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防潮堤基礎の四分の三は、評価しない示方書方式 KK原発の液状化対策㊶ [地盤、液状化&断層]

KK原発荒浜側の護岸と防潮堤の、基礎杭が地盤の側方流動で破損・破壊されると予測評価された。それは2016平成28年9月に、地盤の液状化の予測評価する方針が変わったからである。

それまでは、道路橋示方書や建築基礎構造設計指針に記載のやり方を踏襲してきたと東電は云う。日本の橋や道路等に関する技術基準で、国土交通省が定める道路橋示方書(どうろきょうしほうしょ)・同解説の2002平成14年版や建築基礎構造設計指針(社団法人 日本建築学会 著作、2001年10月に第2版を発行)に記載のやり方を踏襲してきたと東電は云う。(第336回審査会合、2016平成28年3月4日)
それは液状化判定は①地表面から20mまでの浅い所の、②沖積層(ちゅうせきそう)を判定する対象としている。沖積層とは、約1万年前から以降に出来た地層、それより古い、以前にできた地層は洪積層(こうせきそう)という。脱線だが、堆積から約6000年経たないと岩石化しないそうだ。つまり、6千年経ていない未固結の沖積層と固結・固く結びついた沖積層がある。
000171360資料2-3-P18-b3.jpg荒浜側の護岸と防潮堤の地帯の地盤を概説、大まかに云うと、図の様に上から盛土・埋め戻し土層、安田層下部層、泥岩の岩盤である西山層に大別されてる。天然では沖積層、新期砂層、番神砂層、大湊砂層が占めていた場所を、敷地造成で掘り返し、設備を設置し、埋戻したり土を改めて盛った箇所が地表付近の約10m。そして安田層下部層(東電は「古安田層」と仮称している)が西山層との間を占めている。西山層の上端は、護岸と防潮堤の間は標高マイナス30から40mである。盛土・埋め戻し土層の下端-10mと泥岩の岩盤である西山層の上端の-30~40mの間、20から30mを安田層下部層(東電仮称「古安田層」)が占めている。

杭基礎をなす鋼管は、西山層上部にまで打ち込まれている。それで生まれる地盤支持力で防潮堤などを支持するのだから、当然標高-40m以下まで届いている。ところが液状化判定は①地表面から20mまでの浅い所の地層で行うとなっている。そうなると、盛土・埋め戻し土層、安田層下部層の一部が浅い所の地層で液状化判定・評価の対象だ。②の判定する対象は沖積層という条件からは、沖積層以前の更新世中期に出来た安田層下部層・古安田層は時期的に液状化判定の対象外になる。従来のやり方では、盛土・埋め戻し土層しか液状化判定・評価されない。杭基礎をなす鋼管が通る約40mの地層は、打ち込み頭部の約10m位しか、液状化評価されない。防潮堤の基礎杭の四分の三は、液状化判定・評価されない。約30m通過する安田層下部層・古安田層が、液状化判定の対象外だからだ。

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