な水による捕獲機会がPCVスプレイの散水、ベントの際のS/Cプールの水とフィルタ装置の3度に増える。また生じたPCV内の汚染水からの再放出が起こるようになる。特にベントの際の減圧沸騰に伴う微細汚染水滴の発生である。これは水温が100℃を超えると発生量が増える。格納容器温度・ガスの推移からは10時間後は可能性がある。
 ヨウ素はγ放射線でおこる化学変化で無機ヨウ素I₂と有機ヨウ素が生成量が滞留時間が長くなるので増える。

東京電力は「格納容器内に蓄積されていたものについてベント後1時間で全量放出を仮定」している。初回のベントでPCV空間部に蓄積されたものが全部出てもそれで終わりではない。補機冷却系や代替原子炉補機冷却系が稼働して、海水に崩壊熱を出せるようになりまで間欠的にベントが行われる。その2度3度目のベントは、希ガスを除いて同じようになる。

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