SSブログ

日本の揚水発電は原発維持用、ソーラーシェアリング⑦ [エネルギー基本計画]

揚水発電は電気エネルギーを水の位置エネルギーに変換して蓄えるのだが、水圧管の流水の抵抗、水車(ポンプ)の抵抗(効率低下)、発電機(モーター)の抵抗(効率)があるから原理的・物理的に揚水発電は蓄電時の電力量より放電時の発電量の方が常に少ない。大体、損失が20~30%程度、つまり効率は約70%と言われている。蓄電時の電力の発電方式は?
水力発電は電力需要に追随して発電量を増やせるが、農業など発電以外の理由でダムからの放水が行われたり、流れ込み式では常に流れ込む水で発電が起きたりして、できた電力が使い道がない場合がある。ダムの新設は難しいが、流れ込み式の発電所は小規模の発電所が立ち上がっている。小規模の揚水発電は欠かせない。放水などの持つエネルギーの80%が電力に変換するから、揚水発電の正味のエネルギー効率(総合効率)は80×0.7≒55%程度。
火力発電はLNGガスや石炭など燃料の燃焼・消費が発電には必要だが、燃料のもつエネルギーの電力に変換される効率が近年特に向上している。一昔前は35~40%だったが、近年のLNG複合発電は55%位になっている。揚水発電時の正味のエネルギー効率(総合効率)は40%程度。一昔前の火力発電でも(35~40)×0.7≒24~28%位の総合効率。
そして、発電開始に必要な時間、立ち上げ時間が2~5時間(停止期間が長い場合は1~2日間)程度だったのが、30分位になっている。以前は、機器の温度が放熱で低下していると発電開始に時間がかかったが、今は短時間での起動停止が可能・容易なっている。そして以前は発電開始に時間が掛からない様に、機器の温度を下げないようにするためにある程度の燃料の燃焼・消費≒発電が持続・継続した。今でも石炭火力発電は、そういう面がある。火力発電は、近年はCO?の発生量が少ないLNG天然ガスが主力になって石炭火力発電の比重は小さくなっている。機器の冷却・低温化を避けるための燃料の燃焼・消費≒発電の持続する量も比重が地策なっている。揚水発電は欠かせないが、小規模で済む。
原子力発電はどうか。原発は安全保障の必要から、出力を変動させない定格運転が行われる。だから、需要が減る夜間は余ってしまい利用率が悪くなる。それで、揚水式発電所の水くみ上げに電力を消費して、需要ピーク時にその水で発電する揚水発電は欠かせない。原発の電力は、ウランが核分裂反応で出すエネルギーの35%程度だから、正味のエネルギー効率(総合効率)は25%程度。
このように電力需要が減少に合わせて追随して発電量を減らせない、安全確保のために減らせない原子力発電・原発の電力を吸収するために、大規模な揚水発電が必要とされたのではないか。下の関西電力の「電力需要に合わせた電源の組み合わせ」の説明図を見れば、そのように考えられる。ベース電源の大半を占めている原発が、2012年のように全機停止したら、揚水用動力の電力供給はあるだろうか。


関電_pic_01.jpg

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント