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柏崎刈羽原発に非常用デーゼルポンプ・消火用を2台しか設置してない東電。 [原発 冷却注水の確保]

原発の消火系・FP(Fire Protection System)は、メルトダウンのような過酷事故対策・AMでは原子炉への注水に利用されます。柏崎刈羽原発への発電所外部からの交流送電が途絶え、各号機に3台ある非常用発電機が稼動しない場合には、電動のポンプが動きません。この状態を全交流電源喪失・SBO(ステーション・ブラックアウト)といいますが、その時に消火系・FPの非常用デーゼルポンプで原子炉に冷却水を注水する手順に2002年からなっています。ですから、重要なデーゼルポンプです。消火系・FPの非常用デーゼルポンプの略号は、D/DFP、D/D-FP。
 東京電力の資料、《参考資料1》福島第一原子力発電所事故の教訓と対策(平成24年12月14日)を見つけ読んでいたら魂消ました。東電は柏崎刈羽の7つの原子炉用に2台しか設置してないのです。柏崎側(荒浜側)の1~4号機共用で1台、刈羽側(大湊側)に5~7号機共用で1台です。全交流電源喪失・SBOの炉への注水で重要なのに、たった2台。

 東電は「同時に被災及び火災が発生した場合を想定し、D/D-FP以外の低圧注入手段が喪失した場合に備え、D/D ポンプを新設し、全号機への低圧注水対応が可能となるよう強化する。」ことを検討中と記してあります。それは、1~4号機共用の予備に1台、5~7号機共用で1台で、それも送水能力は今よりも小さい。各号機に専用の1台を新たに設置し、今の共用を予備に回すなら話の筋「強化する」と言えますが、能力の劣ったものを2台新設しても、
全交流電源喪失・SBOの炉への注水方法

原子炉は運転時には約70気圧・70Mpa(メガパスカル)あります。全交流電源喪失・SBOで緊急停止後の炉圧が高い場合は、RCIC・原子炉隔離時冷却系で炉に注水します。これは核燃料の崩壊熱により原子炉で発生する水蒸気でタービンを廻し、その力でポンプを駆動する注水システムです。定格流量は約180㎥/時、注水圧力は約20~90気圧(揚程は200~900m)です。柏崎刈羽6、7号機には各1台が設置されています。東電はさらにもう1台、米国製の代替高圧注水設備(TWL)という水蒸気駆動のシステムを6、7号に付けるそうです。

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 この二つの高圧注水システムは、初期は復水貯蔵槽(タンク)から、最終的には格納容器の圧力抑制室プールの水、柏崎刈羽6、7号機では各3600トンのプール水が水源です。またプールには原子炉で発生する水蒸気が出されます。つまり崩壊熱で熱水化する水が水源です。圧力抑制室のプール水温が上がると、熱気で格納容器の圧力が上昇します。復水貯蔵タンクを使わない場合に最高使用圧力到達が約16時間後です。

 また、崩壊熱により原子炉からの水蒸気がエネルギー源です。水蒸気圧力の作動最低圧があります。水蒸気圧力は原子炉圧力と同じです。柏崎刈羽原発6、7号機のRCIC・原子炉隔離時冷却系の作動圧範囲は東電に問合せていますが、他のBWRは7.86~1.04MPa(約78~10気圧)です。この下限の約10気圧以下になるとRCIC・原子炉隔離時冷却系で炉に注水できなくなります。
 1379374248.jpg 原子炉の炉圧が高いと水の沸点は高いのは、圧力釜と同じです。約16気圧では200℃で、約10気圧で180℃です。炉を100℃以下の低温停止にするには、炉の圧力=水蒸気圧力を下げなくてはなりません。そして約10気圧以下になるとRCIC・原子炉隔離時冷却系で炉に注水できなくなります。交流電源があると電動ポンプでの注水、低圧注水のシステムがあります。BWRの低圧炉心スプレイ系(LPCS)が2.03MPaから、低圧注水系(LPCI)は1.55MPaから注水が可能になります。ABWRの柏崎刈羽原発6、7号機の低圧注水系の圧力値は東電に問合せていますが、ほぼ同じだと見られます。

 事故対応の手順書のやり方では、RCICで注水を継続しながら炉圧が下がって、下げて低圧注水システムでの注水が可能になったら、RCIC注水と平行して同時に低圧システムを作動させます。配管などに損傷が無く、弁の開閉も間違えなく注水が順調に始まったことを確認します。中央制御室で弁の開閉状態を示す表示の多くは、操作盤から出ている指令信号が開信号か閉信号を示しています。実物の弁が開いているか閉じているかを示していません。重要な弁にはモニター装置が付いていますが、これも誤作動があります。従って、注水が順調に行える確認は欠かせません。

