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原発の会計・財務面からの問題点・壱 2019;03;20原発フォーラムより [地球温暖化]

 【原発ゼロ時代の気候変動対策を考える】と題した集会・フォーラムが2019平成31年3月20日にあった。 主催は原子力市民委員会 http://www.ccnejapan.com/ で、録画が公開されてる。
   第1部(1時間23分) → http://youtu.be/Svu5zE5oxos
   第2部+第3部(あわせて2時間20分) → http://youtu.be/pIycMaQGM04
 第1部「世界で進むエネルギー転換と気候変動問題」と第2部「日本での気候変動対策の遅れとエネルギー政策の急所」で配布・使用資料が公開されてる。http://www.ccnejapan.com/?p=9733  配布資料を見た限り興味深いのは、第2部では金森絵里(立命館大学教授)氏の「原発の会計・財務面からの問題点」が興味深かった。 数回で要約する。その壱。

「これまでの原発事故コストに関する資料としてしばしば取り上げられるものに、スイスのポール・シェラー研究所(Paul Scherrer Institut : PSI)の「エネルギー部門の過酷事故」(Severe Accidents in the Energy Sector)に関する分析がある。」「ポール・シェラー研究所では,この比較分析を始めるにあたって,1998 年に過去の原発事故を調査した(Hirschberg, et al., 1998, Table D.1)。当時における原発の過酷事故は7 件とされ,スリーマイル島・チェルノブイリのほか,旧東ドイツのアウエ(1955 年)・旧ソ連のチェリャビンスク(1957 年)・イギリスのウィンズケール(1957 年)・旧ソ連のカラチャイ湖(1967 年)・ロシアのトムスク7(1993 年)の事故が取り上げられた。」
TMI、チェルノブイリはよく知られるが、残りの5つ調査対象を調べてみよう。
旧東ドイツのアウエは、ヴィスムトWismut・ウラン鉱山株式会社のAue鉱山があったザクセン州のAueと思われる。1992年「旧東独WISMUT社ウラン鉱業汚染の浄化修復現地調査報告書」(動力炉・核燃料開発事業団(Power Reactor and Nuclear Fuel Development Corporation;PNC、現在は日本原子力研究開発機構:原子力機構、JAEA)に依れば、ザクセン州とチェコ国境の間の鉱石山脈Erzgebirge地域では中世には鉱山開発が始まっている。ヒットラー政権はとれたウラン鉱石をドイツの核計画研究にもちいた。敗戦でドイツ民主共和国・DDR・東ドイツの領土となり、第二次大戦の戦時賠償としてソ連の原子爆弾に用いるウラン供給をヴィスムトWismut・ウラン鉱山株式会社が行う形態で採掘された。下の地図参照。
 1990年東西ドイツ統一、91年会社の全株が政府所有、操業停止となる。その結果、鉱さい堆積場、捨て石堆積場、放棄された坑道などの鉱山跡地、製錬場蹤などとヴィスムート(Wismut)処分場・4,500ha・鉱さいなど3.1 億㎥mが地域に残された。それから出る水・地下水や川水などへのウランやラジウムの溶出、そうした水を介するα放射能汚染が問題になった。ウラン崩壊で生成するラドン(ガス状放射能)は、元々のレベル、量が多くて、改善は取り組まれてなかった。
 PNC現地調査の1992年、シェラー研究所が原発事故を調査した1998年には、被覆・覆土など環境対策は終わってなかった。それで、事故コストは不明となっている。2014平成26年の報告書※では、ヴィスムート処分場は環境修復は終了、「その結果、1mSv/年以下の線量基準を達成しており、2割近いエリアが一般に売却等解放されている。」しかし「管理については、永続的な管理が求められている」。つまり管理経費が永続的にかかる。事故コストは際限なく累積して増大していき、子々孫々に永続的に負担を強いる形となっている。
報告書※ 2014H26、ウラン廃棄物の処分およびクリアランスに関する海外の状況 電気事業連合会ほか
http://www.jsnm.or.jp/group/files/2011/06/d1ce221f878790768b698d7ffaba08cc.pdf


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