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1号機はデブリでPCV格納容器が損傷!?? [東電核災害の検証]

BWRとPWRの原子炉の底面

PWRはRV原子炉の炉底は制御棒の穴が少ない、ほぼ一様だから先に損傷しやすい箇所がない。それに比べBWRやABWRのRPV原子炉圧力容器は底部は穴だらけ。制御棒を通す穴が開いている。ここは薄く熱で融けやすい、弱いから、炉底が十分な厚さがあってもここから先に損傷する。炉圧が低くなる前の状態でも出やすい。それで、PWRに比べBWRは高圧で噴出するHPMEを起こしやすいとされている。

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東電核災害での溶融炉心の出方

溶融炉心の落下の様相は大きく2種類とされている。「炉圧が低圧状態でRPV原子炉破損、ペデスタル床に溶融炉心が落下」のLPMR low pressure melt release (release は放つこと、投下)。3号機は3月13日02時半頃(地震発生後約36時間)に炉心は露出を始め、14日07時頃RPV損傷したと見られている。その間のRPV原子炉圧力は実測で0.5MPa(絶対)以下である。3号機は「ペデスタル床に溶br融炉心が落下」のLPMRである。

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もう一つは「高圧状態でRPV原子炉破損、ペデスタル床などに溶融炉心が飛散」のHPME  high pressure melt ejection (ejection は放出、噴出)のパターン。1号機は、11日18時頃に炉心は露出を始め、40分後の18時40分頃からメルトダウンを開始したとみられている。それ以降でRPV原子炉圧力の実測は2回。11日20時頃に7.0MPa(a・絶対)、12日02時45分頃の0.9MPa(a)。東京電力は、TIP(移動式炉心内計測装置)の案内菅からPCV外に水蒸気・放射能の漏洩、主蒸気管フランジからPCV内のD/Wへの放出を仮定している。その二つの仮定でシュミュレーションして、RPV圧力容器の損傷前に0.9MPa(a)位に低下している結果を出している。
 しかし東電によれば「計測されたパラメータや観測事実から、これらの箇所から実際に漏えいが生じたか否かについては直接的な証拠は得られて」いない。この仮定を除くと、RPV原子炉圧力が、7.0MPa(a)程度で推移する。7.0MPa(a)は、SRV主蒸気安全逃し弁の安全弁機能で弁が開き炉の蒸気などがD/Wに噴出した後に炉圧の低下で弁が閉まり吹き止まる圧力程度である。7.0MPa(a)程度で推移し、そして、「炉圧高圧状態でRPV原子炉破損、ペデスタル床などに溶融炉心が飛散」のHPMEがおこり、RPV原子炉圧力容器の損傷で炉圧は一気に低下した。PCV格納容器の圧力は02時30分頃に0.84MPa(a)となっている。02時45分頃のRPV原子炉圧力の0.9MPa(a)とほぼ同じである。ツーツーになっている。

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 落下、飛散したデブリ

RPV原子炉圧力容器の下、PCV格納容器の下部D/Wとかペデスタルと呼ばれる場所に落下 release 、飛散・噴出 ejection したデブリ(核燃料ペレット、被覆管、構造材などが溶融した溶融炉心)。デブリの動きは水平方向と垂直方向がある。
 直下のPCVのコンクリート床を熔かして沈んでいく。熔かすに連れて時間と共に容積、容量が大きくなる。その一方、崩壊熱は時間が過ぎるほど減っていく。デブリの温度が下がります。コンクリートを熔かすには約1200℃以上の温度が必要。500℃以上になるとセメント水和物が結合力を失い構造物としての限界でボロボロだが融けない。

1号機、PCV格納容器を熔かし貫通した??
 水平にはデブリの温度、つまり流動性によって1秒間に数mから数cmの移動と言われている。PCV格納容器の壁に突き当たり熔かして貫通することがあり得る。1号機は「溶融した燃料は、ほぼ全量がRPV下部プレナムへ落下しており、元々の炉心部にはほとんど燃料が存在していない」とされ、HPMEで落下時に遠くまで、壁近くに落ちた?こともありPCVを溶融している可能性がある。
 
 国際廃炉研究開発機構(IRID)の「鈴木俊一開発計画部長によると、溶融燃料の位置はまだ不明だが、1号機の格納容器からの漏えい状況を調べた結果、厚いコンクリートの上にあるペデスタルの内側だけではなく、配管など脆弱(ぜいじゃく)な部分があるペデスタル外側の格納容器下部にも燃料が達し、直接格納容器を損傷させている可能性が否定できないという。」(福島民友、2014年9月11日)
 発表資料を見ると、PCVとコンクリート基礎の間、境界にクッションで挿んであるサンドクッションの場所である。

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沸騰水型の弱点
 
この箇所の問題は、後藤政志さんが東電の発表があった時に取り上げて、2013年11月15日触れている。東北電力のマークⅠ型の女川原子力発電所 1号機、マークⅠ改良型の女川原子力発電所 2 号機、3 号、東通原子力発電所 1 号機機、柏崎刈羽原発の1、2、3、4、5号機のマークII、マークII改良にもサンドクッションがある。後藤さん は「こういう問題さえわからないままで、なぜ原発プラントを 動かそうとするのか。 特に沸騰水型は論外。」と結んでいる。

http://gotomasashi.blogspot.jp/2013/11/41.html
http://togetter.com/li/592141

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