 それをしないで、いきなりRCICを切って低圧系に変えて注水が無くなったらどうなるでしょうか。ABWRの柏崎刈羽原発6、7号機では、注水が止って約45分後には核燃料の被覆が損傷し放射能のギャップ放出が始まります。約70分後にはメルトダウンが始まります。45から70分間で配管などに損傷や弁の開閉を直せる保証は何処にもありません。従って、注水が順調に行える確認は欠かせません。

 ところが、全交流電源喪失・SBO(ステーション・ブラックアウト)の時に使える低圧注水システムは、消火系・FPのデーゼルポンプ・D/D-FPだけですが、D/D-FPは注水が順調に行える確認はできません。

一か八かの度胸勝負を強いる手順

東電の資料では「全揚程75m」となっています。これは水を75mの高さまであげられる圧力が出せる性能ということです。水は10mで約1気圧ですから、約7.5気圧・0.75MPaの水圧で水を出せるということです。これは消火栓、スプリンクラーなどに送水する本来の場合です。原子炉に注水するには、MUWC系とRHR系と復水給水系を通らなければなりません。その曲がりくねった配管や弁(MUWC系で2ヶ、RHR系で5ヶ、復水給水系で3ヶ)を通過する際に圧力損失が発生します。大概は1気圧程度を見込みますので、原子炉に到達時には約6.8気圧・0.68MPa程度です。つまり原子炉の炉圧が、RCICが停止する約10気圧から消火系・FPのデーゼルポンプ・D/D-FPで注水が可能になる約6.8気圧の間は原子炉に注水できるシステムが今はありません。炉の冷却水は減るだけです。

1380554801.jpg 約6.8気圧に下がった、下げてから、消火系・FPのデーゼルポンプ・D/D-FPで注水を行うとします。その際には水が通る弁だけでなく、水が他所へ行かないように開閉する弁が20ヶあります。この弁が正しく開閉されていなければ、炉に冷却水が届かない、他所に行ってしまって不足することになります。しかし、それを事前に確かめる術はありません。一か八かの度胸勝負です。負けてD/D-FP注水が上手くいかなかった場合に配管損傷や弁の開閉を直すのに使える時間は45分から70分と限られています。6.8気圧までに下げる間に失われる水量、下がっている水面高を考慮するともっと短いと考えられます。東電核災害での福島第一でのベント配管の構成にかかった時間を思うと、私は45分から70分では点検すら終わらない、メルトダウンの可能性が高いと思います。
 さて、D/D-FPで炉への注水を行わないで高圧系を使い続けるとします。まずベントを避ける遅らせるには、どのような手があるでしょうか。D/D-FPでRCIC・原子炉隔離時冷却系の水源となっている圧力抑制室プールに冷水を注水すると崩壊熱での熱水化を抑制できます。格納容器の圧力上昇を抑えることができます。柏崎刈羽の6、7号機に今付いている消火系・FPの共用のデーゼルポンプ・D/D-FPは定格容量は1時間に177トンです。号機当り約88トンの注水が可能です。もともとのプール水量は3600トンですから、1時間に2.4%増量できます。

 RCIC・原子炉隔離時冷却系は、約8時間使用で設計されています。東電核災害では2号機は100時間ほど動きましたが、そのメカニズムは不明で柏崎刈羽6、7号のRCICが100時間動くとは言えません。3号機は24時間ほどでゴロゴロという音を立てて止っています。8時間設計の3倍の24時間、それ位しか見込めません。新たに設置される米国製の代替高圧注水設備(TWL)はカタログデータには最高使用温度が120℃とあります。TWLは送水ポンプと一体化されていますから通過する圧力抑制室プール水で冷されて機器全体で120℃以下であればよいわけです。13気圧ほどの水蒸気圧の蒸気温度は約190℃、10気圧で約180℃、1時間に2.4%プール水量が増量しても熱容量的にみると約1日後にはプール水が120~100℃近くまで上がりますから、代替高圧注水設備(TWL)も1日位しか稼動できません。つまり、高圧系の注水は約1日くらいしか出来ないと想定されます。

 それでは、既設の消火系・FPのデーゼルポンプ・D/D-FPが使えないのなら、消防車を使って送水することはできるでしょうか?
1379706807.jpg 東電は「消防車8台(AⅠ級2台,AⅡ級6台)をT.P.約35mの高台に分散配置。消防車により建屋に設けた注水口等から注水可能。」「AⅠ級のポンプ仕様:高圧放水圧力1.4MPa,高圧放水量120m3/h以上、AⅡ級のポンプ仕様:高圧放水圧力1.4MPa,高圧放水量84m3/h以上」としています。この高圧放水なら注水圧力としては十分可能です。RCIC・原子炉隔離時冷却系を水蒸気圧=炉圧が1.3MPa約13気圧で稼動し注水を行いながら、外から消防車の高圧放水機能・約14気圧でで注水を試みる。消防車で注水ができることを確認してから、炉圧を下げていく。注水が出来なければ、配管や弁を点検する時間は、RCIC注水が継続しているの十分に取れます。炉圧が下がればRCICは停止するが、原子炉の沸点=温度も下がっていきます。
 しかし、消防法を読むと、現状では無理、高圧放水の1.4MPaでは使えないことが分かりました。
続く


