SSブログ
放射能検査と摘発、食品、水 ブログトップ
- | 次の5件

放射性物質を呼吸や飲食で体内に取り込んでの内部被曝と風評被害 [放射能検査と摘発、食品、水]

大気中に浮遊する放射性物質を呼吸や飲食により体内に取り込んでの内部被曝


1307283864.jpg

6/5のNHKスペシャルでフクイチ事故で、様々な情報は管理(隠ぺい)されていることがはっきりしました。福山官房副長官(参院・京都選出)いわく「これ正しい情報だから伝えよう。これは伝えなくていいよねの確認ができない」「情報で、これは官房長官がやはり伝えるべきという判断が政府にあったんだと思います」と官邸が開示情報を取捨選択していたと認めました。

災害発生の警報や予知といった情報を知らせるとパニックが起こるのではないかと恐れて情報を出し渋ることを「パニック神話」と災害心理学では言うそうですが、原発の「安全神話」が崩壊した途端、官邸の人々がそれに囚われたのです。今もそうであるので、内部被曝を恐れる風評被害が続いていると思います。

日本政府、東電には内部被曝を調べる気がない

原子力発電所で働く人には法でホールボディカウンタ(WBC)を使い、一秒間に体内の放射能からでる放射線の数cpmで内部被曝を調べる検査を3か月に1回行われています。「738cpmを超えると周辺自治体に通報され、1500cpmを超えると『精密検査を受けてきてくれ』と言われ、病院行きになります。」3月11日以降、福島第1原発を除いた全国の原子力施設で、作業員から1500cpmが見つかったケースが4956件ありました。1万cpmを超えたケースも1193件。3500件余りが柏崎刈羽です。そのうち4766件はその作業員が事故発生後に福島県内に立ち寄っていました。(5月16日の衆院予算委員会で保安院の寺坂信昭院長が公表)

1307283792.jpg



 その人たちには、福島第1原発で働いた人もいますが、福島県内の実家や自宅に立ち寄った人がいます。3月13日に福島県川内村の自宅に戻り、数時間滞在して家族と共に郡山市に1泊して県外に23日、志賀原発(石川県)で検査を受けたところ5000cpmでした。

「計測されたのは、おそらく体内に取り込まれたセシウムによるγ線でしょう。セシウムからは、内部被曝においてもっとも影響が大きいβ線も出ますが、こちらはホールボディカウンターWBCで測れません。β線は透過力が弱いので体内に留まりやすく、電離密度が高いため、体内でDNAなどの細胞を切断する確率が大きくなる。
 外部被曝による急性放射線症と違い、内部被曝では数年後から10年以上経て発症する晩発性障害が深刻になります。一生涯にわたる影響を与え、場合によっては遺伝的影響のように、世代を超えて障害を引き起こします。
 晩発性障害の中で、比較的早く症状が表れるのが白血病で、被曝から数年後に発症し始めます。そして、甲状腺機能低下や肝機能低下、心筋梗塞など、あらゆる障害が起こり得るのです」(名古屋大学名誉教授の沢田昭二氏)

 こうした福島第1原発で働いてない人たちの滞在先、その周辺で暮らしている福島県の人たちは、同様の高いレベルの内部被曝をしていると推定できます。それで先週の原発対策統合本部の記者会見で、NHKの石川さんが何度も、何人がそうした人なのか質問していました。石川さんは長年チェルノブイリ事故を取材してきたNHKの科学記者で、こうした内部被曝により被害の実態を良く知る方です。

 NHK BS世界のドキュメンタリー『永遠のチェルノブイリ』では25年前、チェルノブイリ原発の事故が起きたウクライナの現状を次のように伝えています。事故の5年後の1991年に独立当時の人口は約5200万人。ところが年々、人口が減り続け、2010年には約4500万人になってしまった。19年で700万人もの人口減、その減少率は13%にもなる。同国の平均寿命は、かつて75歳前後だったが、2020年頃には55歳ほどに低下する可能性がある。そしていまだに、チェルノブイリ周辺では、障害を抱えて生まれる子どもたちが多い。

 それで、石川さんが何度も、福島県内の実家や自宅に立ち寄って高レベルの内部被曝した人が何人か質問していました。これに対して、東電は「調べない」と断言しました。原子力保安院、原子力安全委員会も同調しました。

保安院が国民の健康、内部被曝に関心があるなら保安院は調査を命じる権限があります。安全委はまず汚染物質が判らなくては評価できないといいました。先ほどの志賀原発(石川県)での人は13日に福島県川内村の自宅で数時間、家族と共に郡山市に1泊して、8日あまりたった23日に5000pcmです。川内村、郡山市の子供らを、安全委は心配ではないのでしょうか?保安院から資料が来るまで放置し続けるのでしょうか?

