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被曝の急性症状から放射性微粒子による被曝線量の推定する めも原爆被曝者手帳㊹-Ⓖ [原爆被爆者援護法]

生物学的医学的な推定方法
原爆によって生成した放射性微粒子の沈着による被曝線量の大きさは、どれ位だろうか。めも原爆被曝者手帳㊹-Ⓓで紹介した今中哲二氏(元京都大学原子炉実験所)は、床下土壌の調査結果等から推定する理学的な方法で行った。これに対して、被曝で起こる身体の変化、症状の中でも急性症状から推定する生物学的医学的な方法で行ったのは沢田昭二氏(名古屋大学名誉教授、素粒子の理論物理学者)である。

それで推定できるのは「動物実験では被曝線量と確定的影響である急性放射線症状の発症率は、『しきい値』があることを除けば正規分布(体重や身長など最もありふれた分布)であることが確かめられている。」からである。

広島、長崎の推定
ABCCの調査したLSSの広島の全脱毛発症率から被曝線量を求めた図が下図。

report2016-7.jpg
長崎の推定
report2016沢田10c_.jpg
(原爆被爆者に対する放射性降下物による被曝影響の真実、沢田昭二氏、の7頁と10頁http://hibakutokenkou.net/uploads/report20160318235423.pdf

この図では、爆心地からの距離で出しているが、放射性微粒子の沈着は風雨で左右されるから爆心地からの方向・東西南北での区分を入れて表現した方が良いとおもう。爆発から放射能の雲が拡散して通過するルートをシミュレーションし沈着を計算する方法で、沈着量を2次元的にマッピング・位置付けをする。それを実測データで、検証し補正する。その2次元的物理学的沈着量データと被爆者からの被曝線量データを結びつける。黒い雨に関する被曝者情報は、1万2千件・1万2千人分以上ある。それらは放影研RERFが持っている。全て公開されて、研究が進むとモットわかるだろう。

このように、総被曝線量でみれば、物理学的方法で求めた線量評価でも生物学的医学的な方法でも、遠距離被爆者≒初期放射線被曝が5mGy以下のLSS寿命調査で紫○評価の人は、放射性微粒子による被曝線量が、5mGyの初期放射線被曝線量をはるかに上回る。ところが、放影研RERFの研究設計、LSS寿命調査の研究デザインでは、このLSS寿命調査で紫○評価の人が大半のコホート・群れを実質比較対照群にしている。それは次稿で検討するような歪みをもたらす。

 

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