柏崎刈羽のABWRでは 炉心、圧力容器への注水機能は働く場合(結01)東電vs泉田知事⑲ [原発 冷却注水の確保]

東京電力は柏崎刈羽原発は外部電力を失っても、非常用デーゼル発電機・DGが稼動できればスクラム(緊急停止)から約1時間半で冷温停止(100℃)まで冷却可能としています。それはスクラムして核分裂反応を止めてから主蒸気逃がし安全弁を開操作して炉内の高圧高温水蒸気を圧力抑制室プールに送り、急速減圧と減圧冷却を行う。炉注水は先ず崩壊熱で発生し逃し弁から放出される原子炉蒸気でポンプが駆動するRCIC・原子炉隔離時冷却系が担う。

炉圧が下がってきたら、非常用デーゼル発電機・DGの電力でLPFL・低圧注水系の電動ポンプを駆動して注水を維持し、原子炉圧力容器の水面、核燃料を包み除熱する水を保ちます。東電核災害で公表された福島第一原発の事故対処の手順書・マニュアルのやり方では、RCIC・原子炉隔離時冷却系とLPFL・低圧注水系が共に注水できる炉内圧力になったら、作動可能圧力が重なる帯域になったら、例えば15気圧になったら、RCICを稼動させたままでLPFL・低圧注水系の運転を始めます。LPFL・低圧注水系による注水が順調に始まり、配管損傷などがないことを確認してから、RCIC・原子炉隔離時冷却系を停止し、LPFLに切り替えます。ます。のが稼動できます。蒸気圧が下限10気圧程度になったら、この資料ではLPFL・低圧注水系に炉注水が変ります。その結果、「スクラム後から冷温停止(100℃以下)まで約1.5時間」としています。


非常用デーゼル発電機・DGも停止する全交流電源喪失・SBOの場合は、約1時間半で冷温停止できるでしょうか?

東電の「安全確保に関する考え方」では、12時間は消防車など可搬設備は使わず使えず、既設の設備で中央操作室の運転員が対処することになっています。それで、RCIC・原子炉隔離時冷却系の「起動失敗または継続運転に失敗した場合に、早期に起動可能な」高圧代替注水系(HPAC)を新たに設置するとしています。

1379706807.jpg SBO・全交流電源喪失時に使える低圧注水系は、現在は消火系・FPのデーゼルポンプ1台です。そのうえ、注水可能な炉圧がRCIC・原子炉隔離時冷却系の下限約10気圧より低い約6気圧です。このため、これを使うには、原子炉を約10気圧から約6気圧まで下げる必要があります。その間は炉への注水がなくなります。原子炉水位の低下=核燃料損傷の危険性があります。さら約6気圧まで減圧しても、デーゼルポンプ注水が上手く行かない場合には一気にメルトダウンへ向います。一か八かの賭けをすることになります。

 まず、消火系・FPのデーゼルポンプの吐水・注水圧力をRCICの下限よりも上にする性能強化を行うべきです。これは消火用ポンプの性能を消防法のA-1またはA-2にすることです。2002年までのシビアアクシデント対策で、消火系も低圧注水の代替に使うことになりました。この11年前に、原子炉・炉心への注水は一瞬たりとも途絶えさせない方針が採られていたら、当然、ポンプ性能の強化は行われている対策です。それを怠ってきたツケを払う時です。

 A-1は通常使用の規格放水圧力で約8.5気圧で1分間に2.8トン出せます、高圧放水で約14気圧・1.4トン/分です。A-2は、規格放水圧力で約8.5気圧・2トン/分、高圧放水で約14気圧・1トン/分です。ですから、高圧放水の性能を使えば、炉の圧力が13気圧程度にさがりRCIC・原子炉隔離時冷却系とA-1、A-2規格の消火系・FPで共に注水できるようになります。消火系のポンプを起動しRCICと共に注水していること、無事使えることを確認します。

 柏崎刈羽原発6、7号機では最低必要注水量は、スクラムから5時間後までは約62トン/時、5~10時間後は約57トン/時です。約14気圧の高圧時にA-1なら1時間に1台で84トン、A-2なら60トンが炉に注水可能ですから、ギリギリ間に合います。原子炉の炉圧を下げれば、注水量は増えます。約7気圧に下がるとA-1なら1時間に1台で144トン、A-2なら120トンです。

