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賞味期間2年の回収ウランを何時でも使えると嘘  原子力発電環境整備機構・NUMOのPR① [使用済核燃料、再処理、廃棄]

原子力発電環境整備機構・NUMOの、再処理ででる放射性廃棄物を地中に捨てる「地層処分」の説明会について何回かに分けて書いてみる。NUMOは説明会を「科学的特性マップに関する対話型全国説明会」と称している。「地層処分の仕組みおよび日本の地質環境等について広くご説明し、参加者の皆さまとの質疑応答等を通じて理解を深めていただくことを目的」とするPR・広告である。
7月29日に新潟市であった。参加申し込みをした。しかし、当日参加できず、ネットで公開されている「当日の資料 (映像資料)・「地層処分とは・・・?」はこちら https://www.numo.or.jp/pr-info/pr/video/#sec_01
(説明用資料)・『説明資料』(PDF形式:607KB)PDF https://www.numo.or.jp/taiwa/pdf/setsumei_taiwa2018.pdf」などを見ての感想を述べる。


賞味期間2年の回収ウランを何時でも使えると嘘。

使用済み核燃料を処理・再処理して回収されるウランは、もともと含まれていた3種のウラン(238、235、234)と新たにできた2種(232と236)から成る。原子力発電環境整備機構・NUMOのビデオでは、再処理で回収したウランを何時でもウラン核燃料で使用できると嘘をついている。ウラン232・U-232が、事実上使用期限をつけている事実を隠している。
ウラン232・U-232は、ウラン288・U-238から出来るルートと含まれている天然のトリウム232が熱中性子を吸収して始まるルートで原子炉、稼働中に生成する。
U-232は半減期が68.9年でTh‐228・トリウム228に崩壊すると、安定な鉛Pb-208に達するまでに連続して7回の崩壊を繰り返す。半減期合計約1.9年の間に7回繰り返す。途中にガンマγ線源の鉛Pb-212、ビスマスBi-212、およびタリウムTl-208になる。特に注目すべきはタリウムTl-208。その崩壊で、2,614keVの強ガンマ線がほぼ100%の確率で発せられる。医療用X線の50keV、セシウム137の510keVに比べると、そのγ線の強力さが判る。
m_232_siryou5bk.jpg

U‐232の崩壊に連れて、徐々に回収ウラン中のTh‐228・トリウム228の濃度は上昇する。U‐232の存在量、崩壊量とTh-228の崩壊量、減少量の時間的差から約10年後まで上昇する。そのTh‐228濃度が50年の間はほぼ同じで、約60年後まで高原状態になっている。γ線はTh‐228・トリウム228の崩壊列中の娘核種、タリウムTl-208などから発せられる。ウラン回収直後はTh‐228濃度が上がってないから、γ線はほぽゼロで0.1年(約36日間)を過ぎると増加し始め、1年後には約36日後の約10倍の線量率になる。10年後には約30倍に上昇(ビルドアップ)する。その高い線量率が、その後の約50年継続する。
国際原子力機関(IAEA)は、核物質から1m離れた地点での放射線強度がガンマ線では1Sv/時あれば、数時間の被曝で人体に深刻な影響を与え、2~6週間以内に死に至らせる確率が高いから、核兵器転用などへの自己防護性を有するとしている。ウラン232は、1%含まれていると約1~2ヵ月後に、0.1%で約2~7年後にそのレベルに達する。つまり精製から時間を経た回収ウランは外部被ばくへの影響が大きくなる。回収ウラン使用の核燃料は、時間が経つとタリウムTl-208などから発せられるγ線が強くなり、作業員らが近づけなくなる。回収ウラン使用の核燃料は作り置きが出来ない。

そのγ線被曝が、労働環境の視点・基準からの評価が原子炉に装荷するまでの期間を決めることになる。形成加工の作業労働者の被爆、原子炉装荷の労働者の被曝量の視点から基準で決めることになる。日本政府(経産省)は技術開発目標で2年、再処理の回収直後から2年の期間を掲げた。続く

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