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食塩や味噌で放射線から身を守れるという”安全・安心デマ” [放射能検査と摘発、食品、水]

食塩や味噌で放射線から身を守れるという”安全・安心デマ”


ネットや一部自然食品関係から、食塩や味噌で放射線から身を守れるという”安全・安心デマ”が流れています。
☆敵を知り己を知らば、百戦危うからず☆ですが、この食塩説は放射線・放射能という敵への無知と体の生理という己への無知をもたらし、私たちを危うくします。

「体の外部で受ける放射線(例えばX線)は、洗い流せばある程度は落とせたり ※01」など放射線と放射能・放射性物質の区別をつけない(違いがわからない?)方の論議、例えば「海水を煮詰めて作った良い塩気をしっかり補給して体内を循環させておけば、放射線の害から体を守ることができます。」なぜなら「30cmの塩の壁を造ると放射線は透過できない」からという見解※02は、論理的な筋道がなく、その当否を検討できない、つまり論義の外にある論外なお祈り思考の見解なのでとりあげ様がありません。


※01 ■食による放射線対策法
※02 先月の放射線についての講演


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 また、長崎でプルトニウム原爆が炸裂した時に、被爆者に塩、味噌を積極的に与えた医師の体験談、およびそれを動物に味噌を給餌した実験で確かめた研究を根拠とする有効説は、一見、科学的な証拠・エビデンスがありそうな有効説もあります。しかしこの説は、枝野流の「ただちに」安全と同じく、外部被爆と内部被爆、急性障害と晩発性を混同しています。

 今回、原爆のような大量の外部被爆と急性障害の危険にさらされているのは、原発をおさめようと必死に作業して下っている方々です。原子炉から大量の放射線が出ています。離れれば、距離をとれば、倍離れれば、2×2=4で4分の一に被爆が減らせます。しかし、作業員の方は逆に近づかなくてはなりません。それでも、東京電力の被ばく管理がしっかり行われていれば、250mSv(ミリシーベルト)の上限位に被ばく線量が抑えられていれば、起こると懸念される急性障害は、白血球減少です。

 動物に味噌や食塩(塩化ナトリウム)、醤油を給餌した実験、研究は、被ばくさせた線量が半数致死量の6グレイから致死量の8グレイ、それ以上の14グレイまで、被ばく3日後に解剖して小腸の粘膜の幹細胞の生存率を調べたものです。半数致死量の6グレイから全員致死量の8グレイでは、給餌の内容で差がありません。2週間以内に100%致死する線量以上の被ばく領域で、差が出てきます。普通の餌と食塩餌は同じですが、みそ餌としょうゆ餌では10倍の幹細胞の生存率です。致死線量以上でもよく発達した腸粘膜とともに、傷んだはずの粘膜細胞の再生が認められていますが、個体の生存、例えば100%致死が80%であるといった報告はありません。


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 この研究からは、積極的な塩の摂取が効果があるとはいえないし、味噌や醤油の摂取も半数致死量以下では効果が確認できなし、2週間以内に100%致死する線量以上の被ばく領域で細胞レベルで効果が見られるが、個体の生存率を良くするかは不明です。ですから、塩、味噌の摂取が、大量の外部被爆時に急性障害の危険を回避する効果があるとはいえないと思います。

 さて、私らは、大気や食物を経路とする放射能・放射性物質摂取による継続的な内部被爆と晩発性障害の危険性に直面しています。この危険を塩、味噌の摂取で避けられるでしょうか?  つづく

 



作業されている全員の集団では

 


東電・福島第一原発で、収束の作業に従事されている方は日に1000人から500人と伝えられています。この方々の集団では、晩発性の癌といった障害は、どのように顕れるでしょうか?


集団単位では、その集団、今回は福島第一で作業されている方の一人ひとりの被爆線量を全て足し合わせた被ばく線量、集団線量、単位は「人・シーベルト、人・Sv」をもとに調べられています。特に、1年間と期間も着目する時は、年集団線量または集団線量率とよびます。


これまでの研究から、18歳以上の人の集団では1万人・ミリSvで0.5人強の致死性のガン、非致死性の癌も同程度が新たに生じます。1万・ミリSvは延べ1万人が1ミリSv被曝や、500人が20ミリSv被曝の場合です。平成15年度の日本の原発では約94000人・ミリSvでした。


福島第一では、一人の被曝上限が250ミリSvで管理されています。それで、今年2011年度中に12万人・ミリSv、500人が240ミリSv被曝などの場合、は自動車工場で働くなど他の集団に比べ約13人多く癌が発生し、半数の6.6人がそれで致死します。


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