火災との複合災害に備えて、送水管、接続部の耐圧強化
払わなければならない11年前からのツケ、2002年までのシビアアクシデント対策の不足はポンプ性能強化だけではありません。火災とSBO・全交流電源喪失が重なっている複合災害に備えて、消火系配管や接続部の耐圧強化が必要です。消防法では、送水圧力の設計想定が1.0Mpa約10気圧を境に設備に求める性能が大きく違います。分かり易い例では、10気圧以上対応の送水管は材質が同じなら倍の厚みになります。現在設置されているものは、約6~7気圧送水で設計施工された配管・接続です。そこに約14気圧で送水したら、破裂や接続部から漏水します。消防法にも違反します。

 火災とSBO・全交流電源喪失が重なった複合災害で、こうした配管・接続の強化がなかったら、炉への注水を諦めるか、炉への注水を優先して火災、電源ケーブルや操作や計測に必要なコードなどが燃えるに任すかという2択になります。火災にも消火用水を送り、同時に炉に注水するには消火系配管や接続部の耐圧強化が必要です。この耐圧強化は、消防車を使う場合にも必要です。

 また、炉圧が高圧時の注水系では「起動失敗または継続運転に失敗した場合に、早期に起動可能な」高圧代替注水系(HPAC)を新たに設置しています。低圧時も同様に消火系・デーゼルポンプを複数にすべきです。

 このようにすれば、柏崎刈羽原発はSBO・全交流電源喪失でもスクラム(緊急停止)から約1時間半で冷温停止(100℃)まで冷却可能になると考えます。

次は圧力抑制室プール水の冷却

 さて、このように冷温停止しても、この停止状態は持続的ではありません。圧力抑制室プール水に崩壊熱が蓄積します。非常用デーゼル発電機・DGが稼動する場合は、RHR・残留熱除去系の3つの電動ポンプが稼動できます。それでプール水に蓄積した崩壊熱は、RHR-Hx・熱交換器を経て海に排熱されます。SBO・全交流電源喪失での対策がありません。蓄積する崩壊熱で、格納容器の破損が生じます。続く

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3号機は?? 原子炉の水頭圧によるRHR-Hx強制通水 炉心、圧力容器への注水機能は働く場合(転)東電vs泉田知事⑱ [原発 冷却注水の確保]

シビアアクシデント対策・AMは2002年までに整備されています。それで、原子炉・炉心への注水は、一瞬たりとも途絶えさせない方針が貫かれ、消火系・PFを高圧送水機能・14気圧(1.4MPa)で使える配管の耐圧強化がされて、A-1規格の消防デーゼルポンプが設置されていたら、3.11東電核災害の様子はどのようになっていたでしょうか?仮に、建屋に備え付けのA-1規格のデーゼルポンプは1.4MPaの高圧は出ず70%の0.98MPa程度で1時間に80トンしか出せない被害を受けた、津波から12時間後、3.12の3時半にガレキを片付け道路を確保して消防車(A-2)を1台建屋に横付けにして注水が準備され、何時でも原子炉に高圧・14気圧(1.4MPa)での大量注水(1時間に60トン)が可能になったとします。

 2号機はメルトスルーは起きなかった、1号機はメルトスルー後の注水になるがデブリとコンクリート反応による大量の水素発生は防げて、水素爆発は小規模化し起こらない可能性があるという検討結果でした。今回は3号機です。

3号機

 3号機は、直流電源は浸水を免れ、弁の開閉操作に必要な電力や窒素ガス、圧搾空気がありました。3月13日の2時42分頃まで弁操作は可能な状態でした。RCIC・原子炉隔離時冷却系が炉で崩壊熱で発生する水蒸気で駆動して注水が行われています。

 RCIC・原子炉隔離時冷却系の稼動には炉の水蒸気圧は設計では1.04MPaが下限です。私の仮定では、建屋に備え付けのA-1規格のデーゼルポンプは0.98MPa程度で1時間に80トンで作動可能です。また、東電の「安全確保に関する考え方」の12時間後に可搬設備の使用が可能との枠組み通りに12日の3時半に消防車(A-2規格ポンプ)で注水可能としています。

 被害を受けた備え付けのA-1規格のデーゼルポンプでは、1.04~0.98の炉圧域で炉への注水が途絶えます。原子炉の水位が下がり、核燃料が水面上に顔を出す可能性があります。アメリカのBWR運転事業者は、原子炉水位の低下=核燃料損傷の可能性に拘泥せずに、注水ポンプの吐水圧力を下回るまで速やかに原子炉圧力を下げて、その後に間髪を入れずに注水して一気に原子炉圧力容器を冠水するという対処法を後智恵で出しています。これはデーゼルポンプでの注水が上手く行かない場合には一気にメルトダウンとなります。アメリカの後智恵は、一か八かの賭けです。

 東電の事故対処の手順では、RCIC・原子炉隔離時冷却系の稼動中にそれに替わる注水ポンプを作動させて注水が行われることを確認してから、RCICを停止することになっています。ですから、12日3時半に消防車で1.4MPaで注水可能になるの待って、注水が継続できること確認して切り替える方法を選択します。12日3時半以降に消防車による代替注水に切り替えます。今時点ではスクラムから約13時間です。