彼らは官僚、つまりトップに立つ政治家の顔色、意向を窺うヒラメ族です。官僚が公僕なら、国民が選んだ政治家に従う=政治主導から言って、ある意味当然です。ではそのトップに立つ政治家はどうでしょうか?

3月26~30日に福島県で川俣町と飯舘村に住む15歳以下の946人、いわき市で137人を調べています。それで基準値(1時間あたり0.2マイクロシーベルト、1歳児で100mSvの等価線量でヨード剤の投与の目安の値)を下回った。最高でも、毎時0.07マイクロシーベルトだったのです。しかし、これはのど付近に検出器をあてて放射線量を測ったもので、精度はホールボディカウンタWBCと比較にもなりません。5月16日に細川律夫厚労相は、「1080人の子どもを調査したところ異常はなかった。今後もホールボディカウンターによる調査を行う予定はない」と答えています。

どうすればよいか 細密な汚染マップ、表示と放射能飛散予報
飯舘村住民は5月17日にWBCでの検査を国、県に要望しましたが、無しのつぶて。二本松市の三保市長は、市内の妊婦や子ども、屋外での作業時間が長い農家や建設業の人などをWBCで内部被ばく検査をするよう、国や県に重ねて要請しました。しかし、国や県がやろうとしないので27日にまずは20人に限定して、独自に調査をすると表明。これで慌てたのか、6月1日に福島県がWBCで検査する発表しました。

1307286077.jpg

WBCは、原発とそれが立地する都道府県において一つ以上ある「二次被曝医療機関」と呼ばれる十九の医療機関、新潟なら県立がんセンターにあります。福島県も作業員以外で使えるWBCは県立医科大学にある一台です。この一台では、1日で約10人検査だそうです。新潟県や宮城県に応援を求めるそうです。

検査の順番はこれから検討するそうですが、地域的の汚染度は重要だと思います。それは、現在の汚染度だけなく、過去、3月中下旬の多く放出された時期の汚染度が重要です。4766件の作業員の内部被曝データは過去の地域別の汚染度をしる手がかりになります。避難を求められる『計画的避難区域』にも、準備せよとされる『緊急時避難準備区域』にも入っていない地点で異常に高い汚染度の土地が点在しています。 6月4日NHKニュース 4か所で放射線量目安超える
福島県だけでなく関東各地にあります。

 現在の地点別の汚染度データは、農産物の汚染度の目安になります。それがわかれば高濃度の地点の田畑を除染する、特に重点的に農産物の汚染度を測るといった合理的な内部被曝削減策が実施できます。基準値以上の物の出荷停止で、一定の安全、誰しもの安全性を確保した上で、出荷の際にその地域の汚染度を表示すれば、消費者は自分で選ぶ、例えば幼児や学校給食ではより汚染が少ないものを選ぶといった安全の上積みができます。

 内部被曝の放射能は呼吸でも入ります。フクイチでは、盛んに放射能入りの水蒸気が出ています。4日に1号機で時間当たり4sVにするの水蒸気が上がっていることが確認されています。東電は、パッキン剤が劣化して地下から出てきたとしています。これが本当なら、今後、こした噴出は増えていくと思われます。


これらの放射能が、何処に流れていくのか、花粉飛散予報のような放射能飛散予報を出してはどうでしょうか。菅政権は事故当初からこうした飛散予想に必要なデータや気象庁による予想を、IAEAを通して各国に伝えていました。それでIAEAから日本政府の情報開示は合格点をつけられましたが、国内向けにはどうだったでしょうか?

こうした飛散予想に必要なデータは、事故当初からIEEAを通して各国に伝えられました。それでドイツなどが飛散予測を公表していました。日本では3/11~16の間、合計45回SPEEDIで放射能拡散が予測され、保安院は受け取っています。原子力災害対策マニュアルでは即時公開し、避難指示等に活用する事になっています。しかし「パニック神話」に囚われた官邸の空気を読んだヒラメ族(官僚)はどうしたでしょうか?まだ放射能は出続けています。今でも、放射能飛散予報の周知は有効な対策です。

 




