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3.11前の原子力防災体制論ー高田純氏を引き合いに 弐 [核のガバナンス]

核災害の多くの事例は軍事的であって、その情報は機密事項となってきた。
米国や旧ソ連などの核兵器保有国の一部の限られた科学者は、よく知っている。筆者は非核兵器保有国のなかの例外的な存在である。(フ~ン[波]
ニュークレアハザードの概念を理解することが本質的に重要であるとの結論に,過去の(軍事的機密事項)の事例分析から至った。 ([波][波]
「1999年のレベル4の東海村臨界事故は,遮蔽構造等も不十分な施設であり,例外的事例である.」
東海村臨界事故では、ガンマ線と低速中性子線と高速中性子線がでている。商業原子炉ではガンマ線と低速中性子線は遮蔽構造が造られているが、高速中性子線にはない。どんな遮蔽構造が出来るのだろう??
核災害とは何か
 原子力施設の事故や核兵器に関連した核災害の中身を理解することはやさしくはない.その理由は,それ自体が非日常的な出来事や技術であることに加え,まれにしか発生していないことも要因である.しか仏幾つか種類のある核災害が,世界の別々の国で発生しているからである.さらに多くの事例は軍事的であって,その情報は機密事項となってきた.
 多数の公衆が影響を受ける核災害とは何か.よく知っている人は世界のなかでも限られた科学者だけだ.それは,米国や旧ソ連などの核兵器保有国の一部の科学者である.筆者は非核兵器保有国のなかの例外的な存在である,
 核災害を防災の視点から認識する上で,ニュークレアハザードの概念を理解することが本質的に重要であるとの結論に,過去の事例分析から至った。核に関するハザードの特質を理解してはじめて,適切な「核防災」,「原子力防災」の体系を組み立てられるのだと思う.日本での「原子力防災」は原子力発電に関連した施設に起因した災害に対する防災である.これはより広い意味での「核」に対する「核防災」の中に含まれる「防災」である.
 さて核災害の原因としては,核兵器の使用,核爆発の産業利用,原子炉事故,核廃棄物の環境への投棄が主である(※3).これにより,周辺環境へ放射性物質が放出される.また,核爆発の場合には,放射された中性子により環境が放射化され,2次的に放射性物質が誘導される.こうしてその事象のあった周辺公衆は,共通して放射性物質の取り込みやそれらからの放射線による内曝と外曝とを受ける.あるいは,その一方の被曝の場合もある.たとえば,広島と長崎の爆心地は主に外曝,東海村も外曝であった.チェルノブイリは両方の被曝だが,甲状腺ガンの発生原因は,主に放射性ヨウ素の取り込みによる内部被曝である.ただし核兵器の戦闘使用の場合には,熱線と衝撃波による被害が主要な原因となる.なお,以下の核災害についての議論では,主として「原子力事故」による放射線被曝とその防護を前提としていることにご留意いただきたい.
 核燃料を扱う施設での臨界事故では,適切な施設の構造があれば,周辺の住民が被曝する事態にはならない.1999年のレベル4の東海村臨界事故は,遮蔽構造等も不十分な施設であり,例外的事例である.また,こうした施設を許可するようでは困る.
(※3)高田純:世界の放射線被曝地調査,講談社ブルーバックス(2002)
高田純・科学・200306-645―646.jpg


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