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側方流動の方向、大きさをキチンと表示しても KK原発の液状化対策 ㊳ [地盤、液状化&断層]

地盤の液状化による地盤横移動・側方流動によって、建物の基礎が引っ張られて傾いたり、基礎が土台から外れたり、破断して上屋が大きく変形する。ガス・水道などの埋設管が破断・引っ張りや圧迫・押し合いで損傷する。こうした被害形態を考えると、東電のやり方では、側方流動の大きさ、流動の方向がシミュレーションで判明しても、その側方流動がもたらすであろう被害を予想できない。先ず、判明した側方流動の大きさ、流動の方向を表示する東電の方法に問題がある。

東電の現行の表示システムは、波打ち際線・汀線に直交するラインを数直線・軸とし、その計測地点を原点とし東・砂丘側をプラス、西・海側をマイナスとして表示している。側方流動は理学的には「側方流動には、大別して二つのタイプがあります。る。一つは、海や川の護岸近くで見られるタイプで、基礎地盤の液状化や地震揺れで護岸が倒壊したり移動したりすることにより、背後地盤の押さえが緩み、海や川に向かって液状化層が流れだしていく」流動方向が海や川の護岸壁があったところに決まっているタイプ。柏崎刈羽KK原発の波打ち際は護岸提が整備されている。護岸提の波打ち際に向かって「液状化層が流れだしていく」のだから、汀線に直交するラインで流れの大きさを表示は適している。

「もう一つは、緩やかに傾斜した土地が広範囲に液状化すると、液状化した地層とそれに載った表層が高い方から低い方に向かって動き出す現象で、・・暖傾斜地の側方流動は、地面の勾配が0.5~2.5%のわずかな高低差でも」起こるタイプ。新潟地震や日本海中部地震で発生し、高い方から低い方に向かって動き出すタイプ、勾配0.5~2.5%の暖傾斜地でも起き、地盤沈下の量、残留鉛直変位は極わずかでも水平移動は長いから水平変位は大きい型・タイプの側方流動。このタイプは、実際例を見ても方向がバラバラだ。流動の始点の地の地盤の傾きに応じて、方向はバラバラになっている。KK原発なら海・西と砂丘・東だけでなく北寄りと南寄りの要素が加わる。流動の終点を西にXmだけでなく北にYmの地点と記し表示すれば、1対1応の表示になる。
計測地点を原点とし現行の東電設定軸線を横軸・X軸として、それと直交する縦線・Y軸として導入する。汀線に平行な線を新たに軸として導入する、断面図手奥・北方向をプラス、手前・南方向をマイナスとする。側方流動の水平変位の方向、大きさをその計測地点を始点とし終点の1対1応で表示できる。さらに2軸に直交する軸Z軸を設けて、地盤沈下や隆起などの残留鉛直変位を、隆起をプラスとし沈下をマイナスとして扱う。これ何のことはない、お馴染みのX軸Y軸Z軸の3軸の直交座標系(デカルト座標系)を設けることだ。
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こうして側方流動の方向、大きさが表示される。それでその側方流動がもたらすであろう被害を予想・予測できるのか。それには引き裂かれ破断するかもしれない建物や構造物の基礎は何処にある、破断・引っ張りや圧迫・押し合いで損傷するかもしれない埋設管や埋設ケーブルが何処に埋められているのかの情報、埋設管・ケーブルマップ、構造物基礎マップと云うべき位置情報が必要だ。それらの位置情報を側方流動の方向、大きさの情報と照らし合わせて被害を予想・予測できる。福島第一原発事故・核災害の経過を顧みるに、これら位置情報が十分集められているのか。特に埋設の配管やケーブルの位置情報がX軸Y軸Z軸の3軸の直交座標系(デカルト座標系)で集められているのか。
ある場所、位置に埋設されている配管やケーブルの情報は集められているか。身近でも公道を掘り返して、下水管や水道管、ガス管を新設や更新の際に既設の管の位置、深度が図面と違っていたり、無いはずの管があったりする事例を見聞している。そのために、工事開始前の点検調査が夜間に行われたりしている。公地・公道がこれであるから、私有地の原発敷地内は同様と推測される。この推測が当たっていることを、福島第一事故の収束作業で、我々も知っている。


3号機変圧器の黒煙火災の実例を顧みると、初期消火に使った屋外消火栓設備からの放水量が消火設備間の配管破断によりが少なく、変圧器の絶縁油が白煙段階の初期消火が進まなかった。それだから絶縁油が燃え始め黒煙が出たと見られる。
ある側方流動αで配管破断が起きると判ったとしよう。次に、それで使用不可に、消火活動不可能になる屋外消火栓などの消火設備を割り出す。それらの消火担当範囲が出せる。その範囲で変圧器など出火しそうな設備をリストアップする。その「出火するかなリスト」が、側方流動αによる被害予想・予測になるわけだ。この作業を、側方流動のαからΩ・オメガまで、ずっとやり、その積分が「側方流動がもたらすであろう被害の予想・予測」になるわけだ。作成できるだろうか?

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