測り方

ホールボディカウンタ(whole body counter/WBC)という機械とバイオアッセイという試料分析で測ります。
ホールボディカウンタWBCは、全身をスキャンして、体内に取り込まれた放射性物質から放出されるガンマ線を計る機械。立ったまま全身をスキャンして計る装置や椅子型の装置や遮蔽室内にある精密型装置などの種類があります。一台一台手作りの特注品。セシウムやヨウ素はγ・ガンマ線を出すために、この機械でガンマ線を計ると、セシウムやヨウ素による内部被曝の量を計ることができます。


1307279481.jpg 1307279526.jpg


1307279558.jpg



 γ・ガンマ線は人体を突き抜けるので体外から体内の測定ができますが、β線やα線は人体で吸収・遮蔽されるので同じ仕組みでは測定できません。プルトニウムやウラン、ストロンチウムなどのα線放出核種、β線放出核種は鼻の粘膜や尿などの試料を採取して測定します。バイオアッセイという試料分析でこれらに含まれる放射能を分析することによって摂取量あるいは体内の放射能量を評価します。
 バイオアッセイ法は、試料の収集と測定に1週間またはそれ以上の時間がかかります。WBCは数分から、被曝量が少ないほど測定時間がかかり、極めて低線量の内部被曝を測定するのに約20分を要するそうです。1分間に放射される放射線の回数を示すcpm(カウント・パー・ミニットまたはシーピーエム)という単位で表され、γ線エネルギースペクトル(度数分布)を計測・解析することにより体幹部の体内放射能を同定します。

1307279810.gif



除染


舘村長泥(ながどろ)地区において、5月に2回にわたってNPO法人放射線安全フォーラムの田中俊一さんらが実施した放射能除染試験の成果。

民家の家屋・屋敷での除染とビニールハウス、水田、牧草地の除染が行われました。

民家では、周囲の樹木からの放射線の寄与が大きく、床よりも天井の方が線量率は2割から5割も高いそうです。除染は、屋根や雨樋の除染(高圧水洗)、屋敷周辺の樹木の枝打や伐採、屋敷前庭の表土剥離(ポリイオン溶液を散布)などが行われました。屋内線量率が、3.9~8.6μ㏜から3.1~4.3μ㏜へと低減しましたが、周辺環境の影響が高いため、より低減させるためには、民家の半径50~100mの範囲で除染をする必要があるとのことでした。

一方、農地の方は、7割から9割も放射線量率が下がり、耕作制限値の5分の1~2分の1まで低下するなど、大きな成果をあげたとのことです。
 出典


nice!(0)  トラックバック(0) 

食塩や味噌で放射線から身を守れるという”安全・安心デマ” [放射能検査と摘発、食品、水]

食塩や味噌で放射線から身を守れるという”安全・安心デマ”


ネットや一部自然食品関係から、食塩や味噌で放射線から身を守れるという”安全・安心デマ”が流れています。
☆敵を知り己を知らば、百戦危うからず☆ですが、この食塩説は放射線・放射能という敵への無知と体の生理という己への無知をもたらし、私たちを危うくします。

「体の外部で受ける放射線(例えばX線)は、洗い流せばある程度は落とせたり ※01」など放射線と放射能・放射性物質の区別をつけない(違いがわからない?)方の論議、例えば「海水を煮詰めて作った良い塩気をしっかり補給して体内を循環させておけば、放射線の害から体を守ることができます。」なぜなら「30cmの塩の壁を造ると放射線は透過できない」からという見解※02は、論理的な筋道がなく、その当否を検討できない、つまり論義の外にある論外なお祈り思考の見解なのでとりあげ様がありません。


※01 ■食による放射線対策法
※02 先月の放射線についての講演


1303055387.jpg


 また、長崎でプルトニウム原爆が炸裂した時に、被爆者に塩、味噌を積極的に与えた医師の体験談、およびそれを動物に味噌を給餌した実験で確かめた研究を根拠とする有効説は、一見、科学的な証拠・エビデンスがありそうな有効説もあります。しかしこの説は、枝野流の「ただちに」安全と同じく、外部被爆と内部被爆、急性障害と晩発性を混同しています。

 今回、原爆のような大量の外部被爆と急性障害の危険にさらされているのは、原発をおさめようと必死に作業して下っている方々です。原子炉から大量の放射線が出ています。離れれば、距離をとれば、倍離れれば、2×2=4で4分の一に被爆が減らせます。しかし、作業員の方は逆に近づかなくてはなりません。それでも、東京電力の被ばく管理がしっかり行われていれば、250mSv(ミリシーベルト)の上限位に被ばく線量が抑えられていれば、起こると懸念される急性障害は、白血球減少です。

