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ヨウ素I-135 核毒とチェルノブイリ原発 原子力発電環境整備機構・NUMOのP㉑ [使用済核燃料、再処理、廃棄]

原子力発電環境整備機構・NUMOの、再処理ででる放射性廃棄物を地中に捨てる「地層処分」のPR説明会について何回かに分けて書いてみる。その21回目、。

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ヨウ素、陽子数・原子番号53の原子核は、37ヶをこれまで確認している。安定核は、中性子数nが74ヶ、質量数A127のヨウ素I-127だけである。U-235の核分裂で生成する可能性は、陽子過剰の中性子数nが75ヶから91ヶまでの中性子過剰のI-128~I-144の17核種にある。I-144~136は前に検討した。続き


質量数A=135の安定核は、陽子数・原子番号56のバリウムBa-135のみ。
原子番号55のセシウムCs-135は半減期230万年でβ崩壊し56番のバリウムBa-135へ
原子番号54キセノンXe-135は、半減期9.14時間でβ崩壊し原子番号55のセシウムCs-135
陽子数・原子番号53のヨウ素I-135は、半減期6.57時間のβ崩壊でキセノンXe-135へ。
陽子数・原子番号52のテルルTe-135は半減期19.0秒で53番のヨウ素I-135へ
陽子数・原子番号51のアンチモンSb-135は、半減期1.68秒で52番のテルルTe-135へ
陽子数・原子番号50のスズSn-135は、半減期530ミリ秒・千分の一秒で51番のアンチモンSb-135へ
陽子数・原子番号49のインジウムIn=136は、半減期92ミリ秒でβ崩壊し50番のスズSn-135へ
陽子数・原子番号48のカドミウムCdの質量数A=135は発見されてない。


原子番号53のヨウ素I-135は、半減期6.57時間なので、フクシマ核災害時に1号機から大量に放出したとみられる。発災当日11日夜に1号機周辺でヨウ素が福島県が検出している。他のヨウ素、I-131・半減期8.02日やI-129・半減期1570万年は発災後しばらく時間を置いでも検出・測定でき、被曝量を高い精度で推し量れる。ヨウ素I-135は、半減期6.57時間なので発災直後に測定・検出しないと被曝量を高い精度で推し量れなくなる。ヨウ素I-135だけでなくヨウ素I-134・半減期52.5分、ヨウ素I-132・半減期2.295時間といった短寿命のヨウ素の齎す被曝は、チェルノブイリ原発災害に時に取り上げられている。しかし、日本の規制当局からの、きちんとした評価を見た覚えがない。

だがヨウ素I-135が、核分裂が連鎖し中性子が飛び交う原子炉の中にあるUー235の核分裂生成物のヨウ素I-135なら話が違う。安定核のセシウムCs-133が原子炉の中、中性子が飛び交う中で中性子を捕獲して放射能セシウムCs-134に核変換したようなことが起きる。ヨウ素I-135が中性子を捕獲・吸収する性質はあまり強くない。崩壊して生成する次の原子番号54キセノンXe-135の中性子を捕獲・吸収しパックンと食べてしまう。その性質が異様に強い。Cs-133のその性質を1とすると9万倍も強い。吸収断面積と云う計り方で、Cs-133は29b、Xe-135は265万bある。原子炉中で近くにきた熱中性子、高速中性子を100%吸収する。吸収して中性子数が1個増えたキセノンXe-136ができる。半減期が10×10の21乗・千兆×百万・年以上と安定核扱いされる。中性子が再放出されない。吸収された中性子で、起こったであろう核分裂が起きなくなる。
原子炉でU-235が核分裂する。核分裂数×2.5個の高速中性子が放出される。それが減速され、その内1個の割で再びU-235核に吸収され核分裂が起きれば、核分裂が同じ規模で炉全体で連鎖する。核分裂を起こさなかった中性子は、U-238などに吸収されたり、減速されず高速中性子のまま原子炉から飛び出したり、制御棒のホウ素、カドミウムなどに吸収されたりする。
再びU-235に吸収される中性子が、1個より大きい割なら炉全体での核分裂規模が拡大していく。制御棒などを操作し、例えば1.1個の割で再びU-235に吸収されるようにすれば、核分裂数は1.1倍、1.1倍の1.1倍、1.1倍の1.1倍の1.1倍の・・・とネズミ算式に増える。起動時など放出エネルギー≒発電量を増やしたい時にする。そして、望みの放出エネルギー≒発電量に達したら、1個の割でU-235に戻るようにして核分裂が同じ規模で炉全体で連鎖・維持されるようにする。
ところで、U-235の核分裂数の0.3%分の原子番号54番のキセノンXe-135が直接に生成する。キセノンXe-135が中性子を捕獲・吸収しパックンと食べてしまう。その吸収された数だけ、その中性子で起こったであろう核分裂が起きなくなる。自動車運転ならハンドブレーキがかかった状態での走行運転に例えられる。
核分裂数×2.5個・250%が放出される高速中性子、核分裂数の0.3%分とキセノンXe-135ではその差が大きいから、実際には無影響に思える。しかし、原子番号49番のインジウムIn=135、50番のスズSn-135、51番のアンチモンSb-135、52番のテルルTe-135、53番のヨウ素I-135の生成分、合わせて6.28%が加わり合計数は6.58%になると影響が運転に出てくる。

