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原発全停止のあと、どの発電方式で電力を賄っているか、長期エネルギー需給見通し(案)の検討④追記、パブコメ2015/7/1締切 [エネルギー基本計画]

全原発の再稼働を前提に織り込んだ「長期エネルギー需給見通し 2015」の策定に向けた御意見の募集、パブリックコメントが7月1日締切で行われている。それにかかっている需給見通し(案)を検討する。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620215004&Mode=0
これまでは下部の追加欄

電力をどの発電方式で賄っているか?

こういうイメージです。

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再エネの流れ込み式水力と石炭火力と原発がほぼ一定量を発電。
明け方の最も需要が少なくなる時間帯はガス火力発電と石油火力発電で待機予備力 cold reserve に出来ずに運転予備力 hot reserve にした発電プラントの電力が過剰になるから揚水式に蓄電で消化する。
夜が明けて人が動き出し需要が上がると運転予備力 hot reserve にした発電プラントを100%出力へ、待機予備力 cold reserve にしていた火力発電所をガス、石油の順に起動していく。
その後にダム式水力で発電して、最後に揚水式で朝方に蓄電した電力を取り出す。
昼過ぎに人々の活動が減って需要が下がると揚水式からの放電を停め、石油、ガス火力を運転予備力 hot reserve に、待機予備力 cold reserve にしていく。こうです。

3.11後に原発が全て止まった。すると、こう変わっています。

東京電力
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中部電力
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中部電力では2011年5月14日の「浜岡原子力発電所の運転停止以降、高効率の最新鋭火力発電所はベースの役割を、老朽火力発電所は、電力需要のピーク時に対応して稼働するという役割と、他の火力発電所のトラブルに備えるという役割を担っています。」としていまする。

 2011年5月14日に運転停止したのは、浜岡4号機・113.7万kW、浜岡5号機・138万kWで252万kWの穴が供給力にあいた。それを「最新鋭火力発電所はベースの役割」で埋めた。それで減った運転予備力と待機予備力の穴を、老朽火力発電所で埋めたのでしょう。

 中部電力の新潟県の上越火力発電所が建設されました。ガスタービン2台とその排熱を回収利用して蒸気タービン1台を廻し、それぞれ発電機が連結する多軸のコンバインドサイクル発電方式、1,300℃級の熱効率58%以上です。1セットはガスタービン:19万4,150kW × 2軸と蒸気タービン:20万6,700kW × 1軸で、蒸気タービン不具合の応急対策による暫定的な出力で暫定57.568万kW。2セットが1組で、1号系列と2号系列の二組4セット。

1号系列の1号が2012年7月1日から運転をはじめて、1-2号:2013年1月9日で暫定115.136万kW増加となり、浜岡4号機・113.7万kW停止でできた穴を埋めた。その分、老朽火力発電所、例えば1989年に運開した川越火力発電所・1号機・70万kW・熱効率41.7%を寝させられる。2号系列-1号:2013年7月3日、2号系列-2号:2014年5月15日で暫定230万kWとなり、浜岡原発停止の252万kWの穴の9割がた埋まったのです。老朽火力発電所が手当していた運転予備力と待機予備力を他の火力発電所が担うようになって、老朽火力発電所を無理矢理動かしている状態ではなくなっています。

既に原発依存度はゼロです。
このように「原発依存度の低減を図る。」と事改めて云わなくとも、既に原発依存度はゼロです。原発に代替している及び代替する発電は、熱効率の高いガス発電や石炭発電、石油発電です。
 ガスや石油、石炭の燃料をほとんど輸入に頼っている事、こうした燃料には限りがある事、排気ガス中の二酸化炭素の削減を求められている事などから「ガスや石油、石炭を減らすために再エネ電力を如何に如何ほど導入できるか」が需給見通し(案)での正しい問い、問題意識です。


技術的な一つの回答は、熱効率の高い発電プラントに置き換えていくことです。東京電力の平均熱効率は46.9%であり、1%向上すると二酸化炭素排出量が約190万トン削減される。http://www.tepco.co.jp/torikumi/thermal/images/fire_electro_efficiency.pdf

続く

1300℃の高温ガスを使える。現在の原子炉では300℃台だから、原発の熱効率の悪さ、低効率が目立つ。
 核燃料の中心は1850℃ある。2250℃で燃料ペレットが熔け出す。1300℃は余裕でつくれる温度だけれど無理。核燃料の被覆管にはジルコニウム合金でつくられている。中性子吸わないからだ。この合金は温度が高いと、水から酸素剥がして結合する発熱反応を起こす。すると、水素ができる。水素がガスで溜まった箇所では、冷却水の循環が途絶える。PWRの蒸気発生器がそうなったら、熱が原子炉から出ていかない。最悪メルトダウン。

 その水から酸素剥がして結合する発熱反応は1200℃になったら暴発する。1300℃は絶対に無理。ほとんど起こさない温度が300℃台。だから、今の原子炉からは300℃台の水蒸気で熱を取り出して、蒸気タービンを廻すことで核エネルギーを利用できるだけだ。本来の核エネルギーの三分の一を利用できて、残り三分の二、殆どは排熱にせざるを得ない。本当に馬鹿げた代物だ。 2015/6/25追記

長期エネルギー需給見通し(案)の検討の1回目
①省エネルギー、②再生可能エネルギー
http://hatake-eco-nuclear.blog.so-net.ne.jp/2015-06-20

なぜ日本は世界的なパネル価格低下から取り残されたのか
http://hatake-eco-nuclear.blog.so-net.ne.jp/2015-06-21

予備力と再エネ電力
http://hatake-eco-nuclear.blog.so-net.ne.jp/2015-06-22


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Austjeshy

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