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5mSv未満の極低線量被曝者でも癌リスク増加、宮尾研究 めも原爆被曝者手帳㊺ [原爆被爆者援護法]

2008平成20年に広島の0.005Sv未満の極低線量被爆者(DO86評価)でも、広島・岡山両県の一般住民に比較して有意に高い各種のがん死亡が存在したことをLSS12に基づき、明らかにした研究が公表された。発表した名古屋大学の宮尾 克 教授は、続いて長崎の被爆者をコントロール・対照群として、長崎県と隣の佐賀県の一般住民を選び検討している。「0.005Sv未満を極低線量、0.005から0.1Svまでを低線量、0.1から4.0Svまでを高線量」と区分して検討している。(低線量原爆被爆者のがん死亡に関する研究 https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-21590653/ )

LSS寿命調査の研究手法を批判
宮尾教授は放影研RERFの研究手法をLSS寿命調査の研究手法を「真の非被曝グループを用いずに『高度な』統計解析ーポアソン回帰分析ーを用いて曝露グループの結果を外挿し、『被曝グループのリスク』を推定している」「極低線量区分の対象者を用いて、バックグラウンドリスクを算出している」「比較対照グループとして2.5km以遠の対象者を用いた曝露グループ内でのポアソン回帰分析によって、ERR(過剰相対リスク)を不当に人為的低くした」と批判している。

宮尾教授が指摘するように、極低線量区分の対象者のSRMをバックグラウンドの被曝なしの対照群に用いると、全ガンでは0.005-0.1Svの男性被爆者は0.96(1.28/1.33)とむしろ死亡比が低くなり0.1Sv以上で1.17(1.56/1.33)、全線量域では1.02(1.36/1.33)。女性被爆者で0.005-0.1Svで1.05(1.15/1.09)、0.1Sv以上で1.57(1.72/1.09)、全線量域では1.15(1.26/1.09)となる。

それでは宮尾教授が真の非被曝グループとしているのは、広島では東隣の岡山県民と当の広島県民。コントロール・対照群には、原爆被爆が無いだけで食生活や住環境などが同じ人々が望ましい。岡山県は、中国山地と瀬戸内海に挟まれ、南部の平野地帯は典型的な瀬戸内海式気候で北部の中国山地沿いは日本海側気候。広島県は、北部の豪雪地帯は日本海側気候、それ以外の地域は瀬戸内海式気候。だから、コントロールには適している。当時の広島市人口は広島県の1/5~1/6位だから、広島県全体としてはコントロールに使える。
5mSv未満の極低線量被曝者でも癌リスク増加
人口構成を補正した標準化死亡比SRMで比較検討すると、「全死因による死亡、全がん、固形がん、男性の肝臓がん、女性の子宮がん、肝臓がんについて、それぞれ優位に高かった。」DS86で0.005Gy未満の「極低線量被爆者にあってさえ、がんのリスクが優位に増加している。」
LSS12を検討02b_.jpg

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