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Power to Gas(PtG)で石炭火力発電と再エネ発電がリンク 妄言『原発比率7ポイント低下で・・ 電中研試算』の続き⑥ [電気料金制度・稼働率]

技術の向上と一般化を見落としているという点を検討してみる。その5回目。

火力発電と再エネ発電の相性

太陽光発電(Photovoltaics: PV)や風力発電は、Variable Renewable Energy: VRE(変わりやすい,変化しやすい、継続[更新]できる.再生可能な.自然に補給される、エネルギー)自然変動電源という。水力発電はVariable(変わりやすい,変化しやすい)という点がない。日本に豊富なgeothermal power地熱を利用する地熱発電も、発電量がVariable(変わりやすい,変化しやすい)という点がない。温泉とは高温温水を採る深さを変えれば良いのだし、自然景観を壊すというのも水力発電のダムや砂防ダムと比較均衡を考えれば大問題だろうか?。
PVや風力発電は、ダムや地熱ほど立地を選ばない。この二つを中心に再生可能エネ電源が拡大している。電気電力の需要は、昼間の昼頃にピークがあり夜間に向かって小さくなる。だから時には、風が吹けば働く風力発電や太陽光が在れば電気を起こすPVの電力が余ってしまう。
余剰電力は、電力を捨ててしまう、発電機を止めてしまう方法も採れるが、それは勿体無い。蓄電して不足の時に使おう。電力を蓄える方法は色々ある。欧州では、発達していた国際電力線網や国際取引を使い、夜間などの余剰電力を安く国際市場に出し、それをスイスやノルウェーの水力発電の会社が買ってダムに揚水に使い、電力価格が高くなる昼間にダムで発電して売るという形が採られた。余剰電力をダムの貯水に姿を変えて蓄える方法だ。2017年に九州電力も使って話題になった。
似た方法に、余剰電力を使い大気を圧縮して、その圧縮空気をボンベ・タンクに蓄え、電力不足になったら解放して風力発電で電力に戻すやり方もある。この圧縮空気ボンベ・タンクは、置く場所をダムや地熱発電のようには選ばない。
蓄電池を使う方法もある。ただ蓄電池は、一か所大規模集積には安全上向かない。それで、自動車を電気自動車として、搭載した蓄電池に余剰電力を蓄え、それを自動車の動力として利用する方法が、中国や欧州で行政規制・権力的に推進されている。蓄電池は小型分散しているが、「塵も積もれば山となる」で全体では大容量の蓄電池として再エネの余剰電力活用に役立てる戦略だ。ただし、蓄電池を作る原材料に限りがあるという問題がある。
もう一つ。Power to Gas(PtG)というのがある。主に風力発電を中心とした再生可能エネルギー発電で発生した余剰電力を利用し、①水を電気分解して水素を取り出す、あるいは②その水素と二酸化炭素を混合反応させて合成メタンガス=天然ガス(SNG/Synthetic 合成の Natural Gas/ Sugstitute 代替の、代理の Natural Gas)を取り出す方法である。生成された水素やSNGはNGに混ぜて都市ガスや発電に用いる。さらに合成メタンガスを作り更に進めて、メタノール(メチルアルコール) を作るGas to FueL(燃料)という方法、直鎖の炭化水素など化学製品原料として利用できる化学物質を作るGas to Liquid(液体の)という方法も研究されてる。
CO₂の処理の場
PtGではSNG・合成の天然ガスを作るには二酸化炭素が必要だ。その二酸化炭素を大量に入手する現時点での方法は、大規模工場や石炭火力発電所の排気から回収することである。火力発電は、排出される二酸化炭素が大量であることが問題になっている。その二酸化炭素を分離・回収する技術は、確立されいる。回収された二酸化炭素ガスの行き場は、大気圏外でなければならない。海は廃棄を行わない国際的に合意がロンドン条約で成立している。困った。その行き場の一つが、PtG。PtGで、再生エネ発電の困りものの余剰電力と、火力発電の困り者の多過ぎる二酸化炭素がリンクし結び付きSNGが生成することになる

再エネ電力 5~7円以下が必須、柴田 喜朗氏の研究

柴田 喜朗氏の研究「我が国における Power to Gas の可能性」(日本エネルギー経済研究所発行、エネルギー経済 42(1), 32-49, 2016-03。http://eneken.ieej.or.jp/data/6442.pdf )では、1充放電当たりのコストと時間・周期を試算結果が出ている。
図 蓄エネルギー技術

6442PtuG-5-12.jpg
 


そして、価格条件を推計している。①PtuGの設備費が半額になる。水を電気分解する電解装置の設備費は、現在100万円以上が43万円になるなど②設備利用率100%との条件で、合成メタンガスSNGが(A)輸入LNGの価格と張合えるには再エネ電力価格が3円/kWh以下である(B)都市ガスは価格が高いので電力価格7円/kWh以下ならSNGは向こうを張れると試算結果を示している。火力発電の困り者の多過ぎる二酸化炭素の引き受け場として、その引受料収入で電力価格の上限条件は緩む蓋然性はあるが、何れにせよ、再エネ電力の価格低下は必須だが、技術的可能性は?



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