SSブログ

僅か十数cmの地盤変動・変位でも、配管を破断し火災黒煙の3号機 KK原発の液状化対策 ㊱ [地盤、液状化&断層]

東京電力は柏崎刈羽原発敷地の液状化の問題を、それによる地盤沈下という形で取り扱い、量について「液状化後の排水による沈下と、地震時の液状化による側方流動による沈下という二つに分けて算定」している(第419回・2016平成28年11月29日の審査会合、議事録77頁)
側方流動による沈下の「解析の結果を続きまして21ページ以降にお示ししています」と第419回・2016平成28年11月29日の審査会合で資料2-3、平成28年11月付「柏崎刈羽原子力発電所 6号及び7号炉 液状化による地盤沈下及び斜面崩壊を考慮した津波評価条件について」をとり挙げている。
000171360資料2-3-24-s.jpg
そこではシミュレーションした結果を二つの量、地震が収まっても残留している垂直方向の変位量・残留鉛直変位(m)と横方向を残留水平変位(m)で示してある。液状化を、それによる地盤沈下で取り扱うのだから、垂直方向の変位量・残留鉛直変位(m)が出てくるのは当然だ。残留水平変位・mは不要だといえる。
ただ、理学的工学的には側方流動による地盤の水平方向移動で、横方向の残留水平変位で、建物基礎や橋の基礎杭などが引っ張られて傾いたり、基礎が土台から外れたり、破断して上屋が大きく変形したりしている。また、ガス・水道などの埋設管が多数被害を受けている。液状化を論ずのに、横方向の水平移動、変位を外すわけにいかない。
柏崎刈羽原発では、中越沖地震時に3号機タービン建屋の南東部の脇にある変圧器から火が出ている。2007年7月16日10時13分に地震。全号機停止。10時15分、パトロール中の発電所職員が、3号機タービン建屋外部の3台の変圧器の内の最も東側からの白煙の発煙を発見。
防火壁で区切られ延焼の可能性は小さいが、消火設備間の配管破断により放水量が少なく、初期消火活動は思うように進まなかった。10時30分頃、黒煙に変わる。変圧器の絶縁油が燃え始めたと見られ、区切る防火壁で燃え拡がる可能性は小さいが、しかしこのままの状態では変圧器が爆発する危険性があると職員らは判断し、対策本部に報告し安全な場所に退避。
変圧器火災は放置され、黒煙を上げ続けた。約1時間の11時32分、所管する消防署が化学消防車等で消火活動を開始、発煙から約2時間後の12時10分頃に鎮火した。
外部からの電力を受けて変圧し、建屋内の電動ポンプ等に送り出す設備。その電力接続線が通っているダクトが、外れた。火災時の写真画像でも連絡道路や芝生が脈打ってる様が見て取れ、現場は地盤変動があった。その変位は、鎮火後の調べで写真でみて上下、左右(南北)、前後(東西)あり、その内の上下変位が約20㎝と最も大きい。その変位をもたらした地盤変動で、消火配管が破断し、初期消火失敗。その変位で破損して、変圧器絶縁油が漏えいし、電力線が地絡アース・短絡ショートで火花アークが飛んで火災に至ったと考えられる。変位が左右(南北)でも、前後(東西)で絶縁油は漏洩し電気火花は飛んだろう。僅か十数センチの地盤変動・変位でも、配管を破断し火災黒煙を生じ得る実例である。
g07122501-11変圧器.jpg
4637s-s6.jpg
463-804_04-s6.jpg

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント