核の一九六八年体制と西ドイツ-2021ーその⓶：畑のたより、環境・核篇：SSブログ

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核の一九六八年体制と西ドイツ-2021ーその⓶　[核のガバナンス] [編集]

核の一九六八年体制と西ドイツ　岩間陽子 (著)　出版社 ‏ : ‎ 有斐閣　刊行　　2021年8月5日
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-464-1149335
「本当に街を守るために、核戦争をするっもりだったのか」という問いに対する答えは、「するということにしておかねば、戦争を避けることができなかった」というものだった。戦争,を避けるために、核戦争の準備をし続ける ――この何とも弁証法的な命題の中に、西ベルリンと西ドイツは、冷戦期間中い続けた。

【主な内容】

序章核によって支えられた秩序

第1章　核戦略の誕生
アイゼンハワー政権での核抑止政策の誕生と、それをアイゼンハワ―政権がどのように同盟国に適用しようと考えていたかを概観

第2章　大量報復戦略と西ドイツ

再軍備と同時にNATOに加盟した西ドイツが、この核抑止戦略にどのように適応せざるをえなかったかを検証する。第二次世界大戦のソ連との陸上戦の記億を引きずる西ドイツにとって、大量報復戰略に適応することは容易ではなかった。

第3章　米英「核同盟」と危機の季節

スエズとスブ―ト二クという二つの危機を経て、NATO内でアメリカが抑止の信頼性を高めるために模索を始めるさまを扱う。アイゼンハワー政権は、核を同盟国と何らかのかたちで「共有」することを考えた。

イギリスはもともとマンハッタン計画で特別な地位を占めており、戦後すでに独自核開発を始めていたこともあって、アイゼンハワー政権のうちに、非常に有利な条件をアメリカに認めさせることに成功した。しかし、続くケネディ政権は、当初から核の拡散に否定的な態度をとっており、ペルリン、キューバという二つの危機を経たことで、さらにこの態度は強くなった。

核保有国を限定しようという政策に舵を切ったアメリカに対して、ドゴール ( Charles André Joseph Marie de Gaulle )のフランスは、あくまあくまで独自核の開発を進め、最終的には N A T Oの統合軍事機構からも自国軍を外し、NATO本部をバリからブリュッセルへと追い出すことになった。西ドイツは、このドゴ―ルに強く惹かれ、アメリカの抑止カに懐疑的なゴーリストと、しょせんアメリカの枠組みの中で生きていくしかない、と割り切る大西洋派 (アトランテイカー )に分かれ、激しい国内対立が外交交渉と将まり合い、ー九六〇年代は危機の連続となる。アデナウア―|政権、エアハルト（Ludwig Wilhelm Erhard )政権、キージンガー（Kurt Georg Kiesinger）政権と、三つの政権の間、保守党内の対立の構図は続いた。

第4章「N番目」の核保有国

アデナウアーとドゴールの時代を中心に、 N A T〇における核共有のアイデアの起源と、これに対してヨーロツバの自立性を失いまいとした、ドゴールとアデナウアーの考えを見る。

第5章　核の一九六八年体制への道

アメリカ側がケネディ、ジョンソン、西ドイツ側がエアハルトと政権が代わる中で、当初から　間題の多かった多角的核戦力（The Multilateral Force, MLF）構想がしだいに支持を失い、むしろ NATO内でのより緊密な核に関する協議を制度化し、NPT（核兵器不拡散防止条約）体制内で許容される形の核共有へ舵を切ったようすを扱う。

第6章　西ドイツと一九六八年体制の受容

一九六九年十月に西ドイツにブラント政権が発足すると、即座に N P T（核兵器不拡散防止条約）を署名した　うえで、モスクワ条約、ワルシャワ条約の交渉に取り掛かることができたのであり、成立した世界的な核兵器に関する秩序fは､基本的には今日に至るまで維持されている。その枠組みを本書は「核の一九六八年体制」と名づけようと思う。

この成立過程が第 6章で扱われる。

終章　生き続ける核の一九六八年体制

この時代に成立した「核の一九六八年体制」と本書が呼んでいるものがどのような体制であったのか西ドイツをはじめとする多くの国がその体制を受け入れた条件はどのようなものであったのか、そしてその現代的意義を検討

その③で　１番目の核保有国のアメリカ合衆国の核兵器を検討

2022-08-25 12:00 nice!(0) コメント(6)