半減期の時間からそれらは一旦、ヨウ素I-135に集積して、その半減期6.57時間のペースでβ崩壊してキセノンXe-135になる。直接的生成分0.3%は、運転・原子炉の出力の変動と直接に結びついて変動する。一旦、ヨウ素I-135に集積する6.28%分は時間差を持って変動する。その影響は原子炉減速時や停止時に強く出る。原子炉が定常運転中はヨウ素135やキセノン135の生成・消滅は平衡状態にある。原子炉は地震や落雷などの時や機器の故障でスクラム、緊急停止する。停止後は、大量に生成して存るヨウ素I-135は、変らず半減期6.57時間のペースでβ崩壊し続け、キセノンXe-135は生成され続ける。原子炉停止しているから、中性子は飛び交ってない。キセノンXe-135が中性子を吸収しキセノンXe-136には成らない。キセノンXe-135は、原子番号55のセシウムCs-135に壊変して減るだけである。半減期9.14時間のペースで、ヨウ素I-135より緩いペースでβ崩壊し、半減期230万年のセシウムCs-135に壊変してキセノンXe-135は消滅する。生成のテンポ・ペースと消滅のテンポ・ペースの差から、キセノンXe-135は溜まり、濃度・密度が上がることになる。原子炉停止から約10時間後にピークに至り、その後数10時間かけてゼロに向かって減少していくそうだ。濃度・密度上昇は核分裂連鎖の反応度を低下させる。山高ければ谷深しで、停止前に定格で運転していた場合、核分裂連鎖の反応度損失が0.33(33%)にも達するそうだ。反応度が穴に落ち込んだかのように低下する。「原子炉停止後しばらくすると、原子炉を数10時間にわたって再起動できなくなる。」再稼働したくとも豊富にあるキセノンXe-135で駄目である。
chernobyl-disaster.jpgほぼ停止状態から40分余りで再起動させ、電源テストをやった原子炉がある。旧ソビエト連邦のチェルノブイリ原発4号炉だ。電気出力100万kW、熱出力320万kWの、RBMK型と呼ばれる原子炉だ。4号炉は機器保守点検のための原子炉停止を、1983年12月運転開始から約25か月経った1986年4月25日にする事にした。途中で熱出力70万KW・定格の約22%に下がったら行なう電源テストが予定されていた。出力降下・停止作業を25日未明にはじめ、予定外の半出力での10時間運転・発電を挟んで翌26日まで続いた。そして出力コントロールに失敗して原子炉の出力がほぼゼロに、26日00時30分になってしまった。
電源テストの責任者である副技師長が原子炉の再起動を判断。何型であれ停止した直後の原子炉は、中性子吸収の大きなキセノン135の蓄積により出力が上がりにくい。運転員は熱出力を、ほぼゼロから20万kW・定格の6%まで、なんとか「ほぼ全制御棒引抜き」などの操作で引き上げた。それで炉は「一触即発の状態に陥っていた。」(今中 哲二氏)
出力が定格の6%まで上昇した炉で、出力を定格の22%で予定していた電源テストを26日01時23分04秒にバルブを閉止して開始。42秒後の時刻23分46秒に原子炉圧力管内の異常で核燃料被覆管破損などが発生。45秒後の時刻23分49秒頃に核暴走とそれにともなう爆発が発生し、建屋の屋根や壁が破壊され、黒鉛ブロックなどが飛び散り、火災が始まった。
続く
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原子力発電環境整備機構・NUMOの、再処理ででる放射性廃棄物を地中に捨てる「地層処分」のPR説明会が7月29日に新潟市であった。参加申し込みをした。しかし、当日参加できず、ネットで公開されている「当日の資料 (映像資料)・「地層処分とは・・・?」はこちら https://www.numo.or.jp/pr-info/pr/video/#sec_01
(説明用資料)・『説明資料』(PDF形式:607KB)PDF https://www.numo.or.jp/taiwa/pdf/setsumei_taiwa2018.pdf」などを見ての感想。


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