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ロシアのコアキャッチャー、MLD:Melt Localizing Device 溶融局所化装置 [AM-メルトスルー、CCI]

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チェルノブイリ事故の反省からメルトダウンに備えRV原子炉直下に、溶けた炉心を受け止め、水で冷却される鉄の容器を設置する技術が生まれた。現在では、コアキャッチャー core-catcherと呼ばれる設備だ。ロシアでは、MLD:Melt Localizing Device 溶融局所化装置、core melt trap 溶融炉心捕獲器と言われる。
ロシアの過酷事故に関するコンピュータ・コード、VECHA/GEFESTを使用して、溶融物に関する初期データを基に開発された。
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VVER-1200のコアキャッチャーは高さ14m、直径6.5m、重さ750tの鋼鉄製の鍋・vesselだ。
その内部の下方には、OSM 、SSMというブロックが積まれている。これらは、落下してくる溶融炉心を受けてその容量を増やし熱物理的衝撃を和らげ、酸化度といった化学的性質をコントロールし、融点≒温度や熱伝導度を管理して容器vesselへの浸食を予防する働きを持たされている。
Ostrovets 1 core catcher 460 (AEM-Technologies).jpgコアキャッチャー模式図.jpgコアキャッチャー設置.jpg
RV原子炉内での溶融炉心の挙動に関する研究では、溶融酸化物層の表面・上面に薄い溶融金属層が層状に形成される。溶融金属層の熱伝導率が高く、崩壊熱やジルコニウムの酸化熱など事故時に発生する熱が、この薄い溶融金属層が接触する箇所のRV原子炉壁に集中し、局所的に高熱負荷(高熱流束)がかかるため、この接触箇所が破れやすくなる。
 コアキャッチャーの熱、つまりデブリの崩壊熱は、上部からスプレイ散水される水と鋼鉄製の容器・vesselの外部に注がられる水の蒸発で気化熱として化して除かれる。
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PCV格納容器には72時間分の量の水がタンクに用意されている。72時間は電力などの供給がなくても冷却が可能な設計になっている。
コアキャッチャー構造.jpg

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