 スクラムから10~20時間以降の3号機の必要注水量は1時間に28トン、20時間以降は25トンとシビアアクシデント対応の手順書に記されています。従って1時間に60トンの注水を継続すれば、水蒸気にならず熱水となり原子炉内から水があふれます。蒸気逃し弁から水蒸気が圧力抑制室プールに抜けていくルートを熱水が通っていきます。

 3号機では流れ落ちる水で圧力抑制室気相部にあるベントの吸気口の高さに水面が達するまでの総水量は、2300トンです。60トン注水を4時間、あとは必要注水量の1.5倍相当の38トン/時で注水すると、54時間約2日間でそれに達します。

原子炉の水頭圧によるRHR-Hx(熱交換器)強制通水

1379616944.jpg3号機は弁の開閉操作が13日2時までは自由に出来ました。それで熱水の落下ルートに残留熱を除去しベントに至らない下準備となる経路が作れます。それは、東電の事故対応手順書に「原子炉の水頭圧によるRHR-Hx強制通水」と書かれているラインです。RHRは残留熱除去系のことで、Hxは熱交換器です。RHRの熱交換器は格納容器の外にあります。原子炉圧力容器は、圧力抑制室プールより高い位置にあります。この高低差を使って、RHR-Hxを途中に介して、上の原子炉からプールに熱水を落とすルートです。

東電の事故対応手順書 1号機 2、3号機

 RHR・残留熱除去系は炉圧が1.0MPa以下の低圧時に原子炉冷却水の冷却に使用する機器です。例えば、定期点検の時に発生している崩壊熱で暖められる原子炉の冷却水を、吸い取りHx・熱交換器で残留熱除去して冷して、原子炉へ送りかえすといった使い方がされます。事故時には、圧力抑制室プールの水を炉圧が高くHx・熱交換器で冷して戻してプール水温を下げる、冷したプール水を原子炉に注水する、格納容器にスプレイ・散水するいった使い方を設定されてます。

 原子炉やプールとの水のやり取りには、電動ポンプを使うのでSBO・全交流電源喪失では通常の使い方はできませんが、RHR-Hx強制通水は高低差を使うので可能です。しかしHx・熱交換器への冷却水、原子炉の冷却水の熱をとり冷すための冷却水の送水も電動ポンプを使うので、SBOでは冷却は出来ません。これは逆に言えば、何らかの手段でHx・熱交換器へ冷却水を送水できれば、除熱・崩壊熱を原子炉や格納容器内から外に排熱できるということです。ベントが不要になります。

 本来、炉圧が1.0MPa以下の低圧時に使う機器のため、例えば原子炉からの1.9MPaの冷却水を通すと破損する恐れがあります。破損によって冷却材喪失事故・LOCAが起きる恐れがあります。これをインターフェイスシステム LOCAといい、BWRで炉心損傷にいたる事故の0.2%、ABWRでは1.4%を占めるとされています。手順書ではRHR-Hx強制通水は炉圧が0.517MPa以下の時に行うとされています。3号機で消防車による代替注水が行われれば、炉圧を1.0MPa以下に下げられますから、RHR-Hx強制通水が可能になります。

 このRHR-Hx強制通水は22ヶの弁の開閉操作が必要です。2号機は蒸気逃し弁の開操作に、外部から電源(蓄電池)を持ち込む必要がありました。弁の開閉操作が13日2時までは自由に出来た3号機では可能です。

RHR-Hx・熱交換器が除熱・冷却機能を発揮すれば

 原子炉圧力容器⇒RHR-Hx・熱交換器⇒圧力抑制室プールと熱水が流れ落ちます。RHR-Hx・熱交換器に十分な冷却用の冷水が送水され本来の除熱・冷却機能を発揮すれば、それで除熱され冷えた水がプールに入ります。RHR-Hxはスクラムから約30時間後の崩壊熱を除熱できる能力だそうです。

 仮に3号機で津波から12時間後に消防車による高圧機能を使った注水やRHR-Hx強制通水が始まり、さら12時間後にRHR-Hx・熱交換器に冷却用の水の送水が開始されRHR-Hxでの除熱が始まったとします。それでは、まだ、その時に発生している崩壊熱を除熱しきれませんから、圧力抑制室プールへの崩壊熱の蓄積が続きます。またプール水量は増え続けます。

 時間と共に崩壊熱は減少します。約6時間後に崩壊熱の発生量とRHR-Hxの除熱量が同等になります。以後はプールへの熱の蓄積は止まりますが、水量は増え続けます。ここで消防車が炉に注水する水源を圧力抑制室プールに変えます。貯水池などの水に比べ水温が高いので、注水量は調整します。この水源変更でプール水の増加が止まります。

