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フランスのグレー制御棒 台湾の公民投票⑩ [日々の雑感]

フランスは、原子炉の熱出力を変動させて、負荷追従の発電をしている。独立自尊・独立独歩の国らしい。

欧州原子力産業会議・FORATOMの和訳資料「コメンタリー第12回 」2015年9月24日付 https://www.jaif.or.jp/cms_admin/wp-content/uploads/2015/12/sp_necg_1208-12.pdf などよりまとめる。


全電力量の75%以上が原子力で発電されているフランスでは、需要に合わせた負荷追従運転の要求が特に高い。研究の段階を経て、1982年から商用運転に取り入れられている。今では、電力需要の時間単位、日単位、および週単位の変動に原子力発電所は柔軟に出力を調整しながら運転している。
EDF(フランス電力公社)の原子力発電所はベースロード・モード、一次/二次周波数制御モード、または負荷追従モードでの運転が可能となっている。

「こうした柔軟な運転モードを実現させるため、フランスの原子力発電所では2種類の制御棒が使用されている。通常の制御棒に加え、中性子吸収量が小さいグレー制御棒が使われている。グレー制御棒の他、一次冷却材の温度変動も活用することで、フランスの原子力発電所は相当な運転上の柔軟性を確保している。」
《グレー制御棒」:中性子吸収量が大きい制御棒より小さな微調整用の制御棒》という(編集部注)が「コメンタリー第3回」2014年11月3日付には付いている。「中性子吸収量が小さいグレー制御棒」は Gray Rod;GR 《負荷追従制御棒》との日本語訳も付いてた。
微調整用の制御棒は日本の原発にも用いられている。「グレーノーズ制御棒」の名前で、東京電力福島第二原発の2号機で用いられている。

グレーノーズ制御棒1984_-4P.jpg

日立製作所の技術者が論文発表 http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1984/04/1984_04_04.pdf している。また高速増殖原型炉「もんじゅ」には微調整棒、粗調整棒、安全棒および後備炉停止棒の4種類が設置された。「微調整棒は悦子炉運転中に原子炉出力の微細な調整に使用される。粗調整棒は、温度変化および燃焼の進行に伴う反応度の変化および出力レベルの制御に使用される。安全棒は常時は完全引抜き状態にあるが、スクラム(急速そう入)の際余剰反応度をr吸収して原子炉を緊急停止する。また後備炉停止棒は緊急停止用の安全棒のバックアップ」(日立評論1974年5月号 http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1974/05/1974_05_02.pdf

日本で繰り広げられた出力調整の技術開発と、フランスの出力調整の仕組みを追ってみる

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