 動物に味噌や食塩(塩化ナトリウム)、醤油を給餌した実験、研究は、被ばくさせた線量が半数致死量の6グレイから致死量の8グレイ、それ以上の14グレイまで、被ばく3日後に解剖して小腸の粘膜の幹細胞の生存率を調べたものです。半数致死量の6グレイから全員致死量の8グレイでは、給餌の内容で差がありません。2週間以内に100%致死する線量以上の被ばく領域で、差が出てきます。普通の餌と食塩餌は同じですが、みそ餌としょうゆ餌では10倍の幹細胞の生存率です。致死線量以上でもよく発達した腸粘膜とともに、傷んだはずの粘膜細胞の再生が認められていますが、個体の生存、例えば100%致死が80%であるといった報告はありません。


1303046212.jpg出典



 この研究からは、積極的な塩の摂取が効果があるとはいえないし、味噌や醤油の摂取も半数致死量以下では効果が確認できなし、2週間以内に100%致死する線量以上の被ばく領域で細胞レベルで効果が見られるが、個体の生存率を良くするかは不明です。ですから、塩、味噌の摂取が、大量の外部被爆時に急性障害の危険を回避する効果があるとはいえないと思います。

 さて、私らは、大気や食物を経路とする放射能・放射性物質摂取による継続的な内部被爆と晩発性障害の危険性に直面しています。この危険を塩、味噌の摂取で避けられるでしょうか?  つづく

続きを読む


nice!(0)  トラックバック(0) 

ごめんなさい、放射能汚染野菜は水で洗っても放射能があまり取れません [放射能検査と摘発、食品、水]

2011/3/22に小針店で発行したものに加筆 

半減期、放射能汚染の解読知識(1)

放射能(放射性物質)が、放射線を出して壊変し半減する期間が半減期。ベクレルは壊変毎秒ともいい、1秒間に1つの原子核が放射線を放つと1ベクレル。
 放射性ヨウ素のI-133は半減期20時間、測定されるI-131は8日。放射性セシウムはCs-134が2年、Cs-137が30年。同じ原子数あると、半減期が短い、つまり毎秒ごとの放射線を出す原子核が多い放射性ヨウ素の方がベクレル値は高くなります。
 仮に21日に放出が止ると40日後の4月末には放射性ヨウ素は、半分が5回で、約64分の1.放射性セシウムは減りません。
 放射線の種類や体外にあるのか、中にあるのか、化学的性質などで生物に与える影響(シーベルトの値)、危険性は変わります。

 ヨウ素は113℃で液化、184℃で気化するので原子炉ではガスで、燃料棒の金属包みをすり抜け、大気中では固体。セシウムは671℃沸点、24℃融点。それで運転中の原子炉では液体で燃料棒の中、核燃料が熔ける=1200℃以上で蒸発し冷えて24度以下なら固体、24℃以上なら液体の微小物で大気中を浮遊。

 現在の気温などから、検出されたのは両者とも固体の微粉末状態の付着物。ホーレン草などの物は、洗い流し落とせる状態です。 

ごめんなさい、放射能汚染野菜は水で洗っても放射能があまり取れません

先々週に放射性ヨウ素やセシウムは「固体の微粉末状態の付着物。ホーレン草などの物は、洗い流し落とせる状態」とお伝えしました。ごめんなさ、間違っていました。洗浄してもわずか2割強しか放射線量が減少しません。申し訳ありません。

1945年から1980年までに米、旧ソ連、英国、フランス、中国によって1200回大気圏及び地下核爆発実験が行われました。それで発生する放射性降下物(フォールアウト)による農作物汚染の実態などが研究されました。1956年4月10日、6月24日、東京に高濃度の放射能を含んだ雨が降った時に、5月29日から8月17日の間に東京、川崎、横浜の全54地点で各種の野菜を入手して、放射線量を、東京大学の三井進午氏らが分析しています。

その中に高菜の分析があります。6通りの洗浄をしていますが、無洗浄に比べ2割程度の減少が認められるだけです。この様な結果は当時の研究者には常識であったらしいのです。
「野菜の一時的に強い放射能汚染の主たる経路は、経根的なものではなく、放射性降下物のかなり堅固な表面付着並びに一部はそれに伴って起こる直接的吸収にもとづくことを示すものである」としています。不勉強で、誤報して申しあけありません。

