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原子力「航空機衝突影響評価に関する審査ガイド」パブコメ [原子力規制委員会、指針・基準]

本施設は、ポンプ、フィルター、発電機、燃料タンク、緊急時制御室等で構成される大型施設であり、かつ耐震クラスS、原子炉建屋近傍の施設には故意による航空機衝突への頑健性が要求されています。審査ガイドの制定を予定しています。つきましては、下記のとおり、広く国民の皆様の御意見を募集いたします。締切2014年9月5日
意見の趣旨
空想的、夢想的な想定をやめ、衝突地点の周辺に被害が広がることを想定すべきである。
実用発電用原子炉に係る航空機衝突影響評価に関する審査ガイド(案)の「7 判断基準」は変更を求める。
「航空機衝突により、(1)評価対象設備の必要な機能が喪失しないことと(2)必要な離隔距離(例えば100m 以上)のない設備等の機能が相当期間喪失しても過酷事故に至らない事」
意見の詳細
航空機衝突影響評価に関する審査ガイド(案)の航空機衝突時のイメージが空想的、夢想的である。

図4.jpg図2.エンジン等の衝突による局部的損傷のイメージや図4.航空機全体衝突による全体的損傷のイメージでは、航空機が水平に衝突している。この衝突はテロリズムなど故意の衝突も含めている。建屋では、天井が最も厚みなど強度が低いことは衆知である。東電核災害での水素爆発でも建屋天井は全面崩落しているが、横壁の鉄筋、構造は残っている。こうした事はテロリストたちも当然知っている。
 であるから、テロリストたちが比較的強固な建屋横壁に水平衝突してくるという想定は、余りに空想的である。旧日本海軍における急降下爆撃の降下角度は50~ 60度の間であった。 一般に急降下爆撃というのは降下角度が30度以上になるものを言うようである。旅客機が滑走路へ近づく際の適正な進入降下角は、「どの機種でも、だいたい3度」である。(日本航空 月刊誌AGORAの「Captain 103 滑走路への降下」より)建屋で比較的に弱い天井に、ある程度の降下角度をもって落下してくると想定すべきである。
1号機.jpg
また、ボーイング777-300は全幅約60m、全長約70m。成田発ニューヨーク行ボーイング777-300ERは大体17万リットル・137トン分程度のケロシン系ジェット燃料を積んでいる。それの燃焼エネルギーも加えてダメージ計算する必要がある。周辺プラントはほぼ壊滅と考える。

 こうした衝突地点の周辺に被害が広がることへの配慮が足りない。特定重大事故等対処施設に関する審査ガイド(案)では、「原子炉建屋及び特定重大事故等対処施設が同時に破損することを防ぐために必要な離隔距離(例えば100m 以上)を確保すること」とあるが、他の周辺プラントが見落とされている。航空機衝突影響評価に関する審査ガイド(案)では、衝突された建屋の損傷を評価審査するようになっているが、評価対象建屋等の屋外におけるエンジンや車輪(着陸装置)等による損傷や火災は考慮が不十分である。

 例えば、周辺に配置してある移動式大容量ポンプ車、大容量空冷式発電機などの代替機器はエンジンや車輪(着陸装置)等によって直接破壊されたり燃えて壊滅することがありうる。そのほか、建屋に接近する道路が破損し通れないとか、繋ぎ込みなどの作業ができないなどの要因で全て長期間使用できない事は想定されていない。その想定の上で、既に建屋内に設置してある諸設備で、冷温停止できるかを審査する必要がある。

 ところが、先日、意見公募にかかった九州電力株式会社の川内原発の審査書(案)では、そうなっていない。全交流電源喪失・SBOに陥っても、約35分から1時間で大容量空冷式発電機を繋ぎ込んで交流電源が回復するとする九州電力の主張をそのまま認めている。川内原発の審査書(案)でSBOに陥って、周辺に配置してある移動式大容量ポンプ車、大容量空冷式発電機などの代替機器が長期間使用できない場合を評価、審査していない。従って、川内原発の審査書(案)はやり直すべきである。
実用発電用原子炉に係る航空機衝突影響評価に関する審査ガイド(案)の「7 判断基準」は変更を求める。
「航空機衝突により、評価対象設備の必要な機能が喪失しないこと。」から
「航空機衝突により、(1)評価対象設備の必要な機能が喪失しないことと(2)必要な離隔距離(例えば100m 以上)のない設備等の機能が相当期間喪失しても過酷事故に至らない事」

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