 これで注水された水は、注水前にプールにあった時の蓄積熱と吸収する発生崩壊熱を持ちます。それがRHR-Hxに落下します。RHR-Hxの除熱量は、その時に発生する崩壊熱より大きいのでプールにあった時の蓄積熱も除熱されます。その冷却された水がプールに戻ります。プール全体の熱量は減ります。そのプール水が消防車を介して圧力容器に注水されます。

 この循環が続くと、圧力抑制室プールに蓄積されていた崩壊熱も除熱されます。プール水温が下がります。温度の低下で、格納容器の圧力も下がります。過圧破損を避けるためのベントの必要性がなくなります。持続的に原子炉圧力容器が冷温停止(100℃以下)、格納容器も圧力・温度が低下して過圧破損の怖れがない状態になります。福島第二原発では、このような除熱・排熱の循環が確立してから約10時間で達しています。

 さて、東京電力が再稼動を計画している柏崎刈羽原発6、7は、ABWRというタイプです。それでは、SBO・全交流電源喪失時の原子炉への注水機能の準備・整備は如何になっているでしょうか?非常用発電機が稼動すれば、約1時間半で炉を冷温停止(100℃以下)にできると東電は言っていますが、発電機も機能停止するSOBでは可能でしょうか? 続く

消防車の高圧放水機能が使えたら1号機の水素爆発は避けれた?? 炉心、圧力容器への注水機能は働く場合(承-2)東電vs泉田知事⑰ [原発 冷却注水の確保]

シビアアクシデント対策・AMで、原子炉・炉心への注水は、一瞬たりとも途絶えさせない方針が貫かれ、消火系・PFを高圧送水機能・14気圧(1.4MPa)で使える配管の耐圧強化がされて、A-1規格の消防デーゼルポンプが設置されていたら、3.11東電核災害の様子はどのようになっていたでしょうか?仮に、建屋に備え付けのA-1規格のデーゼルポンプは1.4MPaの高圧は出ず70%の0.98MPa程度で1時間に80トンしか出せない被害を受けた、津波から12時間後、3.12の3時半にガレキを片付け道路を確保して消防車(A-2)を1台建屋に横付けにして注水が準備され、何時でも原子炉に高圧・14気圧(1.4MPa)での大量注水(1時間に60トン)が可能になったとします。
先回は2号機で、メルトスルーは起きなかったという検討結果でした。今回は1号機です。

1号機は11日の17時頃にはメルトダウンを始めていると推定されています。17時30分には消火系から注水ラインを構成しており、炉圧が下がり可能になれば注水を行う用意はしています。そして12日の2時半に圧力容器と格納容器がともに同じ値0.8MPaでメルトスルーがおきことを示しています。この時点で、舘谷に設置されているA-1規格のデーゼルポンプで注水を開始できます。または消防車が横付けされる3時半に1時間に60トンの注水を開始できます。このメルトスルー後の注水は、炉内のデブリを冷却した後に格納容器に落ちていきます。格納容器のペデスタル床に堆積しているデブリに冷却の水がかかります。
3時半に1時間に60トンの注水が行われていれば、デブリ・溶融炉心は一気に冷され、格納容器のペデスタル床の侵食は停止したでしょう。床のコンクリートとの反応で、大量の水素が発生しますが、それも3時半頃には停止したでしょう。また、水で水蒸気が凝縮し格納容器の圧力や温度が下がります。

1379456858.jpg図は、柏崎刈羽6、7号機でのシュミーレーションです。原子力安全基盤機構JNESの平成18年度の研究です。圧力容器破損がメルトスルーです。
シビアアクシデント対策AMが行われた場合が、上のほうの図です。

設定されている対策・AMはメルトスルー直後にペデスタルへの注水。メルトスルーから2.4時間後に格納容器圧力が最高使用気圧の1.5倍になると1.3倍まで下がるまで外部水源の冷水の格納容器スプレイ(散水)し、以後圧力に従って間欠的に散水する。この散布された水は、ペデスタル床への注水ともなり、デブリの熱で発生する水蒸気で減る水を補う効果があります。事故後24 時間でのRHR・残留熱除去系が復旧し圧力抑制室プール水を水源とする格納容器スプレイと格納容器からの除熱が開始される。
 1時間に60トンの注水された水は、炉内のデブリを冷却した後に格納容器に落ちていきます。格納容器のペデスタル床に堆積しているデブリに冷却の水がかかります。この発災から5~10時間後の核燃料の冷却に必要な最低水量は20トンですから、デブリの熱で蒸発せずに水でもペデステルに溜まります。デブリは水に包まれ、水中では当然に冷されます。1時間に60トンの注水は、AM策のペデステルへの注水や格納容器スプレイと同様のデブリ冷却効果があります。

1379456929.jpgこの3つのAMがない場合が下の方の図です。
AM、ペデステルへの注水や格納容器スプレイでデブリが冷え、コンクリートとの反応が激減し水素発生が抑制されています。1号機のベントは実際には12日の14時30分、メルトスルーから12時間後に行われ、出た水素ガスが15時36分に爆発しています。図の12時間後の水素割合を見るとAM有りが0.1、無しが0.8と8倍も違います。

