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新米の放射性セシウム汚染を占ってみました [放射能検査と摘発、食品、水]

1959年から2001年まで、全国17ヶ所の水田の土壌及び収穫された米の放射性セシウムを分析しています。核実験などによる放射性降下物の影響を調べるためです。土壌中の放射性セシウムは、地上核実験が盛んに行われていた1960年代が最高で42Bq/kg、それ以後徐々に低下して2000年頃で10Bq/kg程度です。

一方で、玄米は、1963年に最高で11Bq/kgですが、その後は急速に低下し、1980年代には0.1Bq/kg以下、そして2000年には0.04Bq/kgにまで低下しています。その結果、土壌から玄米への移行係数は1960年代前半は0.1~0.2でしたが、その後は急速に低下し、1980年代以降は0.01を切っています。

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 米の消費量は1962年にピークで米生産量は生産性の向上等により1967年から3年連続で1,400万tを超える豊作となり、大幅な生産過剰が続き、1971年から本格的に生産調整が開始されます。それで栽培品種が多収穫米から食味良好米に変わっていきますが、良食味米はカリウムが少ないという成分特徴があります。セシウムは生物ではカリウムと間違えて吸収されます。それで、移行係数が激減したと見られます。また白米に精米すると更に放射性セシウムは1/2~1/10になります。
新潟県の土壌では、農水省の指示で行われた、大量放出後の4月11日の調査で、下越が30と20 Bq/kg、中越で17、上越で14です。文科省の核実験の放射性降下物汚染調査が1960年から継続して行われています。農水省とやり方が違うのですが、2009年に柏崎市で約5.9で、秋田市は約22、山形市約13、長野市約45、金沢市約23です。

 もちろん実測値が一番確実ですが、収穫前の現時点では今年の新米の放射性セシウムの量は、多くて昨年産のアキタコマチ程度、数値的には下越産で3~0.2Bq/kg程度と予想されます。

 農水省は移行係数を0.1と大きめにとり、年間5mSv・ミリシーベルトの内部被曝の暫定規制値(500 Bq/kg)以下となる土壌中放射性セシウム濃度の上限値を5000 Bq/kgとしています。この暫定規制値のやり方で、年間の内部被曝を1mSv以下にしたいのなら土壌での上限値は1000 Bq/kg、内部被曝を0.01mSv以下なら土壌で50Bq/kg以下です。新潟の土壌濃度は先ほどの通りです。

 農水省の土壌上限値5000 Bq/kgは、面積単位のBq/m2の変換すると、土を表面から5cm取る文科省の測定法の値では50倍、農水省の測定法は表土から15cmとるので150倍くらいするそうです。Bq/m2→μSv/hへの変換は282000で割ります。それで農水省の5000 Bq/kgは2.66μSv/hで年間では約24 mSvですから、福島県の避難地域の一部でも稲作が可能です。

 先日の報道では、おコメを混ぜた業者が摘発されていましたが、虹屋のおコメではそうしたことはありません。虹屋は、新潟市の大月、加茂と生産者が決まっています。東京などでは、偽装「新潟産米」を買う可能性がありますが、新潟では先ずないと思います。 


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