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川内原発パブコメ(2)加筆版 火山、噴火の危険性から直ちに使用済み核燃料の安全な地域への搬出保管と廃炉が妥当 [核のガバナンス・パブコメ]

「Ⅲ-4.2.2 火山の影響に対する設計方針」(61頁から69頁)について

意見の要旨 地殻変動及び地震活動の観測データ等でのモニタリングで巨大噴火が予知可能とする九州電力の主張とそれを是認する審査書は、科学的、技術的に妥当な根拠がなく信頼できない。川内原発の危険性を保守的に評価すれば、直ちに使用済み核燃料の安全な地域への搬出保管と廃炉が妥当である。少なくとも専門家による検討及び火山影響評価ガイドの見直しを実施し、審査をやり直すべきである。その間に九州電力に使用済み核燃料の搬出方法の明確化や受け入れ先の確保などを求めるべきである。

意見

3.火山活動のモニタリング

兆候把握時に必要な対処の中に「燃料体等の搬出」があることを考慮すると、噴火の数十年前には予測できなければならない。報道(A)では「九電は予兆を察知した場合には核燃料を安全な場所に緊急移送すると明言しながら、実際には原子炉を止めて運び出すまでに二年以上かかる上、搬出方法や受け入れ先の確保なども具体的に検討していない」「九電の担当者は取材に『巨大噴火の予兆は噴火する数十年前に察知できるとの前提なので、その時に検討する』とコメント。」だから数十年前に予測できなければならない。審査書にある地殻変動及び地震活動の観測データ等でそのような精度の噴火予測が川内原発で可能であろうか。予測実績のあるモニタリング方法の有無、それが川内原発に適用可能かなど、その点について、科学的、技術的説明が全くない。


藤井敏嗣氏(火山噴火予知連絡会会長)によれば「我々は巨大噴火を観測したことがない。どのくらいの前兆現象が起きるか誰も知らない。」(朝日新聞2014年5月8日)
「これまで前兆現象を認識できたのはせいぜい数日前で、ほとんどが数時間前。モニタリングで噴火時期が判定できるというのは火山学の常識から外れています。」(赤旗、2014年5月11日)

中田節也氏(東大地震研究所教授)「何らかの噴火の前兆はつかめるが、それが大きな噴火か、小さい噴火のままの兆候か、火山学的にはその時点では分からない。『異常』のサインをいつ出せるか、カルデラ噴火に至る時間的プロセスもわかっていない。それなのに大規模噴火の前兆を捉えられるという話にすり替わった」「規制委が要請すべきは、燃料を運び出す余裕を持ってカルデラ噴火を予測できるモニタリングのはず。それは無理だと規制委にコメントしたが、全然通じていない。」(南日本新聞6 月12 日付)

このように科学的には数十年前のような精度の噴火予測は不可能だ、少なくとも現在の科学の水準では求められる精度の噴火予測は達成されていないと判断される。

内閣も「巨大噴火については、その前兆を捉えた例を承知していない」(5 月13 日付政府答弁書)としている。さらに、「カルデラ噴火については、その前兆を捉えた例を承知しておらず、噴火の具体的な発生時期や規模を予測することは困難である」(6 月27日付政府答弁書)

「火山爆発指数・IVEで7以上の巨大噴火は、予兆で噴火する数十年前に察知できる」としているのは、九州電力(株)と原子力規制委員会である。この2者だけと言える。

原子力規制員会は、この点について火山学者などが納得できる科学的説明を尽くした審査書を公表すべきである。内閣や一般国民に説明責任を果たすべきである。

それが現時点で不可能であるならば、川内原子力発電所の審査は一旦中断し、専門家による検討及び火山影響評価ガイドの見直しを実施し、審査をやり直すべきである。


報道(A)・・巨大噴火リスク 川内原発 核燃料緊急移送 手つかず、東京新聞2014年7月25日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014072502000131.html

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2.原子力発電所の運用期間における火山活動に関する個別評価

運用期間はどれ位とみているのか。不明です。

使用済み核燃料が発電所内にあると考えられる期間で評価すべきです。使用済み核燃料は、再処理施設、最終処分場所、中間貯蔵施設など川内原発から搬出される目途は、現在無い。従って、少なくとも数百年単位の期間で評価すべき。

九州電力は、南九州の巨大噴火頻度は6から9万年間で1回であり、最新の噴火から7千から3万年しか経てないので、川内原発の運用期間中の発生可能性は十分小さいと主張する。規制委員会の火山評価ガイドには何をもって発生可能性が「十分小さい」と判断するかは書かれておらず、曖昧かつ恣意的な基準を利用した過小評価である。また審査書のいう火山爆発指数・IVEで7以上の噴火の平均間隔約9万年という表現は、この過小評価を是認する印象を与えるから削除すべきである。

内的事象を起因とするシビアアクシデントの確率を1万炉年に1回程度、シビアアクシデントから放射能の早期大量放出に至る事故の確率を10万炉年に1回程度にすることを目標にしている。活断層では12から13万年前以降に動いた活断層上への原発立地を不適している。これに較べても、審査書のいう火山爆発指数・IVEで7以上の噴火の平均間隔約9万年、九州電力の主張する南九州の巨大噴火頻度は6から9万年間で1回では、この地での原発立地は許容できない。


藤井敏嗣氏(火山噴火予知連絡会会長)は「一般的に火山が規則正しい間隔で噴火を続けることはごくまれです。過去の噴火間隔から次の噴火時期を予想することは困難です。原発の運用期間である最大60年の間に噴火があるかどうかは判断できません。」

早川由紀夫氏(群馬大学、火山の地質学が専門)は火山学者の中には「火山爆発指数・IVEで7以上のカルデラ破局噴火の繰り返し間隔は、最も短い事例を採用するべきだ。(日本に限っても)十和田湖は3万年前と1万5000年前に噴火した。1万5000年間隔だ。最後の噴火から1万5000年以上たったカルデラは、今年に破局噴火してもおかしくないと思うべし。」と述べています。

中田節也氏(東大地震研究所教授)は「カルデラ噴火は、日本では1 万年から数万年に1 回おきており、同じ場所で繰り返すのが特徴です。姶良カルデラは前の噴火から約3 万年、阿多カルデラも約10 万年が経過しており、両カルデラのある錦江湾の地下にマグマがたまっているというのは火山学者の常識。そろそろ何かの兆候があっても不思議はありません」(毎日新聞6月26日)

井村隆介氏(鹿児島大准教授火山地質学)「50年ほどの間に噴火しないとは科学的には言えない」


このように科学的考察から川内原発の危険性を保守的に評価すれば、直ちに使用済み核燃料の安全な地域への搬出保管と廃炉が妥当である。少なくとも専門家による検討及び火山影響評価ガイドの見直しを実施し、審査をやり直すべきである。火山噴火予知連絡会や火山関連学会の専門家に「本当に観測で予知可能かどうか」「火山影響評価ガイドの問題点はどこか」など尋ね学び、ガイドの見直しをおこなうべきである。、審査をやり直し、その間に九州電力に使用済み核燃料の搬出方法の明確化や受け入れ先の確保などを求めるべきである。そうした見直し、再審査等を経て、再び審査書(案)をパブリックコメントにかけるよう提案する。


報道①・・巨大噴火リスク 川内原発 核燃料緊急移送 手つかず、東京新聞2014年7月25日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014072502000131.html

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