実際には「注水が開始できたのは12日5時46分といわれている。それも7時頃までは1時間当り1トン台のわずかな注水量がやっとであった。それでもこの注水がなければ、溶融炉心は高温を維持しながら格納容器のそこを突き破り、地下水と直接接触する事態に至ったものと推定される。」(国会事故調、第2部 2.1.4、2)b.)地下水との直接接触は避けれたものの、注水量が、特にメルトスルー直後に足りません。デブリが冷えず水素ガスは大量発生し、大規模な爆発にいたっています。

 12日の2時半か3時半から大量注水が出来たら、デブリが冷やされ、それ以降の水素ガスの発生が停止状態になります。発生量=ベントでの放出量が激減(八分の一?)します。12日の14時30分にベントしたとしても水素爆発は起きないかも知れませんし、起きても規模は小さくなります。また、12日の14時30分にベントする必要がそもそも無いとみられます。メルトスルー後は、水素ガスが格納容器の圧力上昇の主犯だからです。

 1号機の総注水量の上限は1700トンと1号機のシビアアクシデント対応手順書にあります。これは、圧力抑制室気相部にあるベントの吸気口の高さに水面が達する量です。この発災から12時間を経た時点での炉心への必要注水量は、1時間に15トンと順書にあります。ペデスタル床に水深70cmほど水を溜める、それ以上になると圧力抑制室プールに流れ落ちる高さに水を張る水量は約40トン約40㎥。ですから、2時間だけ60トンを注水し、それ以後は、水蒸気の発生を抑えるために最低必要注水量15トンの1.5倍の1時間に23トンを注水したとすると、1700トンには約3日後、68時間後に達します。

消防車の高圧放水機能が使えたら 炉心、圧力容器への注水機能は働く場合(承-1)東電vs泉田知事⑯ [原発 冷却注水の確保]

東京電力はLPFL・低圧注水系の代替には、消防車を準備しています。消防車で復水タンク、貯水池、海など外部水源からの低圧注水を用意しています。

自動車の組み込まれている消防ポンプは消防法の規格で2種類あります。A-1は通常使用の規格放水圧力で約8.5気圧で1分間に2.8トン出せます、高圧放水で約14気圧・1.4トン/分です。A-2は、規格放水圧力で約8.5気圧・2トン/分、高圧放水で約14気圧・1トン/分です。

東電核災害で公表された事故時対応の手順書のやり方では、炉の圧力が13気圧程度にさがりRCIC・原子炉隔離時冷却系と消防車・高圧放水使用が共に注水できるようになったら、消防車のポンプで注水開始ます。そしてRCICと消防車・高圧放水使用で共に注水していること、代替低圧注水系が無事使えることを確認してから、切り替えます。東電が用意している消防車がA-1なら1時間に1台で84トン、A-2なら60トンが炉に注水できます。柏崎刈羽原発6、7号機では62トン(1日後は44トン)は必要ですから、消防車1台ではギリギリです。

さらに、主蒸気逃がし安全弁を開操作して炉内圧力を6気圧程度にさげれば、規格放水機能が使えます。注水量を1時間に1台で120トンから168トンに増やすことが出来ます。このように、消防車をその機能を把握して、主蒸気逃がし安全弁で炉圧を減圧すれば、ベント無しで大量注水を継続できます。この点を誤解している方が多くいます。

3.11東電核災害では、東電は高圧放水を使いませんでした。炉内圧力が6気圧程度に下げよう下げようとしていました。8.5気圧の規格放水機能も上限圧力で使おうとしませんでした。理由は至って簡単単純です。

原発では、デパートのように不特定多数の人が出入りする場所ではないし、マンションのように多人数が居るわけではないし、高層ビルのように高くはありませんので、消防法上は一般の事務ビルと同程度の消防・消火性能が要求されています。ですから、約6気圧・0.62Mpa程度使用、耐震性Cクラスで設計され、設置されています。

東京電力の原発の消火系は約6気圧・0.62Mpa程度、耐震性Cクラスの仕様で設計され組み込まれているからです。そこに14気圧で送水したら、先ず壊れます。地震で揺すられたら、耐震性Cクラスの配管は?柏崎刈羽原発では中越沖地震で屋内配管が外れてたり、接続ジョイントが壊れたりしています。8.5気圧送水も、躊躇しますね。

東電が消防車を原発に配備したのは、2007年7月の中越沖地震での変圧器火災以降です。それ以前は、設備的には建設時に設置された電動消火ポンプかデーゼルポンプを使い、足らなければ地元自治体の消防に頼る体制でした。しかし、やってきた地元自治体の消防車からの送水を建屋の消火系につなげる注水口の設置は、福島第一では2010年6月です。東京電力の防災への取り組みの本気度、真剣味がよく分かります。