なお洗浄法は、蒸留水。濃度は各1%の酢酸(お酢)、クエン酸、
Na2-EDTA(金属を取り除くキレート剤)、食塩、中性洗剤の洗液に30分間、時々撹拌しながら浸漬したのち、水道水で洗浄です。

日本土壌肥料科学雑誌 29巻3号
核爆発に伴う農作物の放射能汚染に関する研究 (第4報) : 1956〜7年における土壌及び農作物の放射能汚染, とくにSr90 の汚染度について PDF


nice!(0)  トラックバック(0) 

東電・福島第一原発と中国の塩買占め騒動 [放射能検査と摘発、食品、水]

中国の塩買占め騒動

世界では福島原発の汚染でさまざまなデマが流れています。中国では広東省、浙江省などを中心に「食塩を摂取すれば、微量に含まれるヨウ素で放射線の害が防げる」とか「海水が放射能で汚染され、今後食塩が危険になる」とのウワサが広まりました。このため、16日ごろから各地のスーパーなどに市民が殺到し、棚から食塩が消えたそうです。

中国では、内陸部など一部地域では海藻を摂らない食習慣などの影響で、十分なヨウ素を摂取していない人々がいます。ヨウ素の摂取が少ない食生活では甲状腺異常が引き起こされやすく、そのため94年から食塩にヨウ化カリウムを添加する政策をとっています。逆に沿海地区では海藻を食べる習慣があるため、過剰摂取になって甲状腺機能を低下させるなどの弊害がおこりえます。その懸念から、無添加の食塩の解禁を求める声もありました。

そこに、今回の福島原発。 事故が深刻化したことで、中国でも放射能に対する不安が広がり、先ほどのウワサが広まり、16日から中国全土で食塩を買い占めようとする市民が続出。食塩の買い占め現象がおきました。冷静に考えれば、①中国の食塩の20%しか海水から作られていない。②福島原発で放射能汚染された海水は数百トンで、その中に含まれる放射能の量は食塩の量に比べれば微々たる物です。③放射性ヨウ素は半減期が8日です。中国に流れ着く頃には、どれくらい残っているでしょうか?

英紙フィナンシャル・タイムズは以下のように評論しています。

「なぜ彼らはここまで理性を失ってしまったのか?そこには、文化、管理、社会の3要素が複雑に絡んでいる。

中国人は昔から自分の頭で考えず、群集心理に陥りやすいという傾向がある。たとえ少しおかしいと感じていても『みんなが買うなら自分も買っておいて損はない』という考えが働くらしい。

中国人が自分の頭で考えないのは、奴隷社会から封建社会、そして今に至るまで、ずっと『抑えつけられた状態』に置かれていたことと関係がある。命令や通知に従い、周囲と歩調を合わせるという習慣が刷り込まれているのだ。

現代中国社会には『信用』が著しくかけている。国民は政府すら信用していない。(英国で)今回のような問題が発生した場合、通常はまずは落ち着いて自分の頭で考え、専門家や政府が発信した情報を聞いた上でどう行動するかを考える。だが、中国では違った。なぜなら、人々は自分の目の前のことしか信じないからだ。」

このコメント、白人の、中国を植民地化した英国人の上から目線のものでしょうか。
2010年にノーベル平和賞をうけた中国の民主活動家、劉暁波氏が起草した「08宣言」には次の一節があります。

「中国では、帝国皇帝の権力の時代はすでに過去のものとなった。世界的にも、権威主義体制はすでに黄昏が近い。国民が本当の国家の主人になるべきである。

『明君』、『清官』に依存する臣民意識を払いのけ、権利を基本とし参加を責任とする市民意識を広め、自由を実践し、民主を自ら行い、法の支配を順守することこそが中国の根本的な活路である。」

 「明君」、「清官」に依存する臣民意識こそが、命令や通知に盲従し自分の頭で考えない文化の母胎。時の政府が「明君」、「清官」ではないとなれば従わない、通常は名君でも清官だけもないですから、国民は政府すら信用していないのが常態になります。このように、英紙の論評の趣旨は中国人が自ら認めるところです。

さて、先週末、茨城産、福島産などの農産物から放射性ヨウ素、セシウムが検出されました。新潟でも、水道水などから東電・福島第一原発に由来する汚染が検出されました。そのデータは、公開されています。この点は以前と違います。政府は情報を発信しています。
皆さんは、この情報を聞いた上で、どう行動なさいますか。塩買占めの中国人に笑われないようにしませんか。


nice!(0)  トラックバック(0) 
- | 次の5件 放射能検査と摘発、食品、水 ブログトップ