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原子力のリスクをよ り小さくしていく「健全な発達」に資する保険料額では、原子力事業の拡大=「 発達」はできない。 [電気料金制度・稼働率]

損害保険、最も身近な損害保険は自動車の保険です。事故を起こさない起こさなかったドライバーには、保険料が安くなる「等級」があるのは、よく知られています。車の種類、車種や型式でも違います。車の危険度(事故・盗難)を表す「車両料率クラス」というものです。

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原発もある設備を付けることで危険性が低下する、原発の確率論的安全評価(PSA)事故リスクが相対的に小さくなれば、その分原発事故の損害賠償の保険の料率が小さくなることが合理的です。原発の炉型別の確率論的安全評価(PSA)、プラントの機器の故障や人的ミスが原因がある場合のPSA(レベル1)では次のように桁違いで差があります。

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だから、柏崎刈羽原発6、7号のJP-ABWRに、EU-ABWRやESBWRにあるIC・非常用復水器やPCCS・受動的(静的)格納容器冷却システム、PFを後付けすると確率論的安全評価(PSA)でリスクが相対的に十分の1になり、その分損害賠償保険の料率が十分の1になるとすれば、その設備の使用期間と保険料の低下額の積、総節減保険額がそれらの機器の設置費用よりも大きければ、これらを後付することが経営的経済的に合理的です。規制という権力、経済外強制によらずとも、保険のリスク・外部コストを内部コスト化する機能で経営的経済的に自ずと原発のリスクが相対的に低くなります。

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原発・核発電所の損害賠償の保険は、「原子力損害の賠償に関する法律(原賠法)」と「原子力損害賠償補償契約に関する法律(補償契約法)」の2本の法律があります。東電核災害後に盗電、ぁぁ誤変換、東電救済のために原子力損害賠償支援機構が設立されています。

原賠法では、電力会社など原子力事業者が一般的なリスク、事故に備え民間の「日本原子力保険プール」と賠償措置額を保証する保険契約を結ぶことを定めています。賠償措置上限額は通常の商業規模の原発1基は現在1200億円(2014年4月末現在)です。その原発一基あたりの年間保険料は、2011年には平均約5700万円でした。(東京新聞が国への情報公開請求で調査、2012年7月4日記事)補償料率では1万分の4.75

補償契約法による原子力損害賠償補償契約は、異常に大きな天災地変や戦争などを対象に政府が引き受け賠償措置額は現在1200億円(2014年4月末現在)です。その原発一基あたりの年間保険料は、2011年には3600万円でした。2013年4月1日からそれを約7倍(現行の補償料率を「1万分の3」から「1万分の20」に改訂。対象は全国54か所中20か所のBWR)

つまり、原発一基あたりの賠償金の上限は1200億円で年間保険料は民間分が同じなら年間1~3億円程度。これでは、損害賠償保険の保険料が十分の1になるとしても、年間の低下額は9千万~2億7千万円。これでは・・・

賠償金の上限は1200億円で低すぎると思いますので、これを約42倍の10兆円にする。民間の料率も約7倍に上げて1万分の30で、年間300億円。政府分は1万分の20で年間200億円。通常の商業規模の原発1基で年間約500億円。この額なら危険性が低下する、原発の確率論的安全評価(PSA)が相対的に小さくなり、その分保険料額が低下する仕組みを入れれば、経営的経済的に自ずと原発のリスクが相対的に低くなる投資が行われます。原賠法の目的の一つ「原子力事業の健全な発達に資すること」を果たせます。リスクをより小さくしていく「健全な発達」に資することができます。

通常の商業規模の原発1基での保険料年間約500億円を発電量でわって電気料金にいれると、1kw時.あたり10~20円になると試算されています。関西電力によれば「天然ガスを使った火力発電は10.7円程度、石炭を使った火力発電は9.5円程度」ですから、保険料は火力の発電単価と同じか、むしろ高くなる。原子力のリスクをより小さくしていく「健全な発達」に資する保険料額では、原子力事業の拡大=「発達」はできない。

つまり、原子力事業の拡大に資する保険料額では、原発のリスクが相対的に低くなる投資が経営的経済的に自ずと行われる事はないのです。その投資は、経済外強制、権力による規制で行われるようにしなけれならない。

「原子力事業の健全な発達」には、原発は元来危険という意識をもって規制する権力が不可欠なのです。原発・核発電所の危険性、安全性を検討する際に工学的な視点は不可欠ですが、同様に規制する側を観ることも不可欠です。



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