想定されていたシビアアクシデント時の原子炉注水の停止・断絶

シビアアクシデント対策で、消火系も低圧注水の代替に使うことになりました。低圧系代替注水として消火系・PFを使うなどのシビアアクシデント対策・AMは、2002年までに整備が完了しています。この時に、原子炉・炉心への注水は、一瞬たりとも途絶えさせない方針が採られていたら、RCIC・原子炉隔離時冷却系が稼動できる炉圧帯と重なるように消火系も14気圧とかで使えるようにしたでしょう。


1379374248.jpgしかし、2002年シビアアクシデント対策・AMでは核燃料が損傷するシビアアクシデントはまず起きない、だから既にある設備を活用する、金を余り掛けずに活用することがAMでした。仮に14気圧送水に対応するにはポンプは取替えか新設、配管も新設しなければなりません。

消防法では、1.0Mpa約10気圧以上での送水が想定される場合は、配管や接続部を強化することを求めています。分かり易い例では、管の材質が同じなら倍の厚みになります。10気圧以上対応となると、送水管のメーカーも御相談品、特注品扱いです。当然に高価になります。また当然重さも倍になる。取替えではなく新設の工事が必要となります。(欧州のAMは、こうした設備強化に重点を置きます。)

つまり、3.11前から東電は、シビアアクシデント時に低圧注水の代替に消火系・PF使う場合は、RCICが稼動停止する炉圧約10気圧から消火系・PFの稼動開始の約6気圧の間、その間の炉圧の時には原子炉・核燃料炉心への注水が停止することは分かっていた。東京電力のシビアアクシデント対処の手順書では「原子炉圧力が0.69MPa以下であること」が消火系・PFの炉注水での使用条件になっています。

蒸気逃がし安全弁を思うままに開閉できれば、炉圧が約10気圧から6気圧の時間=注水の途絶える時間を短くできます。そのためには操作に必要な直流電源や圧搾空気・窒素ガスを用意し、運転員を訓練し能力を上げる必要があります。(米国のAMは、運転員の訓練に重点があります。)

東電は、設備強化も運転員の訓練・対応能力強化のどちらもしなかった。東電だけでなく、日本の原子力事業者、それを監督する行政もしてこなかった。

3.11に消火系が高圧放水で使えたら2号機はメルトスルーしなかった

シビアアクシデント対策・AMで、原子炉・炉心への注水は、一瞬たりとも途絶えさせない方針が貫かれ、消火系・PFを高圧送水機能・14気圧(1.4MPa)で使える配管の耐圧強化がされて、A-1規格の消防デーゼルポンプが設置されていたら、3.11東電核災害の様子はどのようになっていたでしょうか?

仮に、建屋に備え付けのA-1規格のデーゼルポンプは1.4MPaの高圧は出ず70%の0.98MPa程度で1時間に80トンしか出せない被害を受けた、津波から12時間後、3.12の3時半にガレキを片付け道路を確保して消防車(A-2)を1台建屋に横付けにして注水が準備され、何時でも原子炉に高圧・14気圧(1.4MPa)での大量注水(1時間に60トン)が可能になったとします。

1379372735.jpg

2号機は弁を開閉する直流電源は失われ、図の様に原子炉圧力容器の炉内圧力、水位、格納容器の圧力が推移しました。仮に12日にベントして格納容器の圧力を下げても、蒸気逃し弁を開操作できませんから圧力容器の圧力は下がりません。直流電源を用意して蒸気逃し弁の開操作は2号機の圧力容器の14日の18時に行われています。13時25分にはRCICの注水が停止し原子炉の水面は既に下がりつつありました。開操作で減圧しBAF(有効燃料下端部)まで水面が下がりきらない、核燃料の下部が水に漬かっている時に、消防車(A-2)での高圧放水機能で注水(1時間に60トン)が可能な炉圧になっています。

従って、核燃料の被覆の破損、一部の溶融による放射能の早期圧力容器内放出は起きた、避けれないと思いますが、溶融核燃料が圧力容器を溶かし出る溶融貫徹・メルトスルーは防げます。

スクラムから20時間以降の2号機の必要注水量は、1時間に25トンとシビアアクシデント対応の手順書に記されています。従って1時間に60トンの注水を継続すれば、水蒸気にならず熱水となり原子炉内から水があふれます。蒸気逃し弁から水蒸気が圧力抑制室プールに抜けていくルートを熱水が通って下り落ちていきます。炉圧を大気圧まで下げれば、100℃程度の熱水です。

2号機では流れ落ちる水で圧力抑制室気相部にあるベントの吸気口の高さに水面が達するまでの総水量は、2300トンです。60トン注水を4時間、あとは必要注水量の1.5倍の38トン/時で注水すると、54時間約2日間でそれに達します。 

1号